2021年10月09日

10月のカンムリウミスズメ調査報告2

10月9日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

今回も残念ながらカンムリを見つけることはできませんでした。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:9:48から15:15まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0


出港時、風と波が結構あったので、双眼鏡は使わず目視で観察することにした。島陰を進んでいる時は波も穏やかだが、沖合に進むにつれ、船の上下動が激しくなる。

島の手前の海域で浮遊物がたくさん見られたが、確認できたのはウミネコの着水個体のみであった。今回もクラゲの採取。頑張ったかいがあって、大きなクーラーボックスが満杯。ウマヅラハギ漁では1回にクラゲ4杯くらいは必要なので、これでも二日分くらいの量だそうだ。クラゲなら何でもいいのではなく、白くてぬめった長いひだひだのあるやつではないとダメとのこと。

先日、息子さんがクラゲを採りに行ったが、収穫はゼロ。島周辺にはいくらかいるのだが、海況によっては船を寄せるのが難しいこともあるらしい。

クラゲ漁の間、私は上空を旋回するミサゴの写真を撮ったりして時間を潰した。島の尾根筋をヒヨドリの小群が移動しているのが見えたので、シャッターチャンスをうかがったが、ハヤブサを警戒しているのか、飛び出しは見られなかった。

島の南側へ回り込んだ時、ハヤブサが飛び出し、突き出た岩場の裏側に消えた。ヒヨドリの動きがないのは、やはりハヤブサを警戒していたのだ。

途中、海上をこちらに向かって飛んでくる鳥を見つけるが逆光で種が特定できない。近くまでやってきて、やっとミサゴと分かる。もう1羽、後から飛んで来た。ペアだろうか。2羽が旋回飛翔していたが、島間が近いので、島で繁殖している家族群なのかもしれない。秋には今年生まれの幼鳥は親の縄張りから追い出されるはずだが、ミサゴは教育期間が長いのだろうか。連写で撮影したので、いろんな飛翔形が撮影できた。風切り羽の微妙な使い方があって興味深い。


ミサゴの飛翔形211009.jpg


島の北側の岸辺でクラゲを採取している時、クロサギが3羽、飛び出す。海上を旋回したり、磯に戻ろうとしたり、落ち着かない。おかげで、いろんな背景で撮影できた。ベストショットこそなかったが、撮影した写真の中にクロサギの排泄行為が写り込んでいた。生態写真にハマっている私としては、この1枚だけで、この日の収穫はあったと言っても過言ではない。


クロサギ排泄物の飛沫?211009.jpg


船長は、調査の途中にクラゲを採取させてもらったことを恐縮がっていたが、私はこの島近海での観察・撮影には大いに満足していたので、ノープロブレム。

波が収まらないので、島陰で停泊し、昼食・休憩となる。ニコニコ亭の弁当にホッケが入っていたことから、地元の魚を余った時は届けて、使ってもらったらどうかとか、まだ本格的なヒヨドリの渡りが見られないという話題からヒヨドリが渡る時期は、漁師の間では「アオイヨ(青魚)が固まる」といって、ナブラが頻繫に立つようになるとか、地元ならではの話に花が咲く。

お茶うけに配った「秋穂饅頭」は前日、自転車で片道40分かけて「道の駅あいお」まで行って買い求めたものである。地元の饅頭屋の話から祝い事に配られる紅白饅頭へと、お茶うけも話題提供となって、私としても自転車を踏んだかいがあった。

岸の浜やそれに続く石垣に話が移り、岸辺を見ていると、どこからかイソシギが特徴ある飛び方で飛んできて岩場に止まった。


イソシギ211009.jpg


午後の調査に向かうため島を回り込むと、前方の岩礁の上にミサゴが1羽止まっていた。

昼食中、島の尾根筋の枯れ木に止まっていた個体だろうか。近くの岩の上にいるのはカワウのようだ。船が近づくとミサゴは早々と飛んで島の方へ向かった。波もだいぶ収まってきたが、お腹が一杯になって、眠気と欠伸に悩まされる。

