2021年10月05日

10月5日 田ノ浦座り込み抗議行動報告 4日目

10/5 田ノ浦座り込み抗議行動報告


昨夜、今日のボーリング調査準備作業開始は10:00からと連絡が入ったので10:00に浜に下りる。


中電側はいつもの3隻に加えもう1隻増えている。双眼鏡で確認すると中電の作業着ではないライフジャケットを着た人影が見える。

どうやらダイバーを待機させているらしい。

かなり沖合いに黒っぽい船がこちらを向いているので釣り船だろうと念のため望遠カメラのシャッターを切る。

拡大画面を見ると何と海上保安庁のタグボートではないか!


海保タグボート211005.jpg


「タグボートなんか出動させるなんてキナ臭いね!そんな状況でも無いのに」と話していると、祝島と田ノ浦中間地点辺りに西から真っ白い船が現れる。

一目で海保の巡視艇とわかる。船名から徳山海上保安部所属の巡視艇であることがわかる。


海保巡視艇211005.jpg


時を同じくして背後の山の尾根伝いにバリバリと大音響で低空飛行のヘリコプターが現れた。

「マスコミかね?絶対、ここ狙いよね!」とカメラを向けた。

拡大すると、何と機体真ん中に日の丸と「JAPAN COAST GUARD」の文字、尾翼には「海上保安庁」とある。


海保ヘリ211005.jpg


何のために、どこから要請があって出動しているのか?中電が要請したのか?それなら、言動不一致も甚だしい。


今回のボーリング調査着手にあたり、中電は「祝島の皆さんのご理解を得ずに強行することは致しません。現場に船が1隻たりともいる場合は強行しません。」とマスコミの前で堂々と言ってのけたではないか!!


ヘリコプターは田ノ浦上空を2周すると西側尾根に消えた。タグボートは10:40頃に引き上げた。

海保まで呼んだということは、今日はかなり強硬姿勢で来る気かなと見ていると、指令船が祝島船団の真ん中に入り込み、すぐ後ろにダイバー船が付いて来た。

祝島の船が指令船とダイバー船の間に位置を取ったのでダイバー船もそれ以上近付くことはなかった。


同じようなやり取りが12:00過ぎまで続き、海上も陸上も昼食休憩となった。

13:00頃、指令船が祝島船団に接近したので、午後の作業再開だなと見ていると、祝島の船がこちらに近寄って来る。

今日の作業は終了と通告してきたそうだ。

明日も作業をするかもしれないと含みのある言い回しもしたと言う。


夕方、祝島の方から明日の準備作業は中止との連絡が入った。

海面占用許可は明日で自動的に期限切れとなる。

また、いつ再申請をして来るかわからない。

私たちの闘いはまだまだ続く。




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2021年10月04日

10月4日 田ノ浦座り込み抗議行動報告 3日目

10月4日 田ノ浦座り込み抗議行動報告


2日の土曜日もボーリング調査準備作業は行われたが、私たちは当初から予定していたオオミズナギドリ繁殖地調査に出掛けたので、抗議行動は残念ながら参加出来なかった。


4日の作業開始は13:00からということで早昼をすませ、田ノ浦に向かう。

田ノ浦の浜に下りる里道は約1.8km。


下に向かって右側は反対派の共有地。左側は中電の取得地。中電の土地は頑丈なフェンスを巡らし「危険!立入禁止」の厳めしい札が、こちらを睨みつける。

対する反対派の土地は「中電に土地は渡さないゾ!」と祝島やそれを支援する人たちがお金を出し合い買い取られた共有地である。


里道211004.jpg


そして立木には今では剥げかかった木の札が取り付けてある。立木トラストの取り組み1である。もし、仮に中電が何らかの方法で共有地を手に入れたとしても、立木の所有者の同意なしに無断で木を伐ることは出来ない。所有者が多ければ多い程、居住地がばらばらであればある程、同意を得る手続きに手間と時間がかかる。金と権力の無い市民が何とか原発計画を先伸ばししようと編み出された抵抗手段である。


立木トラスト211004.jpg


確か1996年だったと思うが、祝島の皆さんと木に札をかけ、その写真を持ち主に送る取り組みに参加したことがある。下草刈りをしながら、現地に群生しているサルトリイバラの葉を使った母の手作りの柏餅を差し入れた。お礼に祝島のビワ茶を頂き物々交換だね!と笑いあったのは懐かしい思い出である。


共有地にはカクレミノという常緑樹が生えている。1本の樹なのに葉先が3つや5つに別れたり、1つだったり、姿も面白い。その幹を良く見ると黒光りするねばねばの樹液が流れ出している。


カクレミノ樹液211004.jpg


タテジマカミキリというカクレミノに寄生する昆虫が樹液を吸うために付けた疵から流れ出しているのだそうだ。上関の自然を守る会で植物観察会を行った際に生態学の先生方からこの樹液が「金の漆」として朝鮮半島や中国で珍重されていた記録があると教わった。サビ止めにもなるので刀のつかにも利用されたらしい。いつか、工芸品として上関の町おこしに活用できたら良いですねと先生方と話している。


浜に下りると、いつもの光景だ。

中電の船3隻と祝島の船が対峙している。

説得船が祝島の船の間を順番に廻って行く。

見守っている私たちの上空に2つの陰がサッと横切った。ミサゴだ!しかも今日は連れ添うようにぐるっと上空を旋回すると尾根筋を越え飛び去った。つがいなのか?昨日は1羽だったが、夫婦で様子を見に来たのかもしれない。

すると目の前でボラが1mばかり跳び跳ねた。

魚なのに見事なジャンプ力である。なぶら(群れ)が入っているらしい。あちこち2~3箇所でジャンプが見られた。


ボラと言えば、ある時カンムリウミスズメ調査の途中でボラの連続ジャンプに遭遇した。漁師さんが「何でボラが跳ねるか知っとるかね?」と真顔で聞いて来た。

「群れの先遣隊長?」

「群れの中でのリーダー争い?」

私たちはいろんな説を展開する。

にっこり笑って漁師さんが出した答えは?

