2022年04月07日

22年4月のカンムリウミスズメ調査報告1

4月7日(木)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

残念ながら、今回もカンムリを見つけることができませんでした。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:9:44から14:57まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0

アビ類 21羽(撮影した写真からシロエリオオハムと分かる個体もあり)



ほぼ1か月ぶりの調査への参加。前日も、その夜のスポットライト・サーベイでもカンムリは確認できなかったとのことなので、気合を入れてカンムリを探す。といっても、この時期(カンムリの繁殖期)はなかなか手強いが、周辺海域での繁殖確認の手がかりをつかむためには、決しておろそかにできない調査である。

港を出てからしばらくは海も穏やかだったので、遠くまで双眼鏡を駆使して探した。船の前方にカモメ類が浮かんでおり、珍しく船の接近に飛び立つ様子がない。双眼鏡で確認すると嘴に何か咥えている。魚のようだ。撮影した画像で確認するとカワハギの小ぶりな個体だった。でも魚が喉に引っかかって、うまく飲み込めない様子が見て取れる。一旦、飛び立ったが、すぐ近くに着水する。その時に写した画像では、獲物を咥え替えていたので、喉に詰まっていたわけではなさそうだ。しかし呑み込みが難しい獲物を諦めることなく、咥えたまま飛び去った。

その後、どうなったかは分からないが、私のこれまでの観察例では、カモメ類が大きな死んだ魚を食べる時は、突っつきまわして少しずつ食べるので、岩場の上などに運んで「調理」するのかもしれない。

出港後すぐ、沖でスナメリを目撃しただけで、前回、アビ類が多数見られた海域は、もぬけの殻状態だったので、このセグロカモメとの遭遇は、ちょっとした刺激にはなった。

沖合海上を見回っても、あれだけいたウミスズメもまったく見られない。話のネタになるような船舶もなく、祝島の沖合から「平さんの棚田」を撮影した。


海上より平さんの棚田を遠望220407.jpg


島間海域を周回している時、やっとアビ類を見つけることができた。潜水したので一度見失ったが、割合近い所へ浮上したので、何とか撮影できた。撮影した画像にはハッキリとシロエリオオハムと分かるものも撮れていた。この個体、潜水して逃げるのかと思いきや、バタバタと羽搏いて逃げる。しかし、いつまで経っても飛び上がらない。ずっとバッタバタやったままだった。換羽期には飛べなくなるので、身を潜める場所があると聞いたことがあるが、まだ換羽には早そうだし、食べ過ぎで体が重たかったのかもしれない。

そういえばアビ類の撮影画像、水面に首だけ出しているものが多く、体全体が浮いた姿のものはなかった。渡り前なので、脂肪を蓄え、渡りに要するエネルギーを十分補給しているため、体が重くなって沈んでいたり、飛び上がりが困難となっているのではないかと考えれば自分的には納得がいく。本種の繁殖地への移動や越冬地への移動は、飛翔だけなのか、遊泳は伴わないのか。

以前、博多湾の沖でアビ類が長い隊列を組んで移動して行くのを見たことがあるが、いずれにしても飛べない鳥ではないので、ケースバイケースということか。大型の鳥なのでGPSなどの装着は可能だろうから、移動方法を調べることはそう難しくはないのではなかろうか。

叶島近海で船を止め、昼食・休憩に。この辺りは全くの無風で、べた凪状態だった。白浜を出てしばらくはさざ波、島近辺まで来ると地寄りであっても波がある。普通、沖合に出ると波が強まるのだが、この日の沖合は凪ぎと、まったく海況は分からない。船上での食事に弱い私でも、座っている分にはほとんど揺れは感じない程度で、弁当を完食した後、サービスにつけてもらった握り飯までペロリの状態だった。そういえば前の晩、夜中に腹具合が悪くなり、何度もトイレに行く状態だったので、この日は朝飯抜きで来ていたので、よけいに食が進んだのだろう。すっかり腹具合のことは忘れていた。

