7月6日(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。
今回は午後から海況が悪化し、思うように鳥探しができず、カンムリとの出会いも叶いませんでした。
天気:晴れ
調査時間:9:33から14:37まで
調査結果:カンムリウミスズメ 0
船には日除けのシートが張られており、夏の調査の対策は整っている。

しかし、乗船前、船長さんから「今日は日差しより風が心配だ、この時期に西の風は考えられない」と聞かされ、その時は余り実感が湧かなかった。
それより前回、GPSのスイッチを入れ忘れるというポカをしているので、早めにスイッチを入れておく。
港を出ると確かに波はあるようだが、船が大きく揺れるということもなく、双眼鏡も使える程度。
これまでの調査は海面が白っぽくて鳥が探し易かったが、波頭の動きがあるため、浮かんでいるものがあったとしても、よほど注意深く見ていないと見逃したり、見失ったりしてしまう。
出港後すぐにウミネコの着水個体が10羽前後見られたものの、

浮遊物すら見られない海域が続く。
不思議なことに沖合に進むほど、波が穏やかになってきて、ほぼベタ凪という海域もあった。
撮影するものがないので、遠くに見えた海保の巡視艇を狙う。

艦船の番号を頼りに調べたところ、徳山海上保安部の巡視艇「なち」と判る。
浮遊物が多くみられる海域では注意深く鳥を探したがダメだった。
流れ藻も結構浮いていたので期待したのだが、そう簡単には問屋が卸してくれない。
宇和島沖を進んでいる時、GPSの確認をすると電池残量がなくなって表示できなくなっていた。
残量が少ないのは事前に分かっていたが、何とか持てるだろうとそのままにしていた。
早く気づいて電池交換をしたので、データなしという最悪の結果は免れた。
いつものようにミサゴの巣のある小島に近づくと今回もアマツバメが数羽、島の上を舞っていた。
お決まりのようにミサゴも警戒声を発しながら飛び回る。

飛び回るミサゴを撮影した画像に食べかけの魚が写っていたところをみると、食事を邪魔され怒っていたのかもしれない。

島の灯台の上にも1羽止まっており、2羽いることが分かったが、高い岩の上にももう1羽おり、どうもその1羽は今年生まれの幼鳥のようで、飛び立つ様子もなく、撮影した画像でも幼い感じがする。



一度、ちょっと下の岩に飛び降りたが、空に飛び出す勇気がないように見える。
灯台にとまっていた個体はオスの成鳥、

飛び回ったり、幼鳥と思われる個体の近くに止まったりするのは、羽衣の特徴からメスの成鳥のようである。

このことから言えるのは、前回か、前々回の報告で繁殖が上手く行かなかったようだと書いたが、その時点では巣立ち前のヒナが巣内にいたということだろう。
巣を下から見上げただけで、判断を下してはいけないということを痛感させられた。
島を離れてすぐ、おやつが配られた。
チョコパイは保冷バッグに入れられていたからだろう、ちょっと冷たいくらいで、時間的にもグッドタイミングな糖分摂取がとなった。
「船の上でチョコとは贅沢!」との声も聞かれ、同感だった。
(この調査は、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。