2022年04月26日

【鳥の散歩道2】セグロカモメのランチメニュー、何かわかりますか?


これはセグロカモメのランチタイムですが

魚が喉に引っ掛かり、うまく飲み込めないようです。



魚がうまく飲み込めず苦労しているセグロカモメ220426-1.jpg



魚がうまく飲み込めず苦労しているセグロカモメ220426-2.jpg



魚がうまく飲み込めず苦労しているセグロカモメ220426-3.jpg



突然、クイズです。

くわえている魚は何でしょう?


1.ハゲ

2.カワハギ


このように海上で魚を飲み込めず時間がかかる時、他の鳥に横取りされないのでしょうか。

陸上では食べあぐねていると横取りする動物が出てきそうですが・・・。



― 獲物の横取りは頻繁にあります。同種間でも異種間でも生じます。同種間の場合、多少の力関係はあるでしょうが、獲物を得た個体も必死ですから、横取りしにきた個体をなんとか振り切って自分の口に入れます。

異種間では力関係に圧倒的な差がある場合、執拗に追い回されると、獲物を放棄することがあります。横取りをその種の採餌習性としているトウゾクカモメ類は、名前が「盗賊」というくらいですから、横取りを専門にしています。

北海道の天売島に探鳥に行った折、ウミネコが餌を巣のヒナに運んでくるウトウから横取りしようと、巣穴の前で待っている光景を見ました。すべてのウミネコがそういう行為をしているわけではないでしょうが、チャッカリものはどこにもいるものです。

ミサゴなど大型の猛禽類でも獲った獲物を岩場や電柱の上などで食べる時、絶えず周囲を窺がいながら食しています。

横取りではありませんが、干潟で集団で採食しているシギ・チドリ類でも餌場をめぐる小競り合いは頻繁に見られます。仲良く?、付かず離れずで採食していたクロツラヘラサギが近づき過ぎたためか、もう1羽の足に噛みついたのを観察したこともあります。

獲物を奪い合うようなことをしない種でも、パーソナルスペースというか個体間の距離は、保たれる必要があるのでしょう。生き物にとって生きていくためには食事は何より大切なことなので、それなりにシビアなのでしょうね。


          

クイズの答え

正解は1と2です。

カワハギを上関ではハゲとも呼びます。町内の漁師さん曰く、ハゲの由来は、カワハギの皮に厚みがあり皮を剥ぎ取りやすいからだそうです。



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2022年04月20日

22年4月のカンムリウミスズメ調査報告2

4月20日(水)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

頑張って探したのですが、今回もカンムリには出会えませんでした。

概況を記します。



天気:晴れ

調査時間:9:48から14:52まで


調査結果:カンムリウミスズメ 0

アビ類 1羽(繁殖羽に移行中の個体)




このところカンムリに出会えていないので、このままトンネルを抜け出せないままか、トンネルの向こうにパッと明かりがさすのか、五分五分の気分で乗船。

まずは最初のミッションとして島に上陸。研究者のTさんのコウモリ調査のデータ回収と電池交換に同行する。今回も洞窟内の探索を実施。

事前に船長から、「船に乗り込む前に靴の泥をよく落としてから乗るように」と釘を刺された。前回、私は靴の泥を落として乗ったのだが、研究者のTさんが泥靴のまま乗り込んだので、注意喚起されたのだ。洞窟内は、鼻の利かない私でも、耐えられないほどの黴臭さで、靴や衣類に付着した臭気は、他の同乗者には耐えられない臭いなのだろう。

洞窟内を三分の二くらい進んだ時、天井にぶら下がるコウモリを発見。奥の方へ逃げ込んだので、再び前進し最奥部手前で撮影と頭数を確認。

Tさんが11頭まで数え上げ、懐中電灯を照らしながら、天井や壁にぶら下がる姿を写す。私も写した写真がピントが合っているかどうか確認できないので、多めに撮影した。

コウモリの種類は、「豚鼻」が確認でき、体つきが大きいのでキクガシラコウモリと同定。


キクガシラコウモリ220420.jpg




翼手を拡げたキクガシラコウモリ220420.jpg


私は撮影を早々に切り上げ、洞窟を出る。本当のところは「暗いところ、狭いところ」には弱く、長居したくなかったのだ。靴の泥を岩場に生えた草でしっかり落とし、船に乗り込んだのは言うまでもない。

海況はというと、ほぼべた凪。遠くまで見通しが利き、この状況なら見落としは考えられない。「べた凪の時は、カンムリは出ない」というジンクスの方が心配。

島沖には釣り船も何艘か出ていた。船から長い竿上のものを拡げた釣り船があり、前々から気になっていたので、「あれは何」と船長に聞いてみた。竿の先から釣り糸を垂らし、サワラを釣るらしい。サワラは船のスクリューで立つ泡を嫌うので、船から離したところから流すとのこと。一つ勉強になった。

