2021年07月13日

田ノ浦座り込み報告 9日目

7月13日(火曜日)


今日も10:00から作業開始だ。

中電の船3隻、祝島の船10隻ほどが配置に付いている。

梅雨明け宣言を受けて空には入道雲が沸き上がり日射しはじりじり照り付ける。

今日は上関をテーマにショートムービー撮影に訪れた大学生二人が同行している。

そのうちの一人は田ノ浦初体験である。

まずは中電が設置した発電所敷地説明図を見て貰う。

敷地の中に反対派の所有する土地が炉心から数100m.の位置などパッチ状に広がっていること。

2号機の建屋は埋立境界線にあること。冷却水を循環させる取水口と排水口が反対派の土地を避けるようにうねうねと曲がり送水管の長さが異様に長いことなどー

「図を見ただけで計画の不自然さがわかりますね!」と率直な感想が返ってくる。


中電敷地案内板210713.jpg


里道を降りて田ノ浦が目の前に開けると「すっげ〜!きれい!!」と感嘆の声を挙げる。

それと対照的な中電と祝島漁船団の対峙を複雑なまなざしで見つめている。

原発予定地から3.8km.しか離れておらず真正面にしか集落がつくれない島の自然条件。

周辺の海で漁をして来た漁師さん。田ノ浦に昇る朝陽に手を合わせてきたおばちゃんたち。

生きる糧と祈りの場を奪われる島の人々の想いが直接伝わったようだ。


お昼下がり、西の岩場からシーカヤックが現れた。T君である。

上関の写真展がきっかけで上関が気に入り、毎月のように通って来てお魚の産直も手伝ってくれる。

今日は激励を兼ねて来てくれたようだ。


Tシーカヤック210713.JPG


陸の座り込みメンバーの中には今日も少数派で頑張ってきたOさん、Yさんの姿があった。

大学生たちは39年間の苦労談を40分余り撮影し「いや〜、いやがらせとか人間関係がすさまじいことになったんですね。」とショックを受けたようだ。


私は上関が「奇跡の海」と呼ばれる所以

@瀬戸内海で失われつつある遺伝子がセットで残る、よみがえりの種がつまった希望の場所であること

A世界的に見ても希少生物が多数生息し生物多様性のホットスポットであること

B今を生きる私たちは過去からの預かり物をそっくり未来の子供たちに手渡したいこと


ーなどを話しながら、私たちは「伝える世代」なんだと改めて感じた。

そしてそれを聞いてくれる若者がいることを非常に嬉しく頼もしく思った。

15:00作業打ち切りの連絡が入る。陸と海上と手を振りあい明日も頑張ろうと声を掛け合う姿を大学生たちはカメラに収めていた。

今日のお土産には「ハマナデシコ」の花を添える。


ハマエンドウ210713.jpg




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2021年07月07日

田ノ浦座り込み報告 5日目

7月7日(水曜日)

ボーリング調査監視行動

今日からいよいよ知事が海面占用許可を認可した正式の準備作業の始まりだ。
とは言えボーリング調査地点を確定しないことには作業に入れないので中身はこれまでと全く代わらない。


20210707_144528.jpg


10:00から中電の船3隻と祝島の船9隻が対峙し、説得船が祝島船団の間を廻り歩く。
今日は対岸の鼻繰島と祝島の間の水平線に国東半島が見える。

12:30頃が干潮なので前回の続きで西側潮間帯にカサシャミセン調査に出かける。
途中の潮だまりでヒザラガイの集合住宅に出会う。

昨日より西側のタイドプールで1個体、別のタイドプールで1個の石に4個体付着しているのを確認出来た!


カサシャミセン210707.jpg


しかし昨年5個体が付着しているのが見つかったタイドプールは岩が減ってしまい、確認出来なかった。移動が苦手な彼らは一体何処に行ってしまったのだろう?

手持ち弁当を食べて浜に座っていると田ノ浦の入り江が残っているのが奇跡のような気がする。

2011/2月、田ノ浦は10数隻の大型台船に囲まれ、ガリバーに取り付く小人のように祝島の漁船が行く手を阻んでいた
祝島のおばちゃんたちと私たち併せて130人は600人のガードマンに囲まれて座り込みをしていた。
彼らは私たち反対派を近寄らせないために浜の両側に立ち入り禁止のフェンスを張り巡らせようとしていた。
陸側から海に向けて1本、また1本と打ち込んで行く。
杭を打たせまいと駆け寄るが、屈強なガードマンがスクラムを組み割り込めない。
何とか彼らの弱味である足元をかいくぐり杭の廻りに集まる。

