2024年08月04日

24年8月のカンムリウミスズメ調査報告12−2

さすがにこの日差しでは・・・。シャッターを一枚も切ることなく島を後にして、しばらく進んだところで、船長さんが「ゴミ?」と言って、船の前方を確認している。私も前方を双眼鏡で見てみるが分からない。

船長さんが「カンムリ!」と声を上げた時、私もやっと姿を確認できた。


240803船長さんが見つけたカンムリのペア.jpg


さざ波が立っていて見えづらかったし、これまであまり出たことのない海域だったこともあって、集中力を欠いた一瞬をつかれた。


240803カンムリのペア1.jpg


240803カンムリのペア2.jpg


240803カンムリのペア3.jpg


240803水中を覗き込むカンムリ1.jpg

(水中を覗き込むカンムリ)

240803水中を覗き込むカンムリ2.jpg


240803水中を覗き込むカンムリ3.jpg


この2羽、余り警戒をする様子はないが、船長さんが当初、注意深く、遠目に操船していたこともあって、何度も羽搏いたのにバッチリ写真をものにすることができなかった。


240803羽搏くカンムリ.jpg


その後も船が小刻みに揺れるので、切ったシャッターの割にはまともな写真はほとんど撮れずじまい。


240803カンムリ1.jpg


240803カンムリ2.jpg


240803短い冠羽が確認できるカンムリ.jpg

(短い冠羽が確認できるカンムリ)

240803正面顔のカンムリ.jpg

(正面顔のカンムリ)


しかし「玉砕」覚悟だったところに降って湧いたような僥倖、喜んだのは私だけではあるまい。

気分、爆上がりで祝島に上陸。島近くの岩場でも防波堤でも数は多くないが、ウミネコやカワウが休んでいて、食後のお楽しみとなった。


240803岩場で休むウミネコたち.jpg


240803防波堤で休むウミネコ.jpg


カワウは、暑さのせいか長時間喉を震わせていた。


240803暑さに喘ぐカワウ.jpg


前回、口を開けて放熱しているウミネコの話を書いたが、おそらくカワウの行動もそれと同じものと思われる。写真では上手く表現できないので、動画モードで撮影しておいた。ちょうど船長さんの知り合いが港に上がってきて、二人は漁の話やパチンコの話で大盛り上がり。同じ山口県人なのに、意味の分からない言い回しに、苦労しながら聞き入った。

午後からはベタ凪の海域も増え、遠目は効くのだが、なかなか鳥が見つからない。研究者のTさんが、遠くを飛んでいる2羽のオオミズナギドリを見つけたが、カメラを用意した時には既に視界から消えていた。

時間が経つにつれ、テントの中に陽が射しこんできて、補水回数も増えてくる。睡魔とも戦いつつ、何とか集中を切らさず、帰港まで頑張り抜いた。白浜港の波止場のウミネコも暑いのか口を開けてのお出迎え。陸に上がると、やはり暑い!


240803出迎えのウミネコも暑そう.jpg



(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2024年08月03日

24年8月のカンムリウミスズメ調査報告12

8月3日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

前2回の調査が幸運過ぎたので、運もこれまでと諦めて臨んだのですが、今回も幸運に恵まれました。

天気:晴れ

調査時間:9:40から15:25まで

調査結果:カンムリウミスズメ 2



毎日の暑さに身体が参っている中での調査への参加。やっと連戦連敗から抜け出したものの、このところの連勝は出来過ぎと、今回は「玉砕」を覚悟して臨んだ。港に着くまでに体力のほとんどを使い果たしたような気分での乗船ではあったが、船が動き出すと、体が自ずと調査モードになっていく。

この日は、クロサギの繁殖情報のある島を見回ってから、カンムリ探しという段取りになっていた。カンカン照りの上、風もなく、陸ではとても長時間外で活動することはできないような天気だが、船上は船が走ってさえいれば、風を感じられ何とか耐えられる。


240803出航後、当方へ向かう.jpg


波はほとんどないが、海面が青みを帯びていて、距離感が掴みづらい上に、浮遊物との明暗差が余りなくて、鳥探しには難儀する。


240803夏雲が.jpg


目的の島に近づいたが、霞んだ感じで、何かしっくりこない。船が近づくとミサゴが1羽、島から飛び出した。後追い写真を撮るが、手ごたえなし。


240803飛び去るミサゴ.jpg


既に繁殖を終えているアマツバメが島の周りを飛び回っている。3羽、確認できた。


240803島の周りを飛び回るアマツバメ.jpg


クロサギの巣があると思しき場所も船上からでは確認が難しく、あの岩の割れ目の奥だろうということで納得せざるを得なかった。そのうち少し離れた磯からクロサギが1羽飛び出し、島の裏側へ飛んで行った。


