2020年07月12日

7月のカンムリウミスズメ調査報告1

7月12日(日) 天気:曇りのち雨

調査時間:9:30から15:05まで

調査結果:カンムリウミスズメ 43


白浜港を出港してすぐ、海上に黒っぽいものが見え隠れする。初めは船の波かと思ったが、双眼鏡で確認するとスナメリだった。最初の目的地が近づいてきた時、右手に鳥の群れを見つける。船を近づけてもらうと何とカンムリウミスズメの群れだった。私はこれまでカンムリが群れでいるところを見たことがなかったので、当初は、早めに繁殖地から戻ってきたアカエリヒレアシシギの群れかなと思っていた。数えると11羽いて、それも一列に並んで、一見、ソーシャルディスタンスをとっているのかようだった。こんな機会はまたとないと思い、とにかくシャッターを切りまくった。これで調査を終えて帰ってもいいくらいの気持ちになったが、まだ調査開始から20分くらいしか経っていない。


bカンムリウミスズメ.jpg


再び船を進めていると左手に1羽でいる個体が見つかる。すぐ後、Yさんが沖にハマチの群れを見つける。その光景は漁師の間では「海が鳴る」と言うらしい。やっと着いた島の周りではアマツバメが群舞している。船を回していると磯にいた1羽のウがヒメウであることに気づく。ヒメウは本来、冬鳥とされており、この時期に考えられないが、これも記録なので、証拠写真を撮る。岩場に登り、アマツバメの繁殖状況を確認。鳥に負荷をかけたくないので、短時間の観察で調査を終え、カンムリの調査を再開する。

その後、沖で2羽のカンムリが見つかったが、この2羽は警戒心が強く、撮影には困難を極めた。そのまま港へ船を着け、早昼を摂ることに。入港時、定期船の船着き場の後ろの山が地滑りしているのに驚いた。先日の雨で、平郡島では道路が寸断されていると聞き、この辺りも相当雨が降ったようだ。待合所に作っていたツバメの巣はもう巣立ったようで空っぽだった。天気は相変わらずよくないが、みんなの顔は明るい。

12時半過ぎには午後からの調査を開始。すぐにカンムリが見つかる。とにかく海にゴミが多く、紛らわしいが、左右に、前方にとざっと14羽数えることができた。離合集散し、最大9羽になることもあった。また、小魚を追って潜水を繰り返す場面や潜った後に海水を切るのか羽搏く場面が繰り返し見られた。家族群と思われるきれいな顔をした幼鳥を伴った群れもいた。とにかく換羽の進み具合がバラバラで実のところハッキリと断定はできないが…。


bカンムリウミスズメ家族群?.jpg


その後も少し進むと、また見つかるといった状態であった。カンムリが出ない時なら見てもらえるウミネコもこの日ばかりは見向きもされないという感じで、ゴミの上に止まった姿を話のタネに写しておいた。

また今回も自衛艦が沖を航行していたので撮影する。ネットで調べたところでは、呉を母港とする輸送艦(おおすみ型)の「くにさき」だった。航空機には鳥の名前を使ったもの(オスプレイ=ミサゴやハリアー=チュウヒなど)があるが、艦船は地名が多いようだ。ついでにゴルフの用語には鳥に関するものが多い。例えば、イーグル=タカ、アルバトロス=アホウドリ、ブービー=カツオドリなど、ボールが飛ぶ競技だからかもしれない。少し脱線したが、大きな「戦果」をあげて帰港できたことを心から喜びたい。

船長のYさんは、これまで調査に出て100%カンムリに出会ってるそうで、連続記録を更新中とのこと。出港の度に、プレッシャーがあるとも。あらためて強運の持ち主=Yさんに感謝、感謝である。


bカンムリウミスズメ羽搏き.jpg



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2020年07月11日

上関ナイトクルーズ&アカテガニ観察会 8月のご案内

真夏の大潮の夜、アカテガニはふ化直後の幼生を海に放つため山を下り海岸に現れます。

小さな生命の誕生は私たちが知らない自然界の営みの多様さを教えてくれます。

静かな上関の夜、地球の声に耳を傾けながら、生きものたちと共生するコロナ後の世界について思いを馳せてみませんか。

2020年8月1日(土)

17:00 集合(上関町室津白浜港にて)

17:00 佐藤正典先生のWebアカテガニ講座

1830 船上からの夕陽鑑賞

1900 アカテガニ観察会

2030 ウミホタルと星空を満喫

2100 現地解散

参加費

大人 4000 円、子ども 2000 円(小学生〜高校生)

