11月12日(火)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。
毎回、厳しい調査が続いています。
毎回、厳しい調査が続いています。
天気:曇りのち晴れ
調査時間:9:43から14:32まで
調査結果:カンムリウミスズメ 0
天気予報では晴れとのことだったが、出港時はどんよりとした天気で、気持ちまで暗くなる。
アノラックの下に薄手のフリースを着込んでいたのに、体が冷えて冬の調査のようだ。
横島の西方を航行しているとミサゴが1羽飛び出す。距離があったので撮影は諦める。
そのうち晴れ間が広がってきて辺りが明るくなったが、波も少し出てきて、鳥探しが厳しくなる。
ウミネコはちらほら見られるものの、海面を浮遊するものが全く見られない。
少し凪いだ海域もあったが、しばらくするとまた元に戻る。
前方から水しぶきを上げて進んでくる船を見つけ撮影する。海保の巡視艇のようだ。撮影した画像を確認すると「なち」と船名が書かれていた。徳山海上保安部所属の艦艇らしい。
その後も現れるのはウミネコばかりで、まったくカンムリの気配はない。
今回は、前回のようにゲストが乗船していないので、気が楽といえばそうなのだが、カンムリに替わるような目玉になる鳥すら出ないのでは、ただ疲れるだけだ。
調査だからと自分に言い聞かせてはいても、やりきれない気持ちになるのは人情だろう。
この日は研究者のTさんが鼻繰島に上陸を予定していて、沖合から北上を開始すると、斜め前からの波に変わって、飛沫を浴びるようになり、前を向いていられない状態になってきた。
やっと上陸地点に近づいた時、前方から上空を大きな鳥が2羽飛んで来たので、慌ててシャッターを切る。
画像を確認するとウだった。
ウミウかカワウか下からの撮影だったので判別はつかなかったが、ウミネコ以外の鳥だったので、何か得をしたような気分になる。
研究者のTさんを降ろし、我々は祝島へ向かう。正面からの波がきつくて、顔を横に向けて耐えていると、祝島の手前辺りで右舷に海面すれすれに飛ぶ鳥の群を見つける。対応が遅れたのと船の揺れとでまともな写真は撮れなかったが、ヒヨドリの群が見られたのは良かった。
後で研究者のTさんから島から飛び出す100羽くらいのヒヨドリの集団を見たと聞いたので、おそらくその群が祝島に渡ったのだろう。
祝島の防波堤にいつも休んでいるウミネコは1羽もおらず、食後の楽しみもない。冷えるのでトイレに行って再び乗船。
研究者のTさんを回収に向かう。今度は後ろからの波なので飛沫を浴びることはなかった。
その後、いつものように沖合を目指すと思いのほか波が高く、時折、大きなうねりもやってくる。
このまま進むと、沖合から戻る時が横波になるため、そのまま後波に乗って、やや地寄りに進む。それでも船は大きく揺れ、鳥探しどころではない。
それでも船に近づいて来たウミネコやセメント運搬船を撮影するなどして、「埋め草」を稼いだ。
波の加減で横島を大きく回り込んだので、大津のタイル張りの灯台を写したり、白浜の家並を写したりして帰港。
この日は本当に話題に事欠く一日だった。
(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。