2021年01月31日

1月のカンムリウミスズメ調査報告2

1月31日(日)

このところ週末に天候不良となることが多かったのですが、ピンポイントで調査日和に恵まれ、何とか実施することができました。

天気:晴れ

調査時間:9:25から15:15頃まで

調査結果:カンムリウミスズメ 10 (2羽の飛翔個体を含む。内2ペア4羽は同一海域での目撃であることからダブルカウントの可能性あり)

ウミスズメ 29(7羽、6羽、16羽、どの群れも双眼鏡でウミスズメであることを確認)

アビ類(シロエリオオハムと思われる) 4羽(内1羽は飛翔個体、もう1羽は傷死体で海上を浮遊)


白浜港を出てすぐ、「あ、いた!」の声。双眼鏡で確認するとハジロカイツブリと分かるが、鳥の名前が出てこない。大きさ的にはカイツブリより少し大きい鳥だが模様が確かにカンムリウミスズメのように白黒で見慣れていない人には紛らわしいのだろう。

ハジロカイツブリは川の河口や沿岸域、海に近い池などで見られるカイツブリの仲間で冬季に渡ってくる。カンムリカイツブリほど大きくないし、沖合にいる鳥ではないので、これまでの海上調査では記録はないと思う。平生湾辺りでは時々見かけることがあるが、余りメジャーな鳥ではないので、みんな気づかないのだろう。ほんと近頃は、鳥の名前がサッと出てこないことがよくある。情けないが、年齢相応ということか。

沖を進んでいると以前にも紹介した柳井火力発電所に運ばれるLNG(液化天然ガス)の運搬船が6隻の随伴船を従えて航行しているのに出会う。逆光の中撮影した画像で何とか読み取ることができた船名(GRAND ANIVA)で調べると、やはりロシアのサハリンからLNGを運んできた船と分かる。三菱重工長崎造船所で建造された船のようで12万3千トン、日本郵船とロシア国営のソブコムプロット社出資の共有船とのこと。煙突にサハリンの図柄が描かれているらしいが、光線が悪く画像からも確認できなかった。

島方面へ船が進んでいる時、ウミスズメと思われる群れが沖合へ飛んで行くのを見つける。双眼鏡で行方を追っていると視界から消えたので、着水したようだ。しばらく群れが飛んで行った方向へ船を進めていると、波間に見え隠れする鳥が見つかる。前回の調査ではウミスズメをハッキリ確認できなかったので、今回は撮影は諦め、種の確認に徹する。ウミスズメの冬羽であることが確認できたので、カメラを用意するが、すぐに飛び去ってしまった。7羽の群れだった。


その後、また、別の着水している群れが見つかる。今度は6羽、ウミスズメと確認できたが、やはりすぐに飛び去る。何とか飛翔写真を撮ることができた。


ウミスズメの群れ210131.jpg


ウミスズメが多いときは、カンムリが出ないというジンクスもあるので、不安がよぎる。ウミスズメは環境省のレッドリストではカンムリウミスズメより危険度のランクが高い絶滅危惧TA類に指定されている。冬季には群れが見られるものの、国内での繁殖個体数が減少していることからそうなっているようである。世界的にみれば、カンムリウミスズメに比べ、分布域が広く、個体数も多いので種としての絶滅の可能性は低い。いずれにしてもウミスズメも希少種なので、今後ともカンムリウミスズメ同様、観察記録を取っていきたい。

11時20分過ぎ、カンムリのペアが見つかり、撮影する。前日までの強風の影響で、うねりがあって、なかなか鳥をファインダーに捕えづらい。シャッターを切っても鳥が波間に消えていたり、船の揺れで鳥が画面の上になったり下になったり、ピントもなかなか合わず苦労する。海面しか映っていない画像をこれほど多く撮ったことも珍しい。

島の手前で進路を北にとり、しばらく進んでいると前方に2羽のカンムリを見つける。船を近づけようと進めていると右舷に別のペアが見つかり、結局、そのペアを撮影。2羽がいい感じで寄り添うような写真が撮れない。


カンムリウミスズメ210131.jpg


録撮影を済ませ、進んでいると海面に鳥が浮かんでいるのを発見する。そういえば前方にいたカンムリのペアの後方にビニール袋のようなものが見えていたが、その物体がこれだったようだ。アビ類の傷死体で、個人的には回収し計測等したかったのだが、船長さんから船に上げないでと釘をさされたので、あきらめざるを得なかった。一応、現状のまま写真撮影し、船を寄せてもらい鉤竿でひっくり返して上面の写真も撮っておいた。つつかれた様子もなく死んでからそう時間が経っていないと思われた。自然界には掃除屋(スカベンジャー)がいるので、死体がいつまでもあるわけではない。そういった意味では、貴重な出会いと言ってもよい。

