2022年10月15日

22年10月のカンムリウミスズメ調査報告2

10月15日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

今回も、カンムリを見つけることはできませんでした。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:9:36から15:11まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0



前日まで海況が悪く1週間近く漁に出られない日が続いたとのこと。波はそこそこあるが後ろからなので、あまり気にならない。といっても上下動はあるので、安全策をとって、双眼鏡は使わず、目視観察で行くことにする。実際、双眼鏡で遠くを眺めても波間に見え隠れする小さな物体を見つけるのは至難の技で、目視で見える範囲を見落としなく探す方が確実である。

港を出てすぐ、船外機をつけた小さな釣り船の近くに1羽のウミネコを見つける。釣り人が捨てる「外道」というか「雑魚」を狙っての行動か。

長島の尾根筋を注意深く見回すが、ヒヨドリの渡りの気配はない。上空を旅客機が飛んでいるのが目に入ったので撮影。画像を拡大するとJAL機と分かる。以前、宇部空港から羽田へ向かう飛行機の中から調査地付近を空撮したことがあったが、反対方向へ向かう飛行機もこのコースを通るのだろうか。私がよく利用する羽田から宇部空港への便は、上関の上空は飛ばない。どうでもよいことだが、なぜか気になる。

1時間近く走ってもウミネコの姿すら見えない。頭の中でそうボヤいていると浮かんでいるウミネコが2羽、遠目に見えた。その後、等間隔に浮かんでいる個体が2羽。進路を北寄りに変えたので、それまでは後ろからの波だったが、進むにつれ横波に変わり、そして正面からの波を受けるようになった。飛沫が飛んでくるようになったので、カメラをバッグに入れた。しばらく耐えていたが、祝島近くまでやって来ると波は穏やかになり、ウミネコの数も増えてきた。船が近づくと飛び立つ、中には幼鳥の姿もある。ウミネコが飛び去ったあと、小魚が跳ねるのが見えたので、それを狙って集まっていたようだ。

船長さんが突然、「ヒヨドリ!」と叫んだので振り返ると、海面すれすれを飛んで行く黒い影が目に入る、慌ててシャッターを切るが逆光で上手く撮れない。


221015海上を渡るヒヨドリの群れ.jpg


そのうちだんだん遠くなり、祝島の沖合へ消えた。大分の姫島方面に向かったようだ。

島の近くにはたくさんの釣り船が出ていた。全く沖合とは海の様相が違う。近づくと何か光るものがたくさん見える。初めは分からなかったが、ヒヨドリの羽の表と裏の明暗差がバックの林の色から浮き出していたのだ。今に飛び出すぞと思ってカメラを持ち直していると、予想通り、ヒヨドリの群れが上空に舞い上がった。


221015島から飛び出したヒヨドリの群れ.jpg


飛び方に違和感があったので、戻って来る?と言いかけた時、群れの息が合わなかったのか、群れは元の林に飛び込んだ。ハヤブサを警戒しているようだが、今のところハヤブサの気配はない。

再び飛び出したが、また戻って来る。三度目に飛び出した群れは、祝島の林の中に消えた。この群れは海面すれすれを飛ぶことはなかったので、当初より祝島へ渡ろうとしていたものと思われる。長距離を飛んで行く時は、群れは上空から海面近くまで一気に降下し、帯のようになって飛んで行くからだ。

ハヤブサは、高空から獲物を襲い、獲物を蹴飛ばし気絶して落下する獲物を掴み取るという狩りを常としているため、濡れるのを嫌うこともあって、水面近くを飛んでいる獲物は諦める。またヒヨドリの背面の色が海面の色に溶け込むことも一羽一羽の鳥の動きが視認しづらいのかもしれない。

島を周回していると、いつものようにミサゴが飛び出す。クロサギも1羽、いつもの岩場から飛び出す。今回は、島を後にして田ノ浦方面へ飛んで行く。島の岩場には何ヵ所も瀬渡しの釣り人が陣取っていたからだろう。

島の南側に船を止め、早いお昼を摂ることにした。11時過ぎに何時ものようにお菓子が配られ、それがおかきだったこともあって、早昼は、せっかくのニコニコ亭の弁当ではあったが、食が進まない。この日のお茶うけは「御堀堂の外郎」。前の日に自転車で新山口駅まで行って購入したもの。船長さんやTさんに「生外郎」を届けたかったからだ。船上で配ったものは真空パック入りのものだったが、これも袋のまま茹でると蒸し立ての食感が味わえる。白、黒、抹茶の三種類の味が楽しめる。御堀堂の外郎は、本蕨粉を使っており、私、お勧めの一品なのだ。