先着13名まで。5名に満たない場合は中止させていただきます。コロナ感染対策として、健康状態のチェックとマスクの必携をよろしくお願いします。観察は波打ち際で行いますので、ぬれてもよい服装や履物がおすすめです。また、夜間ですので懐中電灯を必ずご持参ください。虫よけ対策もお忘れなく。

申し込み、お問い合わせ

上関の自然を守る会(担当:森田修)

FAX:0820-47-2120 

E-mail:heigun.yom@gmail.com


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2020年06月20日

6月のカンムリウミスズメ調査報告2

20年6月20日(土) 天気:曇りのち晴れ 

調査時間:10:20から17:00まで 

調査結果:カンムリウミスズメ 2


クロサギの繁殖確認をするため、南岸の岩場を船上から双眼鏡で探す。怪しそうな箇所はあったがクロサギ自体が見られない。ミサゴが頭上を飛び回る。4羽見られたが、親鳥と巣立った幼鳥のようだ。その後、飛んで行くクロサギを目撃したが、戻ってくる様子はない。回り込むとミサゴの動きが活発になる。しかし、木に止まったり、巣に止まったりして休む個体がいる。写真を撮って確認すると休んでいるのは幼鳥のようである。あまり長くは飛び回れないのかもしれない。ワシタカの識別図鑑によると幼鳥の特徴として「雨覆の先端が尖っており、羽縁は淡褐色」とあるので合致する。


bミサゴ幼鳥200620.jpg


昼食となる。曇っていた天気も昼前から晴れてきて、景色は素晴らしく、「絶景かな、絶景かな」というところ。時々、ミサゴが頭上を飛び回ったり、アマツバメが舞ったり、上陸時に岩場にいたカルガモは海上へ出て泳ぎ回っているし、海上を飛ぶクロサギも見られた。Mさんは上陸せず船で沖合にいたが、その後方を自衛艦が通り過ぎた。写真に写っていた船の番号を調べたところ、呉を母港とする護衛艦(あぶくま型)「とね」だと分かる。こんなことはどうでもよいが、かつての「ミリタリーおたく」としては調べないと気が済まないのだ。

昼食後、岸壁から周囲の景色や鳥の写真を何枚か撮り、午後の調査へ。この海域は前回の調査でもカンムリが見つかっており、注意深く海上を探す。目が多いのになかなか結果が出ない。自然を相手のことだから仕方ないとは分かっていても焦ってしまう。とくにK船長の船での調査はこれが最後かと思うとよけいに焦る。調査メンバーを下した後、今度はスナメリの音響探査で東方に船を走らせる。地寄りなので、カンムリの期待はできないが、これまで調査で行ったことのない場所だったので、岩場に鳥の糞の跡を見つけたり、崩落箇所に見入ったり、それはそれで得るものもあった。

スナメリの調査が済んだ後、Tさんが岩場に糞のあったところをよく見てみたいと船長に頼んで引き返してもらった。K船長は、カンムリの調査にさく時間が少なくなっていることを気にされて、すぐにでも船を進め、周回後に行く予定でおられたように見えた。近寄ってみると糞の近くに繁殖の痕跡はなく、大型の鳥が止まり場にしているようで、ちょうど近くからミサゴが飛び出し、今後も注視していこうということになった。

時間も時間で調査メンバー回収のため直行コースをとる。そんな「寄り道」が功を奏したのか、走り始めて程なく、Tさんが船の右舷すぐそばに2羽のカンムリウミスズメを見つける。時間はあるので、写真をしっかり撮られてくださいと連絡が入る。K船長も寄り道が良かったと笑みを浮かべておられたので、出てくれたカンムリに感謝、感謝である。この2羽は写真にあるようにほぼ換羽状況は同程度で、幼鳥も疑ったが、Tさんの話では頬(目の下あたり)に僅かではあるが黒い羽毛が残っていることから成鳥のようだと。月ごとの写真を整理すると成鳥、幼鳥の区別に役立つだろうともおっしゃっていたので、周年観察できるこの地の利点を活かして、今後、学術的貢献もできそうだ。調査が入ったので、島で営巣するアマツバメが一斉に飛び出していたのか、いつもよりたくさん(20+羽)の数が見られた。最後の航海にカンムリが花を添えてくれたことを、心に刻んで帰港したのは私だけではなかったと思う。



bカンムリウミスズメ200620.jpg


帰港後、K船長と船に長年の感謝を込めて、お礼の花束を皆から送り、私からは熊本から取り寄せたアマビエの団扇をプレゼントした。K船長、これまで本当にありがとうございました。


b祝島や鼻繰島を望む200620.jpg



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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