結局、その後もウミネコが見られただけで、カンムリには出会えなかった。船長のお客さんを蒲井と横島で拾ったが、大漁だったようである。今回も帰りの船で、「鳥は出た」と聞かれたが、何故か爽やかな気分だった。



(この調査は、セブンイ‐レブン記念財団 活動助成金、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



やっと船舶の話から脱却でき、嬉しい限りです。「連戦連敗」とか、あまりに「勝ち負け」に拘っている自分が愚かに思えて、肩の力を抜いて調査に臨むよう心がけました。それが本文の最後に書いた「何故か爽やかな気分だった」の理由ではないかと思います。

10月9日は「世界渡り鳥の日」だそうですが、私自身も未だ本格的なヒヨドリの渡りを目撃できていません。ハチクマもシギ・チドリの渡りも盛期が過ぎたようなので、これからは離島の見島辺りで頑張ってみようかと考えているところです。調査には支障がないようにしたいと思っていますので、「戦果」報告を楽しみにしていてください。


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2021年10月03日

10月のカンムリウミスズメ調査報告1

10月3日(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

連戦連敗を何とか止めようと頑張って探したのですが、カンムリを見つけることはできませんでした。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:10:00から14:28まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0



3時半ごろ目が覚めたが、起きるには早すぎるので、そのまま二度寝した。次に目が覚めたのは家を出る予定時間の20分前。大慌てで、服を着替え、持ち物を確認、何とか予定通りに家を出ることができた。

朝の食事も洗濯の早回しもできず、いつものルーティンは崩れっ放しで、脳みそも半分寝たような状態のまま上関に。お茶うけの準備がないことだけは忘れていなかったので、途中、道の駅上関海峡に寄り、饅頭を購入した。でもやっぱり、頭は回っていなかった。

いつも出港時、出発時間を確認し記憶するようにしているが、忘れたことに気づいたのは、だいぶ時間が経過してからだった。これまで帰着時間は調査疲れもあって確認忘れがあったが、出発時に忘れることはなかった。

ということもあって、最初から気持ちが凹んだまま調査に臨んだわけだが、いいことが一つあった。それは前回、八島沖で見かけた「大きな白っぽい船」の謎が解けたことである。それはたまたま出港後すぐに平郡島方面を航行中のLNG運搬船を見つけたことによる。まず、白っぽい船に見えたのは、遠かったので地球が丸いことから船体の下部が見えていないためだった。


 LNG運搬船211003.jpg


また、調べていて分かったことだが、LNG船にはタンクの方式が大きく3種類あって球形のものや四角いものなどあって、今回見つけたのは外国船籍の違うタイプのLNG船、不明の船舶は「さやえんどう型」と言われるタイプのLNG運搬船であることが分かった。

みなさんにはどうでもよいことだろうが、私は「不明」のまま置いておくのが嫌で、納得いく解答が得られるのは無上の喜びなのである。なので、LNG(液化天然ガス)とLPG(液化石油ガス)についても調べた。

そのLNG船は2隻のタグボートが水先案内のように先導する陣形でしばらく進んでいたが、沖合の航路筋辺りで1隻は引き返してきた。その後、航路筋を西に進むのかと思っていたが、どうも豊後水道を抜けるらしく直進して行った。沖では自動車運搬船も見られた。ニュースでは半導体不足で生産が落ち込んでいると報じられているが、このところ毎回目撃するのはどうしたことだろう。


調査から話がだいぶそれたので、話を戻す。朝はとても冷え込んでいたが、出港時はだいぶ気温も上がり、少し靄ってはいるものの雲一つない秋晴れ、波は結構あって、時折、飛沫浴びる状態。

沖を航行中、ナブラが立っていたので少し期待したが、八島港へ入港するまで、ウミネコすら見かけなかった。八島港では岸壁にアオサギが鎮座していて、船に驚いて飛び立つカワウが見られたものの、午前中の調査でハッキリ確認できた海鳥はこの2種のみというありさま。


アオサギ211003.jpg


これまで紹介するのを忘れていたが、ニコニコ亭の手作り弁当(*)は、味付けはもちろん、おかずの品数も申し分ない上に、値段が安いときている。それに今回はおまけで栗の乗ったおはぎがついていた。おかげで私の配ったお茶うけがかすんでしまった。