しばらく西向きに走って折り返し、再度、島に向かう。12時を少し回った頃、飛んで行く2羽と着水しているペアを見つけたが、11時40分過ぎに立て続けに見つけたペアのいた海域と近いので同一ペアかもしれない。


カンムリウミスズメ210131_2.jpg


昼を少し下がったが、入港し昼食・休憩。前回の調査が急に決まったので、お茶うけを用意できなかったが、今回はこの間、鳥見がてらのドライブで行った先の土産の「角島まんじゅう」と「源氏巻」を配った。午後からは、波もだいぶ収まり、見通しもきくようになったが、結局、カンムリは見つからず、16羽のウミスズメの群れとシロエリオオハムと思われる2羽を帰路で見つけただけだった。島の磯でYさんのお客さんを二人回収し、調査終了となる。


(この調査は、日本自然保護協会 の助成を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2021年01月29日

月刊タウン誌『トライアングル』にカンムリウミスズメ


月刊タウン情報
トライアングル
2021年2月号

山口県内の珍しい生き物の紹介に
カンムリウミスズメが取り上げられました。



「世界で一か所! 絶滅危惧種 
カンムリウミスズメが一年中観察できる上関町」


カンムリウミスズメ‗トライアングル210128.jpg




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2021年01月14日

1月カンムリウミスズメ調査報告1

1月14日(木)

新年最初のカンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

昨年12月の調査以来、悪天候が続き、1ヵ月ぶりにやっとできた調査でしたが、カンムリの着水個体を21羽、ウミスズメ類の飛翔個体を30羽+と、幸先のよいスタートを切ることができました。


天気:晴れ

調査時間:9:35から15:15頃まで


沖合へ進んでいると遠くを4羽のウミスズメ類が飛んで行く。双眼鏡で追うがカンムリなのか、ただのウミスズメなのか分からない。進路を変えてすぐ、今度は2羽のウミスズメ類が飛んで行く。かなり遠くまで飛んで行ったが、双眼鏡で見る限りでは着水したように思えたのと、2羽というのがカンムリ臭いということから飛んで行った方へ船を進めることに。

海況は風もなく、波で飛沫をかぶるようなことはないが、うねりがあって船が上下動するし、鳥も波間に隠れることもあるだろうから、双眼鏡もゆっくり動かす必要がある。繰り返しくりかえし周囲を丁寧に双眼鏡で探すが、結局、飛んで行った2羽は分からずじまい。

沖合に向け南下していると15羽から20羽くらいのウミスズメと思われる群れが飛んで行く。群れの飛んで行った方向へしばらく進んだところで2羽のカンムリを発見。このペアは、潜水を繰り返しながら、船との距離をとるが、飛び去ることはなかった。


カンムリウミスズメ210114_2.jpg


その後、沖合に向けて走っている間に、2羽、3羽、3羽、2羽とカンムリに出会うが、どの組も時間に長短はあるものの船との距離に関係なく飛び去り、2度目に出会った3羽の組では、1羽を残して2羽が飛んで行くということもあった。


カンムリウミスズメ210114.jpg


防波堤でセグロカモメと繁殖羽となったカワウが出迎えてくれる。調査の決行判断が前日の夜遅くだったため、お弁当のオーダーが通っておらず、いつものような豪華さはなかったが、それでもお腹一杯になった。

午後からは、ウミスズメの着水個体を飛ばれるより前に見つけることを心がけた。それはウミスズメが今季この海域に渡来していることを現認しておかないと、群れで飛んで行った飛翔個体をウミスズメと言い切れないからである。

午前中もそうだったが、あまり遠くばかりを見ていると「灯台下暗し」で、船のすぐそばで見つかるケースが多々ある。中間点辺りで2羽見つけるも、すぐに飛ばれてしまった。そのすぐ後、2羽を見つけたが、先ほどのペアかもしれない。しかし、思ったほど警戒はせず、かなり近くまで寄せてくれたので、別のペアの可能性もある。

ブイの近くで進路を北向きに変え進んでいると左舷を船の進行方向へ1羽が飛んで行く。14時半、飛んで行った1羽と思われるカンムリを発見。あまり警戒心のない個体だった。午前中に飛び去った2羽が近くにいるかもしれないと気合を入れて双眼鏡で探す。午前中の個体かどうか分からないが、思ったとおり2羽が見つかり、沖でも2羽、立て続けにヒットした。遠目に撮影した画像を見ると、このペアは冠羽だけでなく尾羽も立てており、相当警戒心の強い個体のようだった。


カンムリウミスズメ210114_3.jpg


帰路であることや既に何羽も見つけていることもあって、深追いしなかったので、そんな写真も撮れたのだろう。とうとうウミスズメの着水個体は見つからず、渡来確認はできなかった。



(この調査は、日本自然保護協会 の助成を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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