2024年02月18日

24年2月のカンムリウミスズメ調査報告2ー2


気を取り直して午後からの調査に臨む。しばらく八島の岸沿いに船を進めたので、ウやミサゴなどを遠目に見ることができた。


240217古巣の近くで周囲を窺うミサゴ.jpg


海はベタ凪状態となり、カンムリが出れば最高の状態なのだが、まったく気配が感じられない。


240217祝島・長島間を航行中の調査船.jpg


アビ類は時折見られるが、なにせ遠い。比較的近いところに1羽のアビ類が浮上した。近くに船がいたので、あわてて飛び立とうとするが、体が浮かない。


240217飛び上がれないアビ類1.jpg


240217飛び上がれないアビ類2 (1).jpg


240217飛び上がれないアビ類2.jpg


Toさんは「換羽中で飛べないのかもしれないね」と言っていたが、私はアビ類の換羽時期を正確に把握していなかったこともあって、食べ過ぎで体が重いんじゃない?と、適当な返事をしてしまった。

私は、これまでもそういう個体を見てきたし、換羽を疑ったこともあったが、キチンと調べることを怠っていた。

今回、改めて調べてみると、アビ類は「1年に1回、3月に換羽を行う。換羽期は空を飛べなくなる。そのため敵に襲われても逃げることができないので、換羽時期は安全な場所に身を潜める。換羽を行う時期である3月に生息する場所は安全な場所であるとともに餌が豊富にあるところである」との記述を見つけた。

また、「イカナゴが多く獲れる場所に身を潜める」とも書かれていた。

つまり、6月〜7月の換羽時期に多く見られるカンムリウミスズメ同様に、この海域を安全で餌な豊富な場所として利用していたのである。鳥たちにとって換羽期は繁殖期に次ぐ大量のエネルギーを必要とするライフイベントであると、常々、私が主張している上関海域利用のポイントでもあったのだ。

研究者のTさんを回収に行ったが、上陸地点にまだ降りてきていなかったので、島を周回して時間を潰す。

島回りでは、ウミネコやトビ、食べかけの魚を抱えて飛び出したミサゴなど撮影する。


240217飛び立つウミネコ.jpg


240217岩場に止まったトビ.jpg


240217食べかけの魚を持ったまま飛び出したミサゴ.jpg


帰路も岩場で休むウミウやヒメウ、ウミネコともに浮かんでいたセグロカモメを見たくらいで、とうとうカンムリとの出会いはなかった。


240217岩場で休むウミウ.jpg


240217アオサギ.jpg


横島で船長さんの瀬渡しのお客さんを回収していると内二人は私たち同様、あまり釣果が上がっていなかったようだったが、最後に乗せた方は大きなコブダイを2匹釣り上げていた。


240217船長さんのお客さんが釣り上げたコブダイ.jpg


次の週末には、天候の関係で延期となったカンムリの観察会を予定しているが、どうなることやらである。



(この調査は、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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2024年02月17日

24年2月のカンムリウミスズメ調査報告2

2月17日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

ベストシーズンのはずなのに、当てが外れてがっかりしています。

天気:晴れ

調査時間:9:42から15:20まで


調査結果:カンムリウミスズメ 0           

     アビ類 34(潜水を繰り返すため数字は多少の±あり) 


このところカンムリの出がよいので、期待に胸を膨らませて乗船。次から次に出た時を想定して、出現時間のメモを忘れないようにと心に刻んでいた。たくさん出ると撮影に一生懸命になって、後で画像確認の時に、何番目の個体か分からなくなることがあるからだ。

そんな話をしていたらToさんは撮影の終わりに空を撮って区切りが分かるようにしていると言っていた。それも手だなとは思うが、私はカメラ2台を使っているので、やはり時間を基準にした方が良いように思う。それにはカメラの時間設定を毎回、合わせておかないと画像データの時間が不正確になる。実は、この日もその作業を失念していた。

結果、2台のカメラの誤差のため、撮影した画像を時間順で並べかえると後先になったものがあった。毎回、調査前の準備がバタバタで、ここから改めないといけないと痛感しているところである。

前置きが長くなったが、この日の海況は予報ほど悪くはなく、波も風もそれほどではなかった。


240217調査開始.jpg


風は冷たかったものの、日差しがあるので、飛沫を想定して着ておいた合羽の上下で、何とかしのげた。

四国や九州は霞んではいるが、遠望は利く。横島を過ぎた頃、Toさんが遠くにカモメ類の鳥山を見つけたが、私はとうとう確認できずじまいだった。

しかし懸命に探したお陰で、アビ類の小群を見つけることができた。今回も船を近づける間もなく、早々と潜水を始めたため、見失った。結局、アビ類の種類が確認できるような写真は1枚も撮れなかった。

