2021年02月13日

2月のカンムリウミスズメ調査報告2

2月13日(土)

途中から雨模様となり、早めに切り上げることになりましたが、カンムリのペアも出たので、まずまずというところでしょうか。


天気:曇りのち雨

調査時間:9:32から13:47まで

調査結果:カンムリウミスズメ 6 (飛翔ペア1含む 写真でカンムリのペアであることを確認)

上記以外にウミスズメ類の飛翔個体5羽の(うち2羽は2番目に出現したペアと同一?)

ウミスズメ 24(9羽、5羽、5羽、5羽、3回出現した5羽は同一の群れと思われる)

アビ類(シロエリオオハムと思われる) 11羽(2羽、6羽、1羽、2羽)


先週はとても穏やかな海だったが、今日は結構波がありそうだ。港を出ると東からの波で服の左側がびっしょりになる。そのうち船が西向きに進み始めたので、後ろからの波となり飛沫を浴びることはなくなった。今回の調査はビデオ撮影の専門家が同乗されているが、いくらプロでもこの波ではかなり厳しいなとか思いながらも、先ずはカンムリを見つけないことには始まらない。双眼鏡をゆっくり、ゆっくり動かし、波間に消えた個体を見落とさないように注意深く探す。しかし、ウやカモメ類が時々遠くを飛んでいくのが見えるだけ。


やっと海上に浮かぶ白黒の小型の鳥を見つけたが、例のハジロカイツブリだった。しばらく進んでいると船の前方をアビ類が重そうに羽搏きながら横切る。左舷でも4羽の大型の鳥が低く飛んで行く。こちらはどうもカモの仲間のウミアイサのようだが、光線も悪く、すぐに遠くにいってしまったので断定はできない。


その後、10分もしないうちに近くにカンムリのペアが見つかる。あまり警戒心の強い個体ではなかったので、かなり近くまで寄れたが、船の上下動でなかなかファインダーの中に鳥が収まってくれない。しかも始終、顔を水中につける行動をするので、顔を上げた写真がなかなか撮れない。この2羽は綺麗な繁殖羽になりきっていない個体のようで、顔が薄汚れて見えるし冠羽も短めである。換羽には個体差があるので、どういうペアなのか分からない。イケメン状態でなくてもペアリングするということは、一旦つがい関係を結んだ2羽は毎年繁殖相手を替えないのかもしれない。いずれにしても個体識別をして繁殖生態を調べたわけではないので、まったくの素人考えに過ぎないが…。ビデオ撮影の方も何とかうまく撮れたようだ。


繁殖羽が今一つのカンムリのペア210213.jpg


それからしばらく、前回カンムリが見つかったコースをなぞるように進んでいると、3羽と2羽の飛翔個体があり、その着水地点をめざして進むも結局、分からずじまい。あきらめて早めの昼食・休憩をとるために祝島に向かっていると、すぐ目の前に2羽が浮かんでいた。どうも先ほど2羽で飛んで行ったペアだったようだ。このペアは、綺麗な繁殖羽になっており、最初に見つけたペアと比べて格段に美しい。だが、船を近づける間もなく飛び去ってしまう。


綺麗な繁殖羽になったカンムリのペア210213.jpg


祝島に入港して、定期船の船着き場や待合所が新しくなっているのに驚いた。祝島へは、これまで燃料タンクや荷揚げ装置のある港の方に船を着けていたので、まったく知らなかった。待合所で聞いたところでは一昨年完成したそうだ。堤防の縁で昼食を摂る。今日のお茶うけは、柳井駅で買った「三角餅」。購入時、気になっていたので、店員さんに「さんかくもち」それとも「みかどもち」と聞くと、古い人は「みかどもち」と言うが、若い人は「さんかくもち」と言っているとのことだった。一応、ネットで調べてみたところ、このお菓子の製造元の藤坂屋本店は現在営業しておらず、今回買った「三角餅」は。あさひ製菓が作っているものだった。詳細は分からないものの、以前、妻が柳井生まれで、柳井銘菓と言えば「三角餅」というので買って食べたことがあるが、今回食べたものとは何か違うような気がしたが、その違和感の原因がそこにあったようだ。ネットの情報では国木田独歩とのゆかりや帝の末裔が褒めたことから「みかどもち」と呼ばれるようになったとか、銘菓ならではの由来が書かれている。


昼食後、堤防前の釣り船を見ていたら、ちょうどヒラメを釣り上げたところで、こんな近くでも釣れることに驚く。後で聞いたところによると、同じく高級魚のアコウ(別名キジハタ)も釣り上げたらしい。そんな中、目の前をヒメウが飛んだようだが、私は見逃してしまった。ビデオ撮影のために乗船されていた方が、浄土真宗のお寺さんで、ひょんなことから宗教談議で盛り上がる。私も高校が仏教系の高校だったので、ついつい調子に乗って話に加わり、よけいな話をしてしまった。