午後からの調査のコース取りとして、船長が気を利かせて、盛りは過ぎていたが、ヤマザクラが密集している島の北岸に沿って船を進めてくれた。


長島のヤマザクラを撮影220407.jpg


岩場のてっぺんにミサゴを見つけたので声をかけ、ゆっくり進んでもらうとミサゴは飛び立った。当初は私たちを警戒したのだろうが、そのうち近くにいたカラスを追い払う行動が主になって、私たちが通り過ぎるとまた戻って来た。

田ノ浦付近でウが浮かんでいるので撮影したところ、婚姻色が出始めたヒメウだった。嘴の付け根付近が赤くなり始めている個体だ。


婚姻色が出始めたヒメウ220407.jpg


岩礁にウ類がたくさん休んでいる。画像で確認するとウミウの群れにヒメウも交じっていた。船の接近とともにみんな飛んで行ってしまったが、鳥があまり出ていないので、これはこれで嬉しい。

ミサゴの2羽が今季も営巣しているようだ。その後、再び沖合へ出てみたが、鳥の気配が感じられない。航路筋を走っている時、沖合にカモメ類が10羽前後、見られたのと、アビ類が2、3羽、それにウミアイサのペアと思われるものが2組、近づく間もなく飛び去られ、ウミスズメ類はまったくヒットしない。日頃余り行かない島の東側海域も回ってみたが戦果なし。島のてっぺんに止まっているミサゴのペアを見つけ近づいてみたが、近くにいたウ類が早々と反応、すべていなくなり、飛び立ったミサゴとカラスのバトルが見られただけで巣らしきものは発見できなかった。

港に着くまでが調査と自分に言い聞かせながら、再度集中したものの、アビ類が遠くに見られたのみ。白浜港入港前、船のすぐそばの水中をスナメリの子供が泳いでいく。そのうちその子の親と思われる巨体が水面に姿を現したが、カメラを構えるとまったく出てこず、諦めて帰港となる。残念!



(この調査は、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2022年03月10日

3月のカンムリウミスズメ調査報告1

3月10日(木)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

概況を記します。



天気:晴れ

調査時間:9:42から15:10まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0

アビ類 60〜70羽くらい

ウミスズメ 150〜200羽くらい(飛び回るのでダブルカウントの可能性大いに
あり)


白浜では、ウグイスの恥じらいがちな囀りが聞こえ、遠くの島影は霞んでいて、だいぶ春めいてきたという感じがする。といっても陸では暑いくらい着こんでいないと、海上はまだ冷える。波は穏やかで風も気にならない程度、鳥さえ出てくれれば文句ない。

この時期、沖合でよく見られるアビ類が今日は見られない。島辺りまで進んでも着水したウミネコが1羽見られたのみ。遠くをウ類が飛んでいるが何ウかも分からない。

はるか遠くに芥子粒程度のウミスズメと思われる小群が飛んで行くのが見られたが、着水する様子もないので、追いかけるのは諦める。

沖合を島方面へ進んで行くと、着水したウミスズメの群れが次々に見つかるが、いつものように船を近づける間もなく飛ばれてしまい、まともな写真は撮れない。


ウミスズメ220310.jpg


群れの中には既に繁殖羽に変わった個体や変わりつつある個体も交じっている。

今回、カメラの設定をシャッタースピード優先にして、連写機能を使って撮影してみたところ、船の揺れには影響されないものの、ピントは合っているのだが画質が荒れて、撮影した画像は、ほぼ全滅状態だった。以前も設定を変えて失敗したことがあるが、今回も同じ結果となってしまった。カメラの機能を引き出せていないのではないかということで、チャレンジしてみたのだが、いつも通りの設定なら、何枚かは当たりがあったろうに、返す返すもくやしい。結局、サブ機で押さえに取っておいたものだけが、何とか使えた。カメラの機能をいろいろと試してみることは悪いことではない。反省すべき点は、いきなり本番ではなく、マイフィールドで試し撮りをしてみるべきだったということである。陸上でうまくいったからといって、海上で上手くいくとは言い切れないところはあるが・・・。

