2021年06月05日

6月のカンムリウミスズメ調査報告1

カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

連日の調査で、少々疲れましたが、両日とも海況もよく、カンムリウミスズメも出てくれて、頑張ったかいがありました。

概況を記します。


6月5日(土)

天気:曇り

調査時間:12:33から15:25まで

調査結果:カンムリウミスズメ 5  アビ類(シロエリオオハム?) 1


白浜出港が11時半ということだったので、いつもよりは朝がゆっくりできた。白浜港に早めに着いたが、午前中の作業が長引いているようで、港で時間を潰す。港の外れの方に船が見えたのでカメラで確認したところ、船長やいつものメンバーの姿があったが、何の作業をしているのか分からなかった。

港で時間を潰している時に撮影したカワウの捕まえた魚の種類をUさんに確認してもらうと、頭がないので判りづらいと。そういえば何枚か写したものを見てみると頭がない。Uさんの話では、エイに食われた魚を捨てものを咥えてきたのではないかとのこと。船長はチヌではないかと言っていたが、Uさんはメジナではないかと思うと後で言っていた。

出発が遅れたので、先に弁当を食べてすぐに出港となる。私が船上での食事に弱いことを配慮してくれたようだ。天気は曇っているが、波もなく、海全体が白っぽいので海鳥探しには絶好のコンディションである。潮目にゴミが浮かんだ海域では、注意深く探したが、見つからない。

出港後30分くらい経った頃、ちょうど沖合へ進みかけた時に、左舷前方にやや大きめの鳥を見つける。アビ類だと分かり、船を近づけていると、反対側に船長が2羽のカンムリを見つけた。アビ類の確認に船を寄せたのが功を奏したのである。アビ類はもう見向きもされず、かわいそうにと船長が言っていたので、私は一枚追加でアビ類の写真を撮影した。


換羽状況の異なる2羽210605-2.jpg


この2羽は、換羽の進行状況が個体間でかなり違っており、撮影した写真を見ると羽衣だけでなく、風切り羽の形状にも著しい違いがある。詳しいことは専門家に見てもらわないと何とも言えないが、飛べないほどの羽根の脱落があるように見える。


換羽状況の異なる2羽210605.jpg


その後すぐ、3羽でいるカンムリが見つかったので、どういう組み合わせなのか、幼鳥を含む家族群か、それとも換羽中の成鳥のグループなのか、個体ごとの撮影もしてみたが、幼鳥に関する知見そのものが少ないことに加え、換羽そのものがスペクトラムというか、進行具合でさまざまな羽衣変化があって、決め手に欠ける。しかし、多くのデータを蓄積していくことで、今後、分かってくることもあるのではないだろうか。幸い、上関海域は周年生息という強みがある。他所では集められないデータもここでは可能だ。今は下手な鉄砲でも数打つことが、いつかは役に立つと思っているが、カンムリへの負荷も考えながら進める必要がある


5日に見つけたカンムリ3羽210605.jpg


その後もカンムリを探したが、他の海域では出会うことはなかった。航行中、スナメリを見つけたが、シャッターのタイミングが合わず、上手く撮れず。アマツバメの繁殖確認にTさんが上陸したが、卵は前回から1個増えて、2個を親鳥が抱卵中であったとのこと。かわいそうなので写真も撮らず、すぐ離れて帰ってきたと。島ではミサゴが飛び、ウミネコも見られたが、アマツバメは1羽しか飛んでおらず、今年は群飛を見るのは無理なような気がする。短時間の調査ではあったが、カンムリを確認でき、一同、満足して帰還した。