午後からは、小雨も降り始めたので、いつものように沖合へは向かわず、午前中より少し沖側のコースをとって白浜港へ向かう。途中、ウミスズメの群れに出会うが、飛んでる姿を見つけるか、着水している群れを見つけても近づく間もなく、飛び去られるかで、じっくり近くでその姿を見ることはできなかった。


飛び去るウミスズメの群れ210213.jpg


午前中、見た辺りで再度、ハジロカイツブリを見つけたが、波間に見え隠れするため、結局、ピントの合った写真は撮れなかった。最後の最後にカンムリが出ることもあるので、最後まで集中を切らさず探したが、飛んで行く2羽のカンムリと思われるペアを目撃しただけだった。後で、その飛翔ペアの写真を見せてもらい、カンムリと確認できたので、本日の確認記録は3ペア6羽ということになる。


13時過ぎ頃から本降りとなったので、早めに切り上げ、白浜港に帰港する。帰港時には雨も上がっていたが、たまには早く終わるのもいい。毎週の調査は、年齢的にも堪えるので、正直ありがたかった。



(この調査は、日本自然保護協会 の助成を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2021年02月06日

2月のカンムリウミスズメ調査報告1

2月6日(土)

海上は波も穏やかで、カンムリも「大漁」、充実の一日となりました。

 天気:晴れ

調査時間:9:33から15:10まで

調査結果:カンムリウミスズメ 27 (13ペア+単独個体1、11番目と12番目に出会ったペアは11番目の飛んで行った方向で出会っていることからダブルカウントの可能性あり)

上記以外にウミスズメ類(カンムリと思われる)2羽の飛翔個体あり

ウミスズメ 25(6羽、9羽、5羽、5羽、最後の5羽は飛んで行った方向からダブルカウントの可能性あり)

アビ類(シロエリオオハムと思われる) 6羽(2羽、4羽)


前日、複数の漁師さんがカンムリを見たとの情報もあり、期待に胸を膨らませて出港。

前方に怪しい鳥影を見つけ船を進めていると、カンムリのペアだと分かる。しかし追っていたのは私の見ていたペアとは別のペアだった。追っていたペアを観察していると近くに別のペアが現れ、そのうち4羽が一緒になった。そしてしきりに鳴き声を発しだしたので、カメラを動画モードに切り替えると、途端にトーンダウン。


その後、近くの海域で次から次とペアが見つかり、見つかったペアを追っていると船の反対側に別のペアが出現するということが続いた。イワシの群れがあちこちで湧いているので、それを見つけたカンムリがこの海域に寄っているのではないか。確かに近くで小魚の群れが跳ねたり、海面が泡立ったようになったりしている。こういった現象を「ナブラ」というらしい。


小魚の群れ210206.jpg


私も長いこと調査に関わっているが、今回初めて、カンムリが魚を咥えて浮上してきたのを目撃した。


魚を咥えて浮上したカンムリ210206.jpg


その間にも二組のペアと単独個体に出会う。この時期、ペアでいるのが普通な中、1羽でいるカンムリが何故か独り身の自分とダブり、今季は繁殖に参加しない若鳥なのだろうか、今から相手を見つけるのだろうかとか、頭の中で余計な心配をしてしまう。

またカンムリのペアが見つかる。東側の海上で見つけたペアは近づく間もなく飛んで行ってしまったが、西側海上で見つけたこのペアは、強い警戒心を見せることもなく、写真を撮らせてくれた。

春先にはアビ類のよく見られる海域なので、丁寧に探したが1羽も見つからない。しかし今回は、この海域でカンムリのペアを見つけることができた。これで10組目。

進路を変え、船を進めているとカンムリのペアが見つかるが、船を寄せる前に飛ばれてしまう。かなり先まで飛んで行ったようなので、一応、どこかで着水個体と出会うかもしれないと注意深く目を凝らしていたところ、おそらく先ほどのペアと思われる2羽を見つけることができた。あまり近づかせてはくれなかったが、期待通りになったのは嬉しかった。


飛び去るカンムリ210206.jpg


(この調査は、日本自然保護協会 の助成を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。


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2021年01月31日

1月のカンムリウミスズメ調査報告2

1月31日(日)

このところ週末に天候不良となることが多かったのですが、ピンポイントで調査日和に恵まれ、何とか実施することができました。

天気:晴れ

調査時間:9:25から15:15頃まで

調査結果:カンムリウミスズメ 10 (2羽の飛翔個体を含む。内2ペア4羽は同一海域での目撃であることからダブルカウントの可能性あり)

ウミスズメ 29(7羽、6羽、16羽、どの群れも双眼鏡でウミスズメであることを確認)

アビ類(シロエリオオハムと思われる) 4羽(内1羽は飛翔個体、もう1羽は傷死体で海上を浮遊)


