烏(からす)の行水
入浴時間が短いことを「烏の行水」と言いますが、カラスの行水(水浴び)を見た方は少ないのではないかと思います。それは水浴び行動が短時間であることや近くに人がいるような状況では見せない行動だからです。
動物は水浴びにかぎらず、敵(捕食者)への警戒が緩む行動には余り時間をかけませんし、採食(食事)中でも周囲への警戒は怠りません。
鳥の水浴び自体は、体、とくに羽毛の汚れを落とすために欠かせない行動です。鳥の「浴び」は、水浴び以外に砂浴びや煙浴、蟻浴などが知られています。
個人的にはスズメやヒバリ、キジバトの砂浴びは見たことがありますが、煙浴や蟻浴については知識として知っているだけで、見たことはありません。
岩場で羽を広げて乾かしているカワウ
や羽を半広げして休んでいるアオサギの行動
は、日光浴という範疇の浴びに入ります。
いずれも周囲の安全が担保されて中での行動なので、運よくそうした光景に出会えた時は、鳥を驚かさず、そっと見せてもらいましょう。
因みに私は、入浴に関しては「烏の行水」派です。といって、取り立てて綺麗好きでもありませんが、「男やもめに蛆がわく」というほどではありません。「烏の行水」の対義語は「垢も身の内」だそうです。いずれも「使い方には注意」とありました。