「ある時ボラの若衆が親に呼ばれてオコゼの娘と結婚しろと言われたんよ。あんな怖い顔の嫁を貰うくらいなら、空に身を投げて死ぬ!!と飛び出したんよ。」

「?!」

私たちは一瞬言葉を失ったが、後で笑い転げた。その漁師さん説に従うと今日は意に染まぬ結婚を迫られたボラが大勢いるのだろうか?


そんなことを思いながら、海と共に暮らして来た人々の海への愛と漁師文化を思う。

それに比して眼前の中電の船の何と無機質的なことか!!海に根差した暮らしも人々の繋がりも文化も平然と根こそぎ奪おうとしている。その痛みを微塵も感じていないからこそ、平気で祝島の船にペコペコ頭を下げることが出来るのだ。

15:50。やっと今日の作業中止を伝える指令船が動いた。

明日も頑張ろう!




1)立ち木トラスト運動

原発建設予定地内の反対派の共有地にある“立ち木”を賛同者が買い取り、木に名札を付けて「立ち木権」を主張し建設を阻止する。

19964月、田ノ浦地区の立ち木に450本、10月に各地の立ち木600本、19974月に田ノ浦の立ち木300本の名札を付け、原発反対運動においては初の試みであった。

[出典]

山戸貞夫著 『祝島のたたかい』上関原発反対運動史 岩波書店 2013年 

     「祝島反原発の40年」 祝島資料室 2021年 




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2021年10月01日

10月1日 田ノ浦座り込み抗議行動報告 1日目

10月1日 田ノ浦座り込み抗議行動報告


9月30日に突然、中電がボーリング調査準備作業を再開すると連絡が入った。

なぜ、今この時期に?

連絡してくれた方も合点が行かないようだ。


6月に始まった今回のボーリング調査は異例ずくめだ。

まず、ボーリング地点を確定する準備作業は海面占用許可がなくても出来ると6/29から開始したこと。

過去2回は出て来なかった主張を持ち出しての強行である。

次が工事期間に対する対応だ。


7月16日に準備工事を中断したまま、中電は完了に必要と彼らが過去言って来た50日?を切っても海面占用許可申請取り下げをしなかった

公の海を特定の目的のために占用するのだから、着手完了の見込みが立たない場合は「ご迷惑をおかけしました」と早急に取り下げるのが、企業モラルではないのか?

例えば道路工事のために業者が公道を占用する場合、工事をしない場合はちゃんと「解除中」とラベルを貼り、通行車両に迷惑のかからぬように配慮している。

私たちは県議会でも山口県に対し取り下げるように勧告すべきではないかと質問してもらった。

ところが、山口県の回答は「事業者の判断によるもの」という相も変わらず主体性の全く無いものであった。

申請を出しっぱなしの事業者、許可を出しっぱなしの行政と両者馴れ合いの怠慢に本当に腹が立つ。


この海域で漁業を営んだり、利用する人たちへの配慮は微塵も無い


浜に下りると、中電の船3隻に祝島の船10隻程が対峙している。


中電に対峙する祝島の漁船211001.jpg


今までと違うのは指令船がしばしば祝島船団に近付いて何か話しかけているようだ。

これ迄は指令船は最初と最後に出てくるだけで祝島の船とのやり取りは主に説得船が担っていた。今回は指令船と説得船が交互に出て来る感じである。説得の内容については後日報告があるだろう。


今日の田ノ浦は秋晴れで、浜を吹きすぎる風が心地良い。中電だけでなく熱中症との闘いでもあった7月に比べるとずいぶん楽である。

同じやり取りが繰り返されるのを見守っていると、上空でピーというような甲高い声がする。

ミサゴだ!


ミサゴ211001.jpg


尾根筋を旋回するのを追っていくと、何と近くの見晴らしの良い木の枝に止まったではないか!

まるで中電の船に睨みを利かすかのようにそちらをじっいーと見据えている。


確かに彼らにとっても、死活問題である。

昨年も今年も繁殖を確認した。

ところが目と鼻の先の田ノ浦が埋め立てられ、巨大な人口構造物が建ったら?彼らは果たして子育てを続けることが出来るのか?

そんなことを考えていた矢先、突如頭を低く下げ前傾姿勢を取ると海面めがけてサッとダイビングしたではないか!慌ててシャッターを切ったが、時すでに遅し。映像として残ったのは海面すれすれに飛び去る姿だった。

狩りには失敗したようで元の枝に戻り、しきりに羽繕いをしている。


ミサゴ毛繕い? 211001.jpg


私にはミサゴが身を以て、ここが彼らの漁場であり、生命をつなぐ場であることを示してくれたように見えた。

そして「私たちの声を届けて!」と言わんばかりにカメラ下手な私のために様々なポーズを小一時間見せてくれたのである。

私としては、とっておきの2枚をアップしておく。

昼食後も指令船と説得船が代わる代わる祝島の船に近付き話しかけるというやり取りが続いた。

15時30分工事終了。

駐車場までの道を登って行くと、大きなキノコがにょっきり顔を出し、里山の秋の訪れを告げていた。





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