翌日も調査に出るとは聞いていたが、マルゴトに宿泊ということ以外は何も分からない。夕食はシーパラダイスでするらしい。調査後は、ゆっくりできるのかと思いきや、夕食づくりの一員に狩り出される。日常的に食事は基本毎日作っているが、息子と私の二人分で、大人数の料理など勝手が違うので、私などが役に立つわけがない。私の最初のミッションは、唐揚げにするカサゴの水気をキッチンペーパーで拭き取ること。作業自体は簡単であるが、量が量で何と18匹も処理しなければならない。その次は唐揚げ粉がなかったので、小麦粉に塩コショーを適量混ぜたものを魚にまぶす作業。下処理とか下準備というより作業という表現が馴染む。私は余り魚料理はしない上に、揚げ物ときている、適任ではないので、誰かがするのだろうと勝手に思っていたが、これも私の作業となる。中火程度でしっかり揚げ、キッチンペーパを敷いたトレーに揚がった端から載せていく。揚げると普通ものが小さくなるものであるが、カサゴは大きく口を開け、ヒレも広がって、トレーに載りきらないほどに。船長が火を強火にしてくれ、2度揚げ開始。粉をまぶした魚を置いていた空きトレーにキッチンペーパーを敷き直し、2度揚げしたものを載せていく。強火のせいか、すぐにキツネ色になっていくので、作業はすぐに終わった。

その頃には、他のミッションもほとんど完成し、屋外に用意された机の上に並べられていく。因みにその夜の料理を紹介すると、刺身は、メジナにウマヅラハギとタコ、煮魚はメバル、唐揚げは先ほどのカサゴ、ご飯はサザエとタコの入った釜飯、それにセトガイやサザエの臓物とウマヅラハギの白子の甘煮がついた。若者用ということで焼き肉も炭火が起こされ用意されていた。船長の話では漁師は案外、肉が好きで、バーベキューになったら魚を食べるものはいないと。その日の夕食は10人。翌日は遊漁客があるとのことで、最後はみんなで後片付け。宿泊場所のマルゴトでは、私にはドミトリーがあてがわれていた。私は閉所恐怖症ではないが、開放的ではない寝所であったので、あれでも粗相がないとはいえない。本当に深酒をしなくてよかったと思った次第である。



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2021年05月23日

5月のカンムリウミスズメ調査報告3

5月23日(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

梅雨の中休みでしょうか、絶好の調査日和となり、穏やかな海の中、頑張ったかいあってカンムリウミスズメを8羽見つけることができました。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:9:45から14:55まで

調査結果:カンムリウミスズメ 8  アビ類(シロエリオオハム?) 3


出発前、白浜港でホトトギスを聴く。今朝から鳴いているとのこと。私も昨日、自宅で初鳴きを聴いたので、そういう時期になったのだろう。梅雨入り宣言後、久しぶりの好天、雲一つない。海も穏やかで、漁船もたくさん出ていて、20隻以上の船が一列に並んでいた。

出港後、40分くらい経った頃、左舷沖に鳥影を見つけ、船を寄せてもらった。3羽が一緒にいたが雛連れの家族群ではなかった。3羽とも成鳥のようで、どういう組み合わせなのか分からない。先週の調査では1羽も見つけることができなかったので、Tさんもホッとしている。


3羽でいたカンムリ210523.jpg


しばらく走っていると、遠くの海上にアビ類が浮かんでいるのが確認できたが、船を寄せる間もなく、見失ってしまった。とりあえずシャッターを切った1枚に頭だけが写っていた。

そのすぐ後、船の前方に2羽のカンムリが見つかった。ずっと双眼鏡で遠くを探していたのに、まったく気がつかなかった。まさに灯台下暗しである。この2羽、羽衣がまったく異なっていて、1羽は繁殖羽でもう1羽はかなり換羽が進んだ非繁殖羽をしていた。短いながらも冠羽が確認できたので、幼鳥ではなさそうだ。


羽衣に違いがあるカンムリ210523.jpg


昼を回ったので島で昼食・休憩にすることになり、島の近くまで来ると、ミサゴが1羽、巣から飛び出し、警戒声を発し、上空を飛び回る。しばらく旋回飛翔をしていたが巣に戻った。おそらく灯台付近にカラスが2羽いたので、私たちより、そちらを警戒して巣に戻ったようだ。巣に戻る前、灯台近くにいたカラスを威嚇していたので、間違いない。ミサゴの観察中、ハチクマが2羽、羽搏きながら東の方へ飛んで行く。秋の渡りは見ることがあるが、春は渡りのコースが秋とは違うらしく、今季は他所でも出会えていないので拾い物だった。灯台近くをアマツバメが2羽、飛んでいる。上陸のために船を岸につけ、降りるだんになって、弁当を船に積み忘れたことに気づく。しかたないので、波の穏やかな側に船を回し、一服となる。お茶うけにと思って持参していた饅頭が役に立った。前の日、六日市に行った折、買い求めた「麦ころがし」を、一人2個あて配る。そして先日、佐賀に行った時、土産に買った「小城羊羹」も配った。昼めし抜きを覚悟した面々から、これじゃあダイエットにはならんね、という話になって、積み忘れの責任追及もなされることなく終わって、本当に良かった。