その後も、ウミスズメの小群をいくつか見つけたが、ほとんど飛んで行くものばかりだった。

全速力で進む船からウミスズメの群れを3回目撃する。

白浜港でMさんと私は船を降り、弁当となる。弁当を食べ終わるとすぐに調査開始。
ウミスズメはたくさん出たが、カンムリは1羽も出ていないので、船長さんは悔しいようだ。

午前中より少し地寄りに走ったからか、島を過ぎるとポツ、ポツとアビ類の群れが見られるようになった。


アビ類220310.jpg


近くの岩礁にはウミネコとともに休息しているウ類の中にヒメウも何羽か混じっていた。


ウミネコとともに休息中のウ類220310.jpg


西方でもアビ類がたくさん見られた。

島方面へ進んでも、やはりアビ類に出会う。沖合から北上を開始すると、遠くにウミアイサのペアが浮かんでいるのを見つけたが、早々に飛び去られ、証拠写真を撮るのがやっとだった。

沖ではウミスズメの20羽前後の群れが二組見られたが、近づくことができず、飛び立ちの写真が辛うじて撮れたのみ。群れでいるのは皆ウミスズメなので、ペアでいる鳥をと、懸命に探したが、一度、遠くを2羽で飛ぶウミスズメ類を見かけたものの、とうとうペアでの着水個体は見つからなかった。多数のウミスズメとべた凪、このジンクスを打ち破れないまま、帰港となる。




(この調査は、セブン‐イレブン記念財団 活動助成金、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。




おまけ。上関の空撮写真


空撮(長島).jpg



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2022年02月08日

2月のカンムリウミスズメ調査報告1

2月8日(火)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

一旦、調査中止の知らせを受けていたのですが、ピンポイントで海況が回復しそうだとのことで、急きょ実施することになり、「毎日、日曜日」の私としては断る理由もなく、参加した次第です。

概況を記します。


天気:曇り

調査時間:9:45から13:55まで

調査結果:カンムリウミスズメ 8(4ペア)

アビ類 前回並み?(30〜40羽)

ウミスズメ 100羽くらい(飛び回るのでダブルカウントの可能性あり)



先日来、時化が続いていたが、出港時はほとんど波がない状態。曇っているせいか海面は白く遠くまで見渡せて、カンムリ探しには絶好のコンディション。と言っても鬱陶しいマスクが防寒に役立つほど船上は底冷えする。

島近海では前回同様、アビ類の小群があちこちで見られる。相当距離が離れているのに、すぐに潜ったり、飛び去ったりで種の同定どころか写真撮影もままならない。

しばらく何も出なかったが、沖合海上を進んでいると、アビ類より小ぶりな鳥の群れが遠くに見られたので、そちらに船を進めてもらう。やっとウミスズメ類だと分かった時には、群れは飛んで行ってしまう。何とか双眼鏡でウミスズメであることは確認できたが、いつも通りウミスズメは警戒心が強く、撮影は難しい。


早々に飛び去るウミスズメの群れ220208.jpg


次々に同種の小群が見つかる。どの群れも近づく前に飛び去り、なかなか手強い。今季初もののウミスズメの出現は嬉しいのだが、「ウミスズメがたくさん出ると、カンムリが出ない」というジンクスがあるので心配になる。

とにかく群れでいるのはウミスズメなので、ペアでいるものを探せばいいと、気持ちを切り替える。と、その時、2羽で浮かんでいる鳥が船の左手に見えた。遠いので、カンムリかどうかは確認できなかったが、船を寄せてもらう。何度も見失うが、しばらく進んだところで、やっとカンムリであることが分かる。

このペア、潜水を繰り返していたのだ。見失った原因がやっと腑に落ちた。べた凪状態だったが、よく潜るので、なかなか撮影がままならない。いつも使っているカメラを修理に出したため、本日はサブ機での撮影。光量不足でシャッタースピードが稼げないので、連写しても鳥の動きが止まらない。言い訳ばかりで申し訳ないが、船上での撮影は、なかなか骨が折れるものなのだ。