その後もウやアビ類が何度か見られただけで、次から次に現れるはずのカンムリは全くだった。

足に魚を掴んだミサゴが宇和島方面から鼻繰島方面へ飛んで行くのを見たくらい。魚はおそらくダツと思われるが、双眼鏡でやっとなので撮影はできてない。

この日は研究者のTさんがいつもカラスバトの調査をしている島とは別の島に上陸を予定しており、上陸地点に向かっていると磯周りにウミネコが3、4羽浮かんでいた。

Tさんを降ろした後、海岸線沿いに船を進めていると、船の接近に驚いて飛び立ったウ類の中にヒメウが混ざっていた。


240217ヒメウ.jpg


遠くの磯にカモ類が何羽か浮かんでいるのが見える。双眼鏡で確認するとウミアイサのようだ。


240217ウミアイサの小群.jpg


とりあえず遠目に写しておいたが、船の動きを察知して飛び立ったので、それと分かる写真は撮れなかった。

いつもミサゴが止まり場にしている岩場に1羽いたので、これも遠目に1枚撮ると、程なく飛び立った。後追い写真を撮ってみると別の岩の上にもう1羽いた。


240217ミサゴ2.jpg


240217ミサゴ.jpg


このところ見回っていない祝島・長島間海域を見回った後、そのまま南下してホウジロ島方面へ向かうが、この海域でも当たりが出ない。

ホウジロ島近辺の岩場でウ類やカモメ類が休んでいるのが見られただけ。Toさんが「いないですね〜」と声をかけてくる。Toさんも私同様、「次から次に」を期待していたはず。

沖合ではアビ類は見られたが、やはりすぐに潜りだし、行方をくらませる。

八島港へ向かう途中、Toさんから声がかかったので、鳥かと思ったら、月だった。鳥の出も悪いので、何枚か写真を撮っておいた。


240217昼間の月.jpg


240217拡大鮮明化した月.jpg


結局、午前中は「戦果」なし。八島港の定期船の待合所で出会った定期船の船長さんも「近頃、鳥がいないねー」と言っていた。我が船長さんも「鳥が出ないから食欲もなく弁当を残した」と。

原因をいろいろと考えてみるが、いないという現実は変わらない。



(この調査は、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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2024年02月01日

24年1月のカンムリウミスズメ調査報告1−3


それからは次々と見つかり、船の進路上で7ペア計14羽を確認することができた。

2羽、2羽ときた後、4羽(しばらくしてペアごとに分かれる)、


240130 4羽で行動していたカンムリ1.jpg


240130 4羽で行動していたカンムリ2.jpg


240130それぞれのペアに分かれたカンムリ1.jpg


240130それぞれのペアに分かれたカンムリ2.jpg


240130それぞれのペアに分かれたカンムリ3.jpg


そのすぐ後には船の左手に2羽、右手に2羽、前方にも2羽と、どのペアに近づくか迷うほどであった。


新たに3ペアが近くで見つかるカンムリ(鼻繰島南方海上)1.jpg


新たに3ペアが近くで見つかるカンムリ(鼻繰島南方海上)2.jpg


240130カンムリの羽搏き.jpg

(カンムリの羽搏き)


240130カンムリの羽搏き2.jpg


240130カンムリの羽搏き3.jpg


240130カンムリの瞬膜?.jpg

(カンムリの瞬膜?)


240130カンムリの瞬膜?2.jpg


240130カンムリの通常の目=比較用.jpg

(カンムリの通常の目=比較用)


場所が場所だけに、バックに原発予定地を入れたり、中間貯蔵施設建設のために実施する調査予定地を入れたりした写真も撮影した。


240130原発予定地をバックにしたカンムリ.jpg

(原発予定地をバックにしたカンムリ)

240130中間貯蔵施設建設調査地をバックにしたカンムリ.jpg

(中間貯蔵施設建設調査地をバックにしたカンムリ)

  

GPS機器に確認地点のポイント打ってポケットにしまおうとした時、手から落ちたGPS機器が右舷と左舷の船べりに渡してある長椅子の上を転がり、ぽとんと海の中へ。5、6万円した機器が、あえなく海の藻屑となり、顔にも声にも出さなかったが、本当は泣きたい気分だった。

最後に、みんなに見せたいものがあると、船長さんが横島の磯の岩場に作られた大きなスズメバチの巣に案内してくれた。


240130スズメバチの巣1.jpg


240130スズメバチの巣2.jpg


どうしてこんなところにという感じではあったが、ハチにも事情があるのだろう。

泣くに泣けない出来事はあったが、調査の終盤に本命が出てくれて、調査者の私にとっては良い年明けと言える結果が得られたし、2月10日に予定しているカンムリ観察会の事前調査としての役目もあった今回の調査を成功裡に終わることができ、今は満足している。


240130カモメ類.jpg

  


(この調査は、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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