一応、お茶うけの饅頭を紹介しておくと、今回は、平生と上関にお店のある菓舗よこみちの「瀬戸内銘菓 周防みやま栗」という栗饅頭。栗はおはぎと被ったが、まずまずのクオリティに一安心。

食後、秋晴れの話から、運動会の話題に。近頃は、コロナのせいもあって、一族郎党総出の秋の一大イベントは様変わりし、参加者制限だけでなく、アルコールも厳禁だとか。「雲一つない秋晴れの下、第〇回秋季大運動会を開催します」というのが、私たちの時代は定型句だったが、小運動会とか春開催とか、学校行事もお祭りごとではなくなったようだ。晴れ着とか晴れ舞台という言葉があるように、ハレとケはハッキリ違いがないと、何か寂しい。

午後からは、少し波も収まったように思えたが、場所により違いがあるようだ。八島港を出てしばらくすると海上にウミネコの幼鳥と思われる個体が1羽浮かんでいた。


ウミネコ幼鳥211003.jpg


船が近づくとすぐに飛び去ったが、この日、ハッキリ確認できたウミネコ第1号である。その後、沖でTさんが遠くにウミネコと思われる20〜30羽の群れを見つけた。本命はカンムリ、9月の調査で1羽だけだが見つかっている海域も丁寧に見回るが姿なし。サメを目撃しただけで、とうとう、この日も私は戦果なしでの帰港となる。

港で迎えてくれたYさんから、「えらい早よう帰って来たから、カンムリが見れたのかと思うた。出んかったんなら、もう1時間くらい粘って探せいやとHTに言ったんだ」と、お叱りがあった。Yさんは、この日は遊漁のお客さんがあって、近場で釣りをしてチダイなどクラ―ボックス2杯の大漁だったそうだ。一方、こちらは坊主、何ともやりきれない。



(この調査は、セブンイ‐レブン記念財団 活動助成金、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



毎回、毎回、船舶の話ばかりで、自分でも嫌になります。連戦連敗、チームを率いる監督なら、責任を問われ退任、更迭というところでしょう。この手の調査は、こちらの努力とは関係なしに、相手次第なところがあるので、今のところ責任は問われません。個人的にはモチベーションは下がりますし、疲れも倍増ですが、これからは気候がよくなり、暑くも寒くもなく、鳥さえ出てくれれば、最高です。といっても秋は案外天気が変わりやすく、調査日和となる日が制限されます。これまでの傾向から、本格的に寒くならないと出会いは期待できないのかもしれませんが、あくまでも通年調査なので頑張るしかありません。



(*)ニコニコ亭は上関町内の弁当店。店主の愛情が込められた1食500円の内容は、日替わりで総菜の品数が多く飽きることはない。



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2021年09月29日

9月のカンムリウミスズメ調査報告6

9月29日(水)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

前日、前々日の調査で1羽ずつながら記録されているので期待したのですが、残念ながら1羽もカンムリを見つけることはできませんでした。

概況を記します。


天気:曇りのち晴れ

調査時間:9:50から15:25まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0



天気は薄曇り、そう視界は悪くないのだが、少し波があって、その波頭が黒く見え隠れするため、非常に鳥が見つけにくい海況。

それでも7月の調査以来、まったくカンムリに出会えていない私としては、何とか結果を出したいと海を見つめ続けた。しかし、時折、着水しているウミネコを見かけるだけで、カンムリはヒットしない。前回の調査で配られた豆菓子の残りが救命胴衣のポケットにあったので、ボリボリとやる。何か変化がないと集中が続かないので、助かった。

その日、船長にはクラゲを採取するという別のミッションがあって、島沿岸に船を寄せ始めた時、山中の木の枝にハヤブサらしき鳥が止まっているのを見つける。少し行き過ぎたので、船を戻してもらい、船上から撮影する。鳥の方はじっとしているのに、船が波で揺れて、なかなか画面に鳥が入らない。距離があるためズームの必要があって、よけいにファインダーの中に収めるのが難しいのだ。周りには木々があってピントも合わせずらい上に、船の揺れによるカメラの胴体ぶれと、撮影した枚数のわりに使えそうな画像は添付した2枚だけだった。


