2025年07月24日

25年7月のカンムリウミスズメ調査報告13ー2

その島を離れ次に研究者のTさんがカラスバトの調査をしている島に向かう。

その間、ウミネコとカワウの飛翔個体をそれぞれ1羽見ただけ。

研究者のTさんを島に降ろし、我々は島を周回。

トビやアオサギ、カワウなどが磯周りで見られ、


250723岩の上で休むウミネコやアオサギ、カワウ.jpg


250723アオサギ.jpg


ミサゴも1羽飛び出した。

やはり、この島でも岩場にたくさんのウミネコが休んでいた。

昼食・休憩のため祝島に入港。

ここでも防波堤にたくさんのウミネコがいた。


250723防波堤の上で休むウミネコ.jpg


大潮の干潮だったため、岸壁の階段に移るのに一苦労。

前回同様、木陰で弁当を食す。

この日は船長さんの知り合いは現れることなく、船長さんもゆっくりできたようだ。

でも陸は海の上とは比較にならないほど暑い。

Sさん持参の「二見饅頭」はクーラーボックスから出したばかりで、一時の涼を得るには十分すぎるほどであった。

午後からの調査は、更に潮が下がっていて下船した場所からは乗船できず、近くの傾斜したコンクリートの坂から船に乗り込むことに。

防波堤には入港時はいなかったカワウがやってきており、船の動向を窺っていた。


250723船の方に視線を向けるカワウ.jpg


研究者のTさんを向かいの島から回収するために船を進めていると、怪しい黒っぽい塊が二つ。

カンムリにしては少し大きい。


250723海面に浮かぶ怪しい2羽=ウミネコ幼鳥.jpg


ウミネコの幼鳥だった。


250723ウミネコ幼鳥.jpg


研究者のTさんの回収時、近くを飛び回っていたトビの写真を撮影したところ、羽毛の色合いから幼鳥と思われる個体が写っていた。


250723トビ幼鳥?.jpg


研究者のTさんを次の調査地に送り届けた後、機器の設置作業等に要する時間を利用して、少し沖合を見回ることに。

船長さんは、調査の内容や意義が今一つ理解できないようで、カンムリ調査に集中できないことに「こう中途半端な時間が生じると・・・」とぼやいていたが、守る会としては島嶼に生息する他の生物の調査も重要な活動の一つなので、今後、丁寧に説明したいと思う。

この島の近くの岩礁地でもウミネコなどがたくさん休んでおり、


250723岩の上で休むウミネコ.jpg


明らかにウミネコの数が増えていることを改めて実感する。

調査機器の設置を終えた研究者のTさんを回収し、再び沖合を見回るが、カンムリとの出会いはなかった。

帰港直前、白浜の港の外で魚の群が水を切って進む光景に出くわす。

船長さんによるとサバの群だとのこと。

結局、出会えたカンムリは1羽だけだったが、ゼロではなかったことに感謝したい。




(この調査は、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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2025年07月23日

25年7月のカンムリウミスズメ調査報告13

7月23日(水)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

たった1羽でしたが、カンムリと出会えてよかったです。


天気:晴れ

調査時間:9:42から16:00まで

調査結果:カンムリウミスズメ 1


この日は澄み切った青空で、近くの島々はもとより、遠くの四国もハッキリと見える。


250723遠くに四国もくっきりと.jpg


前回は海況の急変で、思ったような調査はできなかったが、今回は波もなく、カンムリとの出会いも期待できそうだ。
しばらく進むと、海面に浮遊物が見られるようになってきて、そのうち潮目に沿って帯状のものが左右に現れる。


250723浮遊物の帯が次々と1.jpg


流れ藻や木質系のものもあるが、いつもよりプラ系のゴミが多いように感じる。


250723浮遊物の帯が次々と2.jpg


船の後部では、研究者のTさんが調査機器の確認をされており、いくつかの島に設置を予定しているようだ。
乗船前に船長さんと打ち合わせておられたので、ミッションの内容は分からないが、その準備をされていたのだろう。
我々は双眼鏡を駆使して浮遊物の中に鳥は混ざっていないか、ひたすら探す。
浮遊物の量が半端なく、左舷から右舷へ、右舷から左舷へ180度、繰り返し確認していくが、なかなか当たりが出ない。

海上の浮遊物が少し減ってきて、少し気が緩んだその時、Sさんが前方を指さす。
双眼鏡で確認すると後ろ姿だったからか、とても鳥とは思えない灰色の塊が目に入る。
確かにカンムリだったが、1羽だけで、何回かシャッターを切ったものの、顔が写ったものは1枚だけ、後は後頭部が写ったものばかり。