しばらく進んだ頃、1羽の鳥が船の前を横切る。ヒヨドリだ。秋には大群で渡るのを目にすることも多いが、春も秋ほどではないが、渡りの群れは見られる。でも、たった1羽で海上を飛ぶヒヨドリ、どういう事情だったかは知る由もないが飛び去った。その後も、セグロカモメと思しきカモメ類や遠くを飛ぶウ類を見かけたが、ハッキリ種が同定できたのは、ブイに止まっていたハシブトガラスだけだった。

前回同様、島の近くで船を止め、昼食を摂る。食後、ゆっくりする間もなく、午後の調査を開始。前の日に他の漁師さんがカンムリを目撃したという海域をもう一度、見ようという考えらしい。

しかし、まったく当たりが出ない。船長も悔しさをにじませ、「鳥は飛ぶことができるので、前の日にいたからといって、必ずいるわけではない」とつぶやく。確かにそうだ。絶対はない。

沖合へ船を進めていると、右手前方からウが横切る。双眼鏡でもやっとの距離だったが、腰に白色部があり、顔に白色部はなかったので、ヒメウと同定。腰に白色部があるということは繁殖羽になった個体なので、ウミウなら顔にも白色の羽毛が出ているはず。それが見られないということはヒメウ。証拠写真が撮れなくても消去法で同定できる。

沖合でも繰り返し、くりかえし180度の範囲を探し続けたが、カンムリはヒットせず。特に潮目に浮遊物がある時は、双眼鏡の防振(スタビライザー)スイッチをオンにして、舐めるように見回した。でも見かけたのは海に浮かぶ大きな発泡スチロールの塊の上で休むウミネコ1)のみ。


発泡スチロールの上で休むウミネコ220420.jpg


沖合から地へ向けて走っている時、左舷に黒っぽい1羽の鳥を見つけた。大きさからウかアビ類と思われたが、遠いのでよく分からない。船を近づけようとするとやはり潜って姿をくらませた。潜る前に遠目に撮った画像からアビ類であることは確認できた。背中に格子状の白斑が見られ、繁殖羽に移行中と思われる。

その後も頑張って探したが、島沖でスナメリを目撃しただけだった。2度目の浮上後、カメラを用意したが、やはり3度目はなかった。今回は前回ほど磯周りに近づかなかったので、余計に鳥の出現が少なく感じたのかもしれないが、出るものが出ないと帰港時の疲れは何とも言い難い。しかし私以外のメンバーは、前夜のスポットライト・サーベイ調査、さらにこの日の夜にもスポットライト・サーベイを実施されるわけで、日帰りの私が疲れたなどと言っては申し訳ない。



(この調査は、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



             

1) ここで紹介する画像は〈海洋プラスチックごみ問題〉の悲しい現実です。海上におけるカンムリウミスズメ調査中には、浮遊する多数の〈プラスチックごみ〉にも遭遇します。上関の自然を守る会では様々な団体と協同して〈ビーチクリーンアップ〉と〈ビーチコーミング〉活動に取り組んでいます。



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2022年04月07日

22年4月のカンムリウミスズメ調査報告1

4月7日(木)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

残念ながら、今回もカンムリを見つけることができませんでした。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:9:44から14:57まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0

アビ類 21羽(撮影した写真からシロエリオオハムと分かる個体もあり)



ほぼ1か月ぶりの調査への参加。前日も、その夜のスポットライト・サーベイでもカンムリは確認できなかったとのことなので、気合を入れてカンムリを探す。といっても、この時期(カンムリの繁殖期)はなかなか手強いが、周辺海域での繁殖確認の手がかりをつかむためには、決しておろそかにできない調査である。

港を出てからしばらくは海も穏やかだったので、遠くまで双眼鏡を駆使して探した。船の前方にカモメ類が浮かんでおり、珍しく船の接近に飛び立つ様子がない。双眼鏡で確認すると嘴に何か咥えている。魚のようだ。撮影した画像で確認するとカワハギの小ぶりな個体だった。でも魚が喉に引っかかって、うまく飲み込めない様子が見て取れる。一旦、飛び立ったが、すぐ近くに着水する。その時に写した画像では、獲物を咥え替えていたので、喉に詰まっていたわけではなさそうだ。しかし呑み込みが難しい獲物を諦めることなく、咥えたまま飛び去った。