午後からの調査といっても12時前に開始したのであるが、開始後すぐにブイに止まるウミネコを見たものの、その後は遠くを飛ぶカモメ類が時折見られただけで、カンムリの気配はまったくない。

昼からの調査を早く開始したので、沖から八島と室津を結ぶ定期船かみのせき丸の出港を見ることができた。島陰だからか波もほとんどなくなった。前回、大量の浮遊物のあった海域には浮遊物は見られない、一体どこに流されて行ったのだろうか。船長さんが「あそこ!」と、左舷方向にまとまった鳥の群を見つけた。双眼鏡で確認するとカモのようだ。船を近づけようとするとすぐに飛び立った。何枚か写真を撮ったが、この時期のカモはオスもエクリプス羽といってメスのような羽色をしているので、種が同定できない。


221015飛び去るカモの群.jpg


着水したのが見えたので船を回す。やはりすぐに飛び立ったが、今度は横向きの写真を撮ることができ、オカヨシガモの群と分かる。10羽弱いたようだ。オカヨシガモは潜水採餌する海ガモの仲間ではなく、河川にいる水面採餌(水面のものだけではなく、水中に頭を突っ込みお尻を上げて届くくらいの水深なら餌取りをする)カモなので、なぜ海面で休んでいたのかは不明。

船長さんが「やっと鳥らしい鳥に出会えた」と言っていたが、同感だった。

その後も遠くの岩の上にいるミサゴを見たくらいで、鳥らしい鳥は出なかった。蒲井の磯で船長さんのお客さんを拾ったが、カンムリの出現を諦めた私は、前回、その付近でスナメリが見られているので、その前からいつ出ても対応できるようにとカメラを手に持って準備していた。そんな時に限って出てくれず、本当に恨めしい。

島でもう一人のお客さんを乗せたが、カラスって賢いというか、状況をよく見ている。お客さんが船に乗り込む準備を始めると、どこからともなく飛んできて、ちょっと上の樹上から様子を窺っている。船が離岸すると、間髪を入れず、岩場に降りてきて、放置された釣り餌を漁り始める。釣り人の行動パターンを学習して、確実に餌にありつく。「鳥頭」などと誰が言ったのか、こうしたカラスの行動を見ると認識を改める必要があるとつくづく思うのは私だけだろうか。今回も白浜港に戻ると街灯の上に止まったウミネコが出迎えてくれていた。


221015いつものように出迎えてくれたウミネコ.jpg



(この調査は、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2022年10月10日

高木仁三郎市民科学基金クラウドファンディングのご案内

平素は上関の自然を守る会の活動に、ご理解とご協力をありがとうございます。

この度、高木仁三郎市民科学基金のクラウドファンディングをご案内いたします。

科学的根拠に基づき、社会問題の解決を探る市民活動を支援する高木仁三郎市民科学基金(以下、高木基金に略)によるクラウドファンディングが22年9月2日から始まり、最終日は10月20日となります。

高木基金・市民科学者・市民のつながりを広げるクラウドファンディング

https://congrant.com/project/takagifund/5103

当会発足の1999年から資金調達の目途が立たない中、高木基金の援助により市民と専門家が緊密に連携し、多面的な活動の継続を可能としました。その結果、科学的客観性に基づく生態系解明という私たちの活動基盤を確立できました。

高木仁三郎市民科学基金のクラウドファンディングご案内につきましては、皆さまにご理解いただけると幸いです。

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2022年10月07日

LUSHチャリティーポット15年の歩み ご案内

上関の自然を守る会の活動に共感し助成して下さっているラッシュさんが、チャリティポットの発売15周年を記念して動画を作成されました。


世界中の様々な活動と共に、日本からは上関の自然を守る会の活動を紹介してもらうことができました。


是非ご覧下さい。

下記の動画、52秒のあたりです。

【日本語字幕】チャリティポット 15年の歩み|LUSH ラッシュ - YouTube 


ラッシュ (Lush) とは

イギリスのドーセットに本社を置くハンドメイド化粧品、バス用品メーカーの多国籍企業である。

新鮮さと自然素材を活用した色彩豊かな製品を取り扱い、20196月現在、世界49の国と地域にて約930店舗を展開中。


チャリティポットとは

チャリティポットは、社会問題の根本解決に取り組む草の根団体の活動を応援することを目的に2007年に設立された。

消費税を除いた売上げの全額が、動物の権利擁護、人権擁護、環境の保護に取り組む団体の活動に寄付・助成される。

日本では15年間で780以上のプロジェクト(社会問題を根本から変えるためのご活動)に約6.5億円を助成した。



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