ハヤブサ210929.jpg


クラゲの方は島周辺で合わせて5個体、それも大ぶりなユウレイクラゲが採れた。なんでもクラゲはウマヅラハギ漁(籠漁)の餌で、この時期はクラゲが少なくなってきて、ウマヅラハギ漁をしている漁師さんは餌の確保に苦労されているらしい。餌のクラゲを探しにわざわざ船を出すわけにもいかないので、秋になると漁を止める漁師さんも多いとのこと。船長の息子さんがウマヅラハギ漁をされているので、調査のついでにクラゲを採取できれば、一挙両得というもの。船長は、息子は自分が何をしてやっても礼の一つもないが、このクラゲだけには、「ありがとう」と言うんだと。私も、船長に「調査、様様だね」と返す。

島を周回している時、崖からミサゴが1羽飛び出す。撮影した画像で分かったのだが、趾に魚のようなものを掴んでいたので、私たちの船の接近で食事を邪魔されたものと思われる。

他島でもミサゴが2羽、トビとともに島の上を旋回していた。こちらも撮影した画像を見て分かったことだが、1羽は換羽中の個体のようだった。添付画像の尾羽に注目してほしい。尾羽の外側の羽根が短い=新しい羽が伸びてきている? のが分かると思う。


ミサゴ換羽中?210929.jpg


磯から黒っぽい鳥が飛び出す。ウではなさそうだったが、すぐに島の裏側へ回ったので確認できなかった。後追いで撮影した画像を見ると、クロサギと分かる。

一旦、島から離れ進みかけた時、昼食は船の上で良いかと打診がある。私が船上での食事を嫌うので、みんなが心配してくれたのだ。このまま進んだら港へ着くのは1時前、懸命な決断だと考え、私も了承する。島北岸の波が穏やかな海域へ船を回し、そこで食事となる。

食事前、いつものお茶うけのお菓子を配る。先日、アカハラダカの渡りの観察に行った対馬土産の「かすまき」5個入り。調査メンバーは5人、数に問題はない。口に入らないことも想定して私は2個入りを別に購入し、既に賞味していたので、どういう状況であれ、余裕があった。「かすまき」は、「江戸時代に参勤交代から帰京した領主の無事を祝い、長旅の疲れを癒すために作られたともいわれています」と、しおりにあり、「日本ではまだ珍しかったカステラ風生地を使った菓子は非常に高価で、朝鮮交易などで栄えた当時の対馬藩の栄華をしのばせる一品」とも。

食後すぐに調査を再開。島方面へ進んでいる時、遠くに定期船いわいの姿を見つけ撮影。いくら鳥が出ないからといって、いつも船の写真ばかりではと思いつつも、結局、今回も船の写真ばかりとなる。

沖に霞んではいるが大きな白っぽい船が見える。船名が確認できず、結局、何する船か分からずじまい。他島付近では、なぶらが立っていたが、魚種については船長に聞きそびれた。


なぶらが立つ210929.jpg


既にアマツバメの姿はなく、島のてっぺんの枝にイソヒヨドリが止まっていた。帰路、柳井・平郡島間を結ぶフェリーの「へぐり」と、以前紹介したことのある海保の灯台見回り船「げんうん」を撮影。とうとうカンムリには出会えなかったが、帰港直前、スナメリの姿が見られたのはラッキーだった。



(この調査は、セブンイ‐レブン記念財団 活動助成金、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



換羽中と思われるミサゴの写真が撮れたのが、唯一の救いです。この時期、換羽するのは成鳥と思われます。幼鳥は幼綿羽等が取れ巣立ち時点で羽が生え揃っていますから、羽根の脱落や伸長中の羽根が見られることはありません。

ハチクマの成鳥・幼鳥の違いも今時期であれば、ここがポイントとなるようです。カンムリウミスズメの成鳥・幼鳥の区別のヒントになればいいのですが・・・。


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