240803警戒気味のクロサギ.jpg


クロサギを追って船をゆっくりと大回りに進めると、島のてっぺん付近にミサゴの巣と思われるものも見つかる。

この島は島といっても、全国によくある烏帽子岩といわれるような岩礁に過ぎない。こんな小さな島でアマツバメやクロサギ、それにミサゴまで繁殖しているのだから、鳥にとっては良い場所なのだろう。

島を1周し船を止めているとミサゴが1羽戻って来た、撮影した画像を見た感じでは幼鳥のようだ。


240803戻って来たミサゴ1.jpg


240803戻って来たミサゴ2.jpg


そのうちクロサギも海上を飛んできて、島の裏に消える。


240803海上を飛び回るクロサギ1.jpg


240803海上を飛び回るクロサギ2.jpg


クロサギは2羽いたようだが、同時には見られていない。予定通り3種の生息が確認できたので、本命のカンムリ調査を開始する。

その後、約1時間海上を見回るが、ウミネコの飛翔個体を1羽見かけただけ。研究者のTさんが調査している島でもトビをみたくらいで、隣の島でもいつもの岩場にウミネコが1羽もいないし、ミサゴも飛び出さない。それに磯釣りの釣り人を一人も見ないと思ったら、みんな島の西側で釣り糸を垂れていた。




(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2024年07月22日

24年7月のカンムリウミスズメ調査報告11−3


隣の島の岩場ではウミネコの群が休んでいる。


240720休息中のウミネコ.jpg


海面にも幼鳥が2羽浮かんでいた。島の灯台の上にはトビが2羽、鉄柵に止まっている。


灯台の上に止まったトビ.jpg


ミサゴも尾根の岩場にいたので撮影する。結構距離があったので気づかなかったが、Naさんが魚を掴んでいるというので、撮影した画像を確認すると確かに魚をわしづかみにしている。船長さんは、Naさんが撮影したものを見て、マナガツオではないかと言っていた。


240720魚を掴んでいるミサゴ1.jpg


240720魚を掴んでいるミサゴ2.jpg


島を一回りしたが、いつもいるアマツバメは見られなかった。釣り人が多かったことと関係しているのかどうか。ウミネコの休んでいる岩場の一つに釣り人が上がっており、船が横を通る時、ちょうどマダイを釣り上げたところだった。とてもフレンドリーな釣り人で顔出しOKとのことだったので、撮影させてもらった。


240720マダイを釣り上げた釣り人.jpg


近くの岩の上にいたウミネコは口を開け、暑さを凌いでいるようだったので、撮影を試みる。鳥は汗をかかないため、口を開けて体内の熱を外に出すということなので、おそらく放熱していたものと思われる。


240720暑さで口を開けて放熱する?ウミネコ1.jpg


240720暑さで口を開けて放熱する?ウミネコ2.jpg


研究者のTさんを回収して、近くの海上で昼食・休憩。この時期、磯近くは蚊やアブが飛んでくるので、島から少し離れたところに停泊したのだ。午前中からカンムリが見つかっているので、みんなの顔は明るく話も弾む。船の近くの海中にクラゲが見られ、クラゲ談義で盛り上がる。


240720クラゲ.jpg


午後からの調査では、研究者のTさんも日よけの下に入り、カンムリ探しに加わる。沖合では、午前中は霞んで見えなかった四国も見えてきて、


240720四国も見えて来た.jpg


霞がちではあるが、伊方原発も何とか確認できるようになった。


240720薄っすらと伊方原発も見える.jpg


何も出なかった沖合から北上をはじめたが、GPSで航跡確認すると、午前中、カンムリの見られた海域を船長さんは目指しているのが分かった。私も再度の出会いを期待して、周囲を丁寧に確認する。広い海では、なかなか再度の出会いは簡単ではない。

そんな中、研究者のTさんがアクションを起こしたので、船長さんが船をその方向へ回す。カンムリが1羽でポツンと浮かんでいる。


2407201羽でいたカンムリ1.jpg


240720飛び立ち直前のカンムリ.jpg


この1羽、船を寄せ始めてすぐ、飛び去った。双眼鏡で跡を追ったが、近くに着水する様子もなく、視界から消えた。僅か1分、2分の観察ではあったが、遠目から撮影を始めていたので、何枚かは写すことができた。


見つけたのは研究者のTさんではなく、ゲストのNさんらしく、またも隣に座っていたNさんに「第一発見者」を奪われてしまった。カンムリを二桁見つけるという快挙に恵まれたのに、先を越されたことに拘る自分の小ささに恥じる入るばかりである。

横島で船長さんのお客さんを拾ったが、大きなコブダイを釣り上げた人や立派なマダイやクロをものにしていて、Tさんが、「今日はカンムリチームも釣りさんチームも大漁だね」と言っていたが、お互い何時もこう在りたいものである。


240720磯釣り中の船長さんのお客さん.jpg


240720船長さんのお客さんが釣り上げたコブダイ.jpg




(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。


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