2025年07月31日

25年7月のカンムリウミスズメ調査報告14ー2

結局、当たりはなく、昼食休憩のため、祝島入港となる。

いうも防波堤にたくさんウミネコか休んでいるが、


250730防波堤の上で休むウミネコたち.jpg


その群とは別に港の外のテトラポットの上にも多数おり、


250730テトラの上で休むウミネコの群.jpg


250730幼鳥の姿も.jpg

(幼鳥の姿も)


250730みんな暑そう.jpg

(みんな暑そう)


研究者のTさんの概算では全部で200羽近くいたようだ。

港に入るとカワウが水浴びをしていた。


250730水浴びをするカワウ.jpg


少し距離があったのと、すぐにやめてしまったので証拠写真を1枚撮るのがやっとだった。

食事中、船長さんが「家の近くで何人かの漁師さんがバッテリーが盗まれるという事件が起きている。

昼間、地区外から一見仕事のような装いでやってきて下調べしているに違いない」という話題を出したところ、

日中に下見をしておいて夜や人のいない時に盗む手口から、他の金属類や骨とう品などの窃盗事件同様、

役割分担されたグループでの実行に違いないので、声を掛けられても安易に家に招き入れるようなことをしたら、

後でひどい目にあう、という話も出て盛り上がる。

その後、津波の話をしていたら、Sさんの連れ合いさんから津波の方はどうかと電話が入り、タイミングのよさに一同感心する。

食後、港の岸壁から対岸の原発建設予定地を何枚か撮影する。


250730祝島から田ノ浦の原発建設予定地を望む.jpg


祝島の港を出る時、ウミネコやカワウが休んでいる写真を撮ったが、暑さに参っている表情が伺えた。

飛翔中のウミネコを撮ったところ、羽毛がボロボロになっている個体だった。


250730羽根がボロボロになったウミネコ1.jpg


250730羽根がボロボロになったウミネコ2.jpg


250730羽根がボロボロになったウミネコ3.jpg


今後換羽し、冬場には綺麗な姿に変わるのだろう。

食後の睡魔と闘いながらカンムリを探すが、まったくヒットしない。

沖合を進んでいると、遠くに海保の艦艇が見えたので撮影する。


250730試験走行中?の巡視艇.jpg


なぜか右向きに進んでいたかと思うとこちら向きになったり、左向きに進んだりと、ほぼ同じ海域でグルグルしているようだった。


250730試験走行中?の巡視艇2.jpg


後で調べてみると、その船は昨年暮れに進水し、来年就役予定の新造船「かんばい」だと分かる。

テスト走行のようなことをしていたのかもしれない。

そのうち四国の伊方原発が肉眼でも見えるようになってきた。


250730肉眼でも見える伊方原発.jpg


距離にして30キロという辺りにさしかかったということだろう。

沖合から北上を開始してしばらく進んだところで、研究者のTさんが「これ津波?」と声を上げる。

13時50分頃のこと。

今まで出会ったことのないような間隔の開いたうねりが、繰り返し繰り返し船の後ろから押し寄せてくる。

船はその度に上下動するが、高波ではないので、言われなければ気づかなかったかもしれない。

上空から見れば波の動きをハッキリと確認できただろう。

しばらく続いたが、その後は元に戻った。

柳井方面からやってくる大きな船が見え、左右にタグボートが2隻、間隔を空けて随伴している。


250730柳井方面から出てきたLNG運搬船.jpg


250730LNG運搬船.jpg


リベリア船籍の大型LNG船で火力発電所に燃料を届けた帰りのようだ。

最後は、やや平郡島寄りに航行したため、タイル張りの灯台(舵掛岩灯標)を正面に見ながらの帰港となった。


250730舵掛岩灯標.jpg


今回は島周りを見回ることがなかったので、鳥の話題に乏しく、船舶の話題ばかりになった。

やっぱり鳥が出てくれないと、元気も出ない。




(この調査は、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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2025年07月30日

25年7月のカンムリウミスズメ調査報告14

7月30日(水)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

今度こそ、複数のカンムリとの出会いをと、頑張って探したのですが、期待は裏切られました。


天気:晴れ

調査時間:9:32から15:00まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0


この日は地元のTさんが体調不良で乗船を見合わせられたため、調査メンバーはSさんと私、それに研究者のTさんという態勢。
おやつ配りの役目はSさんとなったので、少し気が楽。
乗船前、船長さんが「今日は何とかカンムリを見つけて・・・」と意気込んでおられたし、私も乗船前、そろそろカンムリの群が現れるのではないかという出会いの予感があった。
天気は晴れ渡った青空だったが、前回ほど遠くの島がハッキリ見える状態ではなかった。


250730霞んではいるが九州方面も良く見える.jpg


波の方も、ほぼ凪という状態で鳥は探し易そうである。

港を出てすぐ、船長さんがSさんに豪華観光船の話をしていて、料金は一人70万円、35人の乗員に対してスタッフは37人とのこと。
今夕には上関港に入港予定だと。
前方に見えるどの船のことを言っているのか分からないまま、Sさんが指さす船を撮影したが、その船は自動車運搬船のようで、


250730勘違いして撮影した自動車運搬船.jpg


結局、分からずじまいだった。

それより乗船前、津波の話が出ていたが、見る限りでは海上の船舶の動きに特に変わった様子はなく、普通に航行しているように見える。
横島を過ぎ、少し経った時、GPSのスイッチを入れ忘れているのに気づく。
GPSの機器を首にかけた時点でONにしたと思い込んでいたので、早い時間に作動確認をしておいて良かった。

そのうち浮遊物が散見されるようになり、前回ほどではないが小さな帯状のものも現れるようになった。

木質系のものよりプラ系のものが多く、大きな発泡スチロールの塊の上や、
ゴミに混ざって浮かんでいるウミネコは見られたものの、


250730ゴミとともに浮かぶウミネコ.jpg



カンムリらしき鳥は見当たらない。
ゴミと鳥との弁別に集中したため、眼が疲れる。

へいぐんブイ付近には特に浮遊物が多く、


250730浮遊物の多い海域.jpg


左も右もゴミだらけだった。その後、沖合に進むにつれ、浮遊物が見られない海域が続く。
これはこれで単調で刺激がないため疲れる。

沖合をいつもよりだいぶ西の方まで進んだが、まったく手ごたえがなかった。

沖合を走行している時、大きな客船が見えたので撮影する。


250730日中国際フェリー「鑑真号」.jpg


船体に記された文字を頼りに調べてみると、日中国際フェリー「鑑真号」だと分かる。
大阪・神戸と上海を結ぶ客船で昨日大阪を出て、明日、上海に戻る便のようだ。

宇和島・天田島間の海域までやって来ると再び浮遊物が多なる。
プラ系のものもあるが、流れ藻が多くなったので、出会いを期待して周囲を丁寧に探した。




(この調査は、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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