2022年11月05日

22年11月のカンムリウミスズメ調査報告1

11月5日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

今回も、カンムリを見つけることはできませんでした。このところ連戦連敗です。

概況を記します。


天気:晴れ(お昼前後に一時曇る)

調査時間:9:35から13:37まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0


Toさんが久しぶりの参加だったこともあって、船長さんも「今日は何とかカンムリを見つけたい」と、出発前から張り切っている。私もこのところ連戦連敗なので、何とか見つけてやるぞと気合を入れ直す。確かに例年、夏を過ぎると必ずと言っていいほど出現頻度が下がる。とはいえ、昨年は11月中旬に二桁のカンムリを記録しているし、一昨年も下旬だが、出現記録があり、まったく可能性がないわけではない。運を持っているToさんの参加で、船長さんが期待したのも分かる。調査に直接関わるミッションではないが、船長さんから船に備えた携帯灰皿が壊れたという話を聞いていたので、出港前、船長さんに持参した灰皿を手渡した。

船が港を出てすぐは、強風注意報が出ている割には穏やかな海なので意外に感じていたが、少し進むとそれなりにという感じになってきた。蒲井沖辺りから船の上下動が激しくなり始め、双眼鏡で遠望するような状況ではなくなる。一応、乗船前、合羽の上下を着こみ、準備はしていたので、少々の波しぶきには耐えられるはずだ。出港後から随分、地寄りを進むんだなと思っていたが、波のせいでいつものように沖合へ一気に進めないのだろう。見た目には白波が立っているわけでもなく、確かに風は吹いているものの、陸で生活している者には海上のことは分からないことが多い。

鳥の方は、出港後すぐに磯に佇むアオサギを1羽と上空を舞うウミネコが1羽、やっと天田島の上空に2羽のトビが見られたのみ。

島を過ぎ、岩場で休んでいるカモメ類の群が遠くに見えたが、ピンボケの画像でウミネコの群にセグロカモメが混ざっているのがかろうじて確認できた。


20221105kamome01.JPG


そのまま進むと思いきや、いきなりの方向転換、今度は沖合へ進み始める。そうか斜め後ろからの波に乗って進み、後ろからの波で八島方面へ行こうとしているのか。この日のコース取りは全く読めなかったが、少しばかり船長さんの意図が分かった気がした。

途中、船長さんが遠くを飛ぶ鳥を見つけたが、私たちは確認できなかった。かなり大きい鳥だったとのことなので、ウかカモの仲間だったのかもしれない。しかし、しばらく沖合を進んだところでUターン。私の予想では後ろからの波に乗ったまま進み、八島の東側の海域、つまり風の当たらない側まで行くのだろうという考えが、またまた裏切られたのである。後で船長さんに聞くと、八島の南端辺りが相当荒れており、無理をするより、早めに方向転換し、少しでも皆が飛沫を浴びないように走ったのだそうだ。

と言っても、今度は正面からの波と風をまともに受けるわけで、顔を正面に向け続けることができず、右舷を何とか見落としないように見て、波の加減を見ながら左舷側を時々見回した。それでも眼鏡に飛沫がかかる。前回は擬態語を使い、「ゆっさ、ゆっさ、どんぶらこ」という感じ、と表現したが、今回の波は、いい擬態語を見つけられないので擬音語で。「バシャ、バシャ、バーン、バーン」(バシャ、バシャは波の音、バーン、バーンは船底が海面を打つ音)が、いつまで続くのか。

そんな中、波しぶきの中に一瞬、虹ができるのを見ながら、そう言えば、先日乗った見島航路の定期船でもデッキの窓に降りかかる飛沫で虹ができていたことを思い出した。それを何とか写真に写そうと揺れるデッキで悪戦苦闘したものの、結局ものにできなかった。大きな船でも難しいのに漁船でチャレンジできるわけがない。動画を回して、そこから静止画を得るという方法も考えてみたが、バッグからカメラを出せる状況ではなく、話のネタに使うことだけで我慢することにした。つまらないことを考えている間に体が冷えてきて、“Nature calls me!”状態に陥る。

周りを見ても、まだどの島も遠い。やっと船の向きが変わり、だんだん天田島が近づいてきた。すれ違った貨物船のブリッジ下に「安全第一」の文字が見える。船長さんのコース取りもこういうことかと、妙に納得。島の東側へ入って昼食かと思っていると、またしても方向転換、沖合よりはましだが、正面からの波を受けながら、鼻繰島の南岸沖合まで進む。

近くに設置された中電のブイにウミネコが止まっている。決して穏やかな海域とは言えないまでも、さきほどまでよりまし。そこで停船し、昼食・休憩となる。いつものように弁当の写真を1枚撮って昼食に。食事中の話題は、先日、船長さんが参加したパタゴニア主催の「勉強会」について。話はすぐに脱線してパチンコの話へ。船長さんの名誉のために、海の天気や風、波の予想の仕方について、風上の雲の様子を見て判断するといったまじめな話もあったことも付け加えておきたい。お茶うけに、道の駅で買った「祝島特産 よもぎまんじゅう」を配る。1パックだけ100円引きになっていたものがあり、消費期限が5日だったので買った。賞味ではなく消費期限だが、何の問題もなかったし、いつものように美味しかった。

船はアンカーを打って停泊したわけではないので、いつの間にか随分、天田島側に流されていた。近くにあった中電のブイを見て、ちょっと驚いた。ブイには「中電上関原発」と書かれていたからだ。これまで中電や推進派は原発とは言わず、原電と言っていたからだ。随分前から国も原発と言っているし、「宗旨替え」したのかもしれない。こうした短縮形はマクドナルドを関東はマック、関西はマクドというように地域的に違いがあったりする。でも、かつては「原発」と言う人と「原電」と言う人では、まったく立場が違っていた。どうでもよいことだが、違和感を感じたので、触れさせてもらった。

停船前から雲が多くなり、風も冷たく、ついこの前まで船を止めると暑い、暑いと言っていたのが嘘のようで、船長さんも、これからは冷たい弁当を食べる季節になってきたと、しみじみと言っておられたが、本当に季節の移ろいを感じる。

午後からは一体、どんなコースをとるのか、果たしてカンムリとの出会いはあるのか、そんな思いで調査再開。島が近づいた時、島の方から海上へ大きな鳥が飛び出した。トビ?、双眼鏡で確認するとミサゴだった。海面近くに突っ込んだ後、見失う。

島の風の当たらない側で小さなボートで釣りをしている人の直ぐ傍に着水して様子を窺っているウミネコを見つけ撮影する。ウミネコか〜などとは言っていられない事情がこちらにはある。沖合へ向け進んでいると船の周りを何度もウミネコが旋回する。


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おかしいなと思っていると、Toさんが、「こうすると飛んでくるんです」と言って、腕をグルグル回すと、確かに近くにやってくる。船から釣り人が捨てる魚を拾うことを「学習」していて、人の動きを見ているようだ。Toさんも最初は何気なく腕を回しただけだったのかもしれない。それを目ざとく見つけて、やってきたのだろう。Toさんも腕回しが鳥への誘因となっていることに気づくところが素晴らしい。そのうち、もう一羽、近くに飛んで来た。慌ててシャッターを切った写真を見ると、後からの1羽はセグロカモメであった。


20221105skamome01.JPG


Toさんに今のはセグロカモメだったよと伝えると、確かに大きかったと返事が返ってくる。その後も、波間を懸命に探したが、ついにカンムリを見つけることはできなかった。波や風の収まる気配がなく、船長さんの判断で早めの調査終了となる。




(この調査は、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。




posted by Sunameri at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 調査報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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