2507231羽でいたカンムリ1.jpg


2507231羽でいたカンムリ2.jpg


そのうち潜水を始め、浮き上がってもすぐに潜ってしまうので、まともな写真が撮れないまま見失ってしまった。
しばらく辺りを探し回ったが、見つけることはできなかった。

宇和島までやってくると、磯をアオサギが飛んでいた。

沖に見慣れない船がいたので撮影。


250723LNG運搬船?.jpg


雰囲気的にはLNG運搬船のようだが、柳井港にやって来るものに比べると小さい。
船体に書かれた船名を調べると、昨年春に竣工したLNGバンカリング船の「KEYS Azalea(アザリア)」と判る。
九州・瀬戸内地域では初めて稼働した船舶向けLNG供給船とのこと。

隣の島の灯台は工事中で足場が組まれシートが掛かっている。

岩場にはたくさんのウミネコが休んでおり、随分数が増えたように感じる。


250723岩の上で休むウミネコ.jpg


幼鳥も何羽か混ざっているようなので、繁殖を済ませた鳥たちがコロニーから分散を始めたものと思われる。
島の上空をアマツバメが飛び回っていた。


250723島の周りを飛び回るアマツバメ.jpg


前回訪れた時より数が増えて20羽前後はいたようだ。
今年生まれのヒナが巣立って増えているのだろう。

いつも飛び出してくるミサゴの姿はない。
工事の影響だろうか。
繁殖は終えているので、問題はないと思うが、どこへ移動したものやら。
アマツバメのマスゲームのような群飛が見られたので撮影にチャレンジ。

結果を確認してみると、まともな写真が1枚もない。
シャッタースピードのダイヤルが前回光量の足らない場所で使用した時のままになっており、これではアマツバメのスピードに対応できるはずがない。乗船時に点検を怠ったことが悔やまれる。




(この調査は、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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2025年07月07日

25年7月のカンムリウミスズメ調査報告12ー2

沖合はベタ凪状態だったのに、祝島方面へ進むにしたがって、波がきつくなってくる。

船長さんは横波を受けないように、船を波に向かって走らせ、波がある程度収まったところで、目的の方向へ舵を切るという操船をしていたようだ。


250706漁から戻ってきた船.jpg

波しぶきは浴びたが、無事、祝島に入港することができた。

防波堤にはウミネコに交じってカワウも1羽、休んでいた。


250706防波堤で休むウミネコとカワウ.jpg

いつもは港の縁で休むのだが、上の方の日陰で食事を摂ることに。

その場所は心地よい風が通っていたのだが、防風のために植えられているイブキの木の枯れ葉が風が吹くたびに弁当の中に落ちてきて、長居はできなかった。

前回も出会った船長さんの知り合いの漁師さんが通りがかり、船長さんをつかまえて話し込んでいる。

船長さんは、話が長くなるので、見つかりたくなかったと言っていたが、島にいると、違った話し相手が欲しくなるのだろう。

食後にSさんから冷たいミカンのスイーツが配られたが、これがとっても美味であった。


休憩もそこそこに午後からの調査を開始。

前回、浅瀬に注意を促すブイを紹介したが、そのブイの上にウミネコが1羽休んでいた。


250706ブイの上で休むウミネコ.jpg

宇和島方面をドーム型のデッキが船の先端にあるコンテナ船が見えたので撮影する。

これまでも何度か紹介したことのある井本商運の新型コンテナ船だ


250706ドーム型をしたデッキのコンテナ船.jpg


船長さんの話では、10人程度の船員のためにデッキ内は40畳の広さで大理石張り、ソファーなどが備えられている豪華貨物船とのこと。

後ろからの波なので飛沫は浴びないが、さすがに鳥は見つけづらく、双眼鏡を見続けていると船酔いしそうだ。

睡魔も襲ってくるが、船の揺れで、意識が飛ぶことはない。


時折、ウミネコの飛翔個体を見かけるが、おそらくウミスズメ類の大きさの鳥は、船の直ぐ近くでない限り、見つけるのは無理だろう。

八島の西方で浮遊物の多い海域もあったが、


250706浮遊物の多い海域にいたウミネコ.jpg


船の揺れで益々気分が悪くなるばかりだ。

船長さんもこれ以上の鳥探しは無理と判断したのか、帰港モードに切り替えた。


そこから約20分、正面からの波に向かって突き進むこととなり、船はバーン、バーン船底を叩き続け、私たちも飛沫が何度も降りかかり、とても前を向いていられない状態。

眼鏡は塩で曇り、着衣はずぶ濡れだった。

Sさんの話では、後部にいた研究者のTさんは転覆を覚悟して、その時の対応を考えていたと話していたとのこと。

私は、船長さんの操船技術を信頼していたので、ちょっと厳しい場面はあったものの、あまり心配はせず、最後まで船の近くにカンムリが出てくれることを願いつつ、身を処していた。

6年何ヵ月ぶりに参加したOさんには、このところカンムリの出が良かったので、久しぶりの出会いが期待されたのであるが、残念な結果となり、申し訳ない気持ちになる。

本当に調査は天気次第である。


250706岩の上で休むウミネコ.jpg




(この調査は、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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