結局、あまり近づけないまま、飛ばれてしまった。その後すぐ、左舷前方に別のペアを見つける。先ほどのペアの飛んで行った方角ではあるが、随分先の方まで飛んで行ったので、このペアは別個体。あまり近づかせてはくれなかったが、初めに見つかったペアのように頻繁に潜水することはなかったが、このペアも飛び去った。


カンムリの飛び立ち220208.jpg


しばらく進んだところで、前方にウミスズメの群れらしき鳥影を見つけたので、追いかけてもらう。やはりいくらも進まないうちに、飛び立たれた。30羽近くはいたようだが、群れは2手に分かれ、遠くの海上に着水した。

添付の写真はトリミングしているので、近くで撮影したように見えるが、望遠レンズでも豆粒、いや芥子粒程度にしか写っていない。

少し早いが、八島港に入港し、食事摂ることに。防波堤にはウミネコやセグロカモメ、それにアオサギとカワウもいたが、カワウは真っ先に飛び去った。定期船の待合所には暖房が入っていて、冷え切った私たちには、極楽のようだった。

いつものお茶うけは、先日参加した鳥見ツアー時に買い求めた熊本銘菓の「陣太鼓」。6個入りを買っておいたので、自分の分もあったが、ニコニコ亭のお弁当に新香巻のおまけが付いており、お腹いっぱいになったため家でゆっくり食すことにした。

食後、早々に午後の調査に。港の防波堤にいたセグロカモメの足に黄色味があるので撮影しておく。後で確かめるとタイミルセグロカモメというタイプのカモメだと分かった。

港を出ると午前中とはうってかわって、海は波立ち、風も出てきた。そのせいもあったのか、注意深く探していたのにTさんが「そこにカンムリ!」というまで気づかなかった。目視で分かるくらいの距離で波間に見え隠れしていた。まずまずの距離感で撮影できたが、さすがに波の影響があり、なかなかピントの合った写真が撮れない。

そのうち飛ばれてしまい、慌ててシャッタを切る。ピントは甘いが何とか飛翔写真をものにした。


飛び去るカンムリ220208.jpg


そのすぐ後、研究者のTさんが右舷後方にカンムリを見つける。こちらも見落とし行き過ぎてから分かった。いずれにしても船からそう遠くない所にいたペアだったから運よく気づけたのだろう。どうしても波のある時は、見落としが生じるので、却って近くを注意して見た方が、上手くいくのかもしれない。

4組目も飛ばれたが、今度は飛び立ちの連続写真が撮れた。しばらく何も出なかったが、島沖でアビ類の小さな群れが遠くに見えたので、近づいてもらうことにした。双眼鏡でやっと見えるくらいの距離なのに、早々に飛ばれてしまった。何故か1羽だけ残っていたので、そのまま船を寄せてもらう。この個体、この日一番近づけたアビ類だった、撮影した画像を確認すると、シロエリオオハム(冬羽)の特徴である喉の黒線が写っていた。

白浜港に帰港すると港に係留してある船のクレーンにミサゴが1羽止まって周囲を窺がっていた。寒かったが何とかカンムリに出会えて、一同、満足顔で陸に上がる。




(この調査は、セブン‐イレブン記念財団 活動助成金、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。




前回は意味不明なあとがきを書いてしまい、反省しています。今回、早めに帰還したのは寒かったせいまありますが、船長さんが私たち参加者に「寒ボラ」をさばいて、土産に持たそうという考えがあったようです。一人(一家)に1匹(本)あて、切り身2枚をいただきました。私はいつもお世話になっている方に半身をおすそ分けし、夕食に息子と一緒に刺身でいただきました。ボラというと余り良いイメージをお持ちでない方も多いと思いますが、適度に脂ものって、とてもおいしい魚です。近々、上関の「寒ボラ」を売り出し、ブランド化したいともおっしゃっていました。「お魚パック」でも扱うそうです。皆さんも是非、お試しあれ!



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