その後、どうなったかは分からないが、私のこれまでの観察例では、カモメ類が大きな死んだ魚を食べる時は、突っつきまわして少しずつ食べるので、岩場の上などに運んで「調理」するのかもしれない。

出港後すぐ、沖でスナメリを目撃しただけで、前回、アビ類が多数見られた海域は、もぬけの殻状態だったので、このセグロカモメとの遭遇は、ちょっとした刺激にはなった。

沖合海上を見回っても、あれだけいたウミスズメもまったく見られない。話のネタになるような船舶もなく、祝島の沖合から「平さんの棚田」を撮影した。


海上より平さんの棚田を遠望220407.jpg


島間海域を周回している時、やっとアビ類を見つけることができた。潜水したので一度見失ったが、割合近い所へ浮上したので、何とか撮影できた。撮影した画像にはハッキリとシロエリオオハムと分かるものも撮れていた。この個体、潜水して逃げるのかと思いきや、バタバタと羽搏いて逃げる。しかし、いつまで経っても飛び上がらない。ずっとバッタバタやったままだった。換羽期には飛べなくなるので、身を潜める場所があると聞いたことがあるが、まだ換羽には早そうだし、食べ過ぎで体が重たかったのかもしれない。

そういえばアビ類の撮影画像、水面に首だけ出しているものが多く、体全体が浮いた姿のものはなかった。渡り前なので、脂肪を蓄え、渡りに要するエネルギーを十分補給しているため、体が重くなって沈んでいたり、飛び上がりが困難となっているのではないかと考えれば自分的には納得がいく。本種の繁殖地への移動や越冬地への移動は、飛翔だけなのか、遊泳は伴わないのか。

以前、博多湾の沖でアビ類が長い隊列を組んで移動して行くのを見たことがあるが、いずれにしても飛べない鳥ではないので、ケースバイケースということか。大型の鳥なのでGPSなどの装着は可能だろうから、移動方法を調べることはそう難しくはないのではなかろうか。

叶島近海で船を止め、昼食・休憩に。この辺りは全くの無風で、べた凪状態だった。白浜を出てしばらくはさざ波、島近辺まで来ると地寄りであっても波がある。普通、沖合に出ると波が強まるのだが、この日の沖合は凪ぎと、まったく海況は分からない。船上での食事に弱い私でも、座っている分にはほとんど揺れは感じない程度で、弁当を完食した後、サービスにつけてもらった握り飯までペロリの状態だった。そういえば前の晩、夜中に腹具合が悪くなり、何度もトイレに行く状態だったので、この日は朝飯抜きで来ていたので、よけいに食が進んだのだろう。すっかり腹具合のことは忘れていた。

午後からの調査のコース取りとして、船長が気を利かせて、盛りは過ぎていたが、ヤマザクラが密集している島の北岸に沿って船を進めてくれた。


長島のヤマザクラを撮影220407.jpg


岩場のてっぺんにミサゴを見つけたので声をかけ、ゆっくり進んでもらうとミサゴは飛び立った。当初は私たちを警戒したのだろうが、そのうち近くにいたカラスを追い払う行動が主になって、私たちが通り過ぎるとまた戻って来た。

田ノ浦付近でウが浮かんでいるので撮影したところ、婚姻色が出始めたヒメウだった。嘴の付け根付近が赤くなり始めている個体だ。


婚姻色が出始めたヒメウ220407.jpg


岩礁にウ類がたくさん休んでいる。画像で確認するとウミウの群れにヒメウも交じっていた。船の接近とともにみんな飛んで行ってしまったが、鳥があまり出ていないので、これはこれで嬉しい。

ミサゴの2羽が今季も営巣しているようだ。その後、再び沖合へ出てみたが、鳥の気配が感じられない。航路筋を走っている時、沖合にカモメ類が10羽前後、見られたのと、アビ類が2、3羽、それにウミアイサのペアと思われるものが2組、近づく間もなく飛び去られ、ウミスズメ類はまったくヒットしない。日頃余り行かない島の東側海域も回ってみたが戦果なし。島のてっぺんに止まっているミサゴのペアを見つけ近づいてみたが、近くにいたウ類が早々と反応、すべていなくなり、飛び立ったミサゴとカラスのバトルが見られただけで巣らしきものは発見できなかった。

港に着くまでが調査と自分に言い聞かせながら、再度集中したものの、アビ類が遠くに見られたのみ。白浜港入港前、船のすぐそばの水中をスナメリの子供が泳いでいく。そのうちその子の親と思われる巨体が水面に姿を現したが、カメラを構えるとまったく出てこず、諦めて帰港となる。残念!



(この調査は、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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