さすがにこの日差しでは・・・。シャッターを一枚も切ることなく島を後にして、しばらく進んだところで、船長さんが「ゴミ?」と言って、船の前方を確認している。私も前方を双眼鏡で見てみるが分からない。
船長さんが「カンムリ!」と声を上げた時、私もやっと姿を確認できた。
さざ波が立っていて見えづらかったし、これまであまり出たことのない海域だったこともあって、集中力を欠いた一瞬をつかれた。
(水中を覗き込むカンムリ)
この2羽、余り警戒をする様子はないが、船長さんが当初、注意深く、遠目に操船していたこともあって、何度も羽搏いたのにバッチリ写真をものにすることができなかった。
その後も船が小刻みに揺れるので、切ったシャッターの割にはまともな写真はほとんど撮れずじまい。
(短い冠羽が確認できるカンムリ)
(正面顔のカンムリ)
しかし「玉砕」覚悟だったところに降って湧いたような僥倖、喜んだのは私だけではあるまい。
気分、爆上がりで祝島に上陸。島近くの岩場でも防波堤でも数は多くないが、ウミネコやカワウが休んでいて、食後のお楽しみとなった。
カワウは、暑さのせいか長時間喉を震わせていた。
前回、口を開けて放熱しているウミネコの話を書いたが、おそらくカワウの行動もそれと同じものと思われる。写真では上手く表現できないので、動画モードで撮影しておいた。ちょうど船長さんの知り合いが港に上がってきて、二人は漁の話やパチンコの話で大盛り上がり。同じ山口県人なのに、意味の分からない言い回しに、苦労しながら聞き入った。
午後からはベタ凪の海域も増え、遠目は効くのだが、なかなか鳥が見つからない。研究者のTさんが、遠くを飛んでいる2羽のオオミズナギドリを見つけたが、カメラを用意した時には既に視界から消えていた。
時間が経つにつれ、テントの中に陽が射しこんできて、補水回数も増えてくる。睡魔とも戦いつつ、何とか集中を切らさず、帰港まで頑張り抜いた。白浜港の波止場のウミネコも暑いのか口を開けてのお出迎え。陸に上がると、やはり暑い!
(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。