食べ終わるとすぐに調査開始となる。沖合へ船を進めてすぐのこと、2羽のカンムリを見つける。海域が近いので午前中の2羽かもしれないと思ったが、近づくと確かにこの2羽も羽衣が異なっているものの、1羽の換羽は始まったばかりで、午前中の2羽とは違うことがハッキリした。この2羽は、繰り返し羽搏きをしてくれたので、羽搏き写真がたくさん撮れた。


カンムリの羽搏き210523.jpg


また少し進むと右舷に鳥らしきものを見つけた。しかし余りに白っぽくてペットボトルか何かのようでもある。ゴミ?、見つけた私も確信が持てない。かなり近づいてやっと、カンムリと分かる。幼鳥を疑ったが、近くに親鳥もいないし、短いが換羽も確認され、結局、換羽中の個体だろうということに。

アマツバメの繁殖状況の確認に向かっている途中、左舷にアビ類を見つけたが、遠いので、船長さんには知らせずにおいた。アマツバメの群舞を期待したが、1羽が飛んでいるだけだった。繁殖地に上陸し、巣の確認をしたが、それらしいものは見つからない。諦めているとTさんが岩の隙間に卵を見つけた。証拠写真を撮って、早々に引き上げる。干潮だったため、磯を迂回して船へ乗り込む時に波をかぶり、ズボンのすそを濡らした。その後は、船は速力を上げて、釣り客の回収に向かったので、目視でカンムリを探す。釣り客の待っている磯では、ウミネコが10羽くらい待機しており、ハシブトガラスも2羽、釣り人の動向を窺っている。釣り客が船に乗り込むと、待ってましたとばかりに、餌探し行動を開始。結構、食べるものがあったのだろう、喉袋に一杯詰め込んで岩場の上で休むカラスの写真も撮れて、シメとなる。今回も柳井駅で栄養ドリンクを飲んで臨んだのが効いたようだ。



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2021年05月14日

5月のカンムリウミスズメ調査報告2

調査日  2021年5月14日

調査時間 12時45分〜17時

天候   薄晴れ(薄曇り) 海上はべた凪乃至さざ波。風はほとんどない。

観察視界 霞む程度だが、支障をきたすほどではない。

調査結果 概要は次の通り。

     カンムリウミスズメの確認はできず。

     アビ類(シロエリオオハム?)2回観察 1+2       計 3羽

     アカエリヒレアシシギ    4回観察 7+18+7+14 計48羽

     ウミネコ          1回観察             2羽

     カワウ           1回観察             4羽

※ヒメウの確認は、いそうな岩礁に行かなかったので不明。

調査詳細 1245 出港

         薄晴れの中、波穏やかな海上を行く。カンムリウミスズメの親子連れにはこの上ない状況。また、アカエリヒレアシシギの群れにも期待。視界は霞んでいたものの、四国は伊方原発、九州は国東半島、姫島もぼんやりながら見える良い状況。

13:38 アビ類(冬羽)1羽確認。遠くとも警戒心があり、潜水多し。

13:41 アカエリヒレアシシギ 7羽確認。

14:18 アカエリヒレアシシギ 18羽の群れに遭遇。警戒心あり。

14:56 アカエリヒレアシシギ 7羽確認。

15:04 アカエリヒレアシシギ 14羽確認。

ウミネコ 2羽確認

15:40 アビ類 2羽確認(1羽は冬羽、もう1羽は夏羽に換羽中。

16:00 ウミネコのような個体1羽が死んで海上に漂っていた。

16:44 カワウ 4羽確認。

17:00 白浜港に帰港。

以上

報告者 H


(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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