波打ち際の最後の1本を打とうととび職のお兄さんがハンマーを振り上げた。
最後の1本を打たせてはならない!
私は思わず杭の上に手をかざし叫んだ。
「あんたもプロのとびならプロの漁師さんの気持ちがわかるやろ‼️
堪えていた悔しさに思わず涙がこぼれ落ちた。
するとどうだろう。
「俺だって嫌なんだよう‼️」
とびの兄ちゃんがポロポロ大粒の涙をこぼしながら手を下ろしたのである。

聞けば現場に着くまで仕事の内容は知らされず5日間の契約だが仕事が終わり次第帰って良いと雇われたそうだ。
そんな彼らに座り込んでいる祝島のおばちゃんたちは語りかけていた。
「私はこの海で3人の娘を大学まで行かせたんよ。
娘たちが『お母さん、私たちを育ててくれた海を守ってね』と言うんよ」
彼らはおばちゃんたちに自分の母親の面影を見たのではないか?

中電の社員はそうしたやり取りを石垣のうえから冷徹に見下ろしている。
札束ひとつで人の心をあやつり争わせる-そんな企業体質に心から憤りを覚えた。
そして1か月後、フクシマが起きたのだ。

思い出から覚めると陽は廻り、もう14:30だ。
今日はカサシャミセンにかまけてあまり良い写真がないのでせめてオニユリの鮮やかな姿をお土産にしょう。


20210707_144417.jpg



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2021年07月03日

7月のカンムリウミスズメ調査報告1

上関 調査日誌

報告者 H


 7月3日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。


調査メンバーの集まりが少なく、一旦、中止となったが、私が急遽参加するようになったため、オオミズナギドリの繁殖調査班の船に便乗する形となり早朝の出発となった。

調査始まって以来、初めてのことのようだった。

梅雨の天気で12時ごろから雨の天候予想。

朝から空模様が怪しかったが、朝7時に予定通り出港し一路、島へ。

調査班を7時50分頃下船させた後、カンムリウミスズメ調査開始。


カンムリウミスズメ210703 .jpg


1羽、2羽と観察。その後、アマツバメの確認に。

上陸はせず、島の近くの海上で観察。飛翔している数は、今までで一番多い?と言われる。70~80羽は確認できた。またスナメリも3頭確認。

島へ調査班を迎えに行く途中、カンムリウミスズメを1羽確認。その後、カンムリウミスズメらしい個体3羽を見るが、迎えが遅れそうなので、そのまま船を走らせる。

10時40分、調査班を乗船させ、白浜港を目指す。

長島を左手に見ながら走っていると、カンムリウミスズメ2羽を発見。近くでもう1羽追加確認。


カンムリウミスズメ 2羽8 58 20210703.jpg


カンムリウミスズメ羽搏き=換羽が完了210703.jpg


先ほどの怪しかった3羽の位置とほぼ同じような位置だったので、同一個体かもしれない。更に走り、カンムリウミスズメを2羽確認した。

白浜港への帰港途中、定置網の所へスナメリの音波探知機の設置をすることになり、水深20メートルの海底に沈める。そして帰港。

帰港と同時に雨が降り出す。

余談ではあるが、解散後、帰る道すがら定置網周辺北側で、スナメリの小群に出会う。

何回も数えたが、最低でも8頭はいた。音波探知機に記録されていることを願う。


調査日   2021年7月3日(土)

天気    くもり時折晴れ 雨が降る前の梅雨の天気 風はほとんどなし

調査時間  7時00分から12時40分まで

観察視界  四国や九州(国東半島や姫島)は見えず。観察に支障をきたすことはなし。

 感想として、早朝観察は理想である。

調査結果  概要は以下の通り

      カンムリウミスズメ  7回観察     9羽

      ウミネコ       複数回観察   4+羽

      カワウ        1回観察     1羽

      イソヒヨドリ     1回観察     1羽

      ミサゴ        1回観察     2羽

      コシアカツバメ    1回観察     2羽

調査詳細  経時的に

       7:00 出港

        :40 島到着 オオミズナギドリ繁殖調査班下船

        :52 カンムリウミスズメ   1羽

       8:21 ウミネコ        1羽

        :58 カンムリウミスズメ   2羽

       9:29 カワウ         1羽

        :30 アマツバメ   70〜80羽

        :40 スナメリ 1頭他2頭 計3頭

      10:12 カンムリウミスズメ   1羽

        :22 ウミネコ        1羽


        :40 島にてオオミズナギドリ繁殖調査班乗船

        :47 アマツバメ       8羽

            ミサゴ         2羽

            イソヒヨドリ      1羽

      11:05 カンムリウミスズメ   2羽

        :08 カンムリウミスズメ   1羽

        :23 カンムリウミスズメ   2羽

        :43 ウミネコ        2羽

        :58 コシアカツバメ     2羽

      12:10 定置網設置場所に音波探知機を沈める

        :40 白浜港に帰港




(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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