白浜港を出てすぐ、「あ、いた!」の声。双眼鏡で確認するとハジロカイツブリと分かるが、鳥の名前が出てこない。大きさ的にはカイツブリより少し大きい鳥だが模様が確かにカンムリウミスズメのように白黒で見慣れていない人には紛らわしいのだろう。

ハジロカイツブリは川の河口や沿岸域、海に近い池などで見られるカイツブリの仲間で冬季に渡ってくる。カンムリカイツブリほど大きくないし、沖合にいる鳥ではないので、これまでの海上調査では記録はないと思う。平生湾辺りでは時々見かけることがあるが、余りメジャーな鳥ではないので、みんな気づかないのだろう。ほんと近頃は、鳥の名前がサッと出てこないことがよくある。情けないが、年齢相応ということか。

沖を進んでいると以前にも紹介した柳井火力発電所に運ばれるLNG(液化天然ガス)の運搬船が6隻の随伴船を従えて航行しているのに出会う。逆光の中撮影した画像で何とか読み取ることができた船名(GRAND ANIVA)で調べると、やはりロシアのサハリンからLNGを運んできた船と分かる。三菱重工長崎造船所で建造された船のようで12万3千トン、日本郵船とロシア国営のソブコムプロット社出資の共有船とのこと。煙突にサハリンの図柄が描かれているらしいが、光線が悪く画像からも確認できなかった。

島方面へ船が進んでいる時、ウミスズメと思われる群れが沖合へ飛んで行くのを見つける。双眼鏡で行方を追っていると視界から消えたので、着水したようだ。しばらく群れが飛んで行った方向へ船を進めていると、波間に見え隠れする鳥が見つかる。前回の調査ではウミスズメをハッキリ確認できなかったので、今回は撮影は諦め、種の確認に徹する。ウミスズメの冬羽であることが確認できたので、カメラを用意するが、すぐに飛び去ってしまった。7羽の群れだった。


その後、また、別の着水している群れが見つかる。今度は6羽、ウミスズメと確認できたが、やはりすぐに飛び去る。何とか飛翔写真を撮ることができた。


ウミスズメの群れ210131.jpg


ウミスズメが多いときは、カンムリが出ないというジンクスもあるので、不安がよぎる。ウミスズメは環境省のレッドリストではカンムリウミスズメより危険度のランクが高い絶滅危惧TA類に指定されている。冬季には群れが見られるものの、国内での繁殖個体数が減少していることからそうなっているようである。世界的にみれば、カンムリウミスズメに比べ、分布域が広く、個体数も多いので種としての絶滅の可能性は低い。いずれにしてもウミスズメも希少種なので、今後ともカンムリウミスズメ同様、観察記録を取っていきたい。

11時20分過ぎ、カンムリのペアが見つかり、撮影する。前日までの強風の影響で、うねりがあって、なかなか鳥をファインダーに捕えづらい。シャッターを切っても鳥が波間に消えていたり、船の揺れで鳥が画面の上になったり下になったり、ピントもなかなか合わず苦労する。海面しか映っていない画像をこれほど多く撮ったことも珍しい。

島の手前で進路を北にとり、しばらく進んでいると前方に2羽のカンムリを見つける。船を近づけようと進めていると右舷に別のペアが見つかり、結局、そのペアを撮影。2羽がいい感じで寄り添うような写真が撮れない。


カンムリウミスズメ210131.jpg


録撮影を済ませ、進んでいると海面に鳥が浮かんでいるのを発見する。そういえば前方にいたカンムリのペアの後方にビニール袋のようなものが見えていたが、その物体がこれだったようだ。アビ類の傷死体で、個人的には回収し計測等したかったのだが、船長さんから船に上げないでと釘をさされたので、あきらめざるを得なかった。一応、現状のまま写真撮影し、船を寄せてもらい鉤竿でひっくり返して上面の写真も撮っておいた。つつかれた様子もなく死んでからそう時間が経っていないと思われた。自然界には掃除屋(スカベンジャー)がいるので、死体がいつまでもあるわけではない。そういった意味では、貴重な出会いと言ってもよい。

しばらく西向きに走って折り返し、再度、島に向かう。12時を少し回った頃、飛んで行く2羽と着水しているペアを見つけたが、11時40分過ぎに立て続けに見つけたペアのいた海域と近いので同一ペアかもしれない。


カンムリウミスズメ210131_2.jpg


昼を少し下がったが、入港し昼食・休憩。前回の調査が急に決まったので、お茶うけを用意できなかったが、今回はこの間、鳥見がてらのドライブで行った先の土産の「角島まんじゅう」と「源氏巻」を配った。午後からは、波もだいぶ収まり、見通しもきくようになったが、結局、カンムリは見つからず、16羽のウミスズメの群れとシロエリオオハムと思われる2羽を帰路で見つけただけだった。島の磯でYさんのお客さんを二人回収し、調査終了となる。


(この調査は、日本自然保護協会 の助成を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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