9月24日 カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。
台風14号が吹き荒れ15号も控えている中でピンポイントの調査でした。
概要を報告します。
天気:晴れ
調査時間:10:28から14:44まで
調査結果 カンムリウミスズメ 1羽
シギ類飛翔 4羽
ミサゴ 1羽
アオサギ 3羽飛翔
ウミネコ 100数羽
10:08 白浜港出発。途中、ウミネコを4ヶ所で計6羽(成鳥4羽幼鳥2羽)。
11:07〜11:10 カンムリウミスズメ非生殖羽個体1羽。
11:12 島の北東側岩礁上にウミネコ11羽(成鳥8羽幼鳥3羽)。
11:24 上空にトビ1羽。
11:42〜11:48 祝島の南東海上にウミネコ約90羽が広く散開する。
12:02〜12:08 餌をつかんで飛ぶミサゴ1羽、
アオサギ3羽の飛び立ち、ウ類1羽の飛び立ち、イソヒヨドリ1羽のソング1)を観察。
12:08〜12:51 昼食。その後、途中でウミネコを2ヶ所で計2羽飛翔。
13:31 シギ類4羽飛翔。その後、途中でウミネコ成鳥1羽飛翔。
14:44 白浜港到着。
船上で昼食を摂りながら会話がはずんだがTさんから2つのことを学んだ。
その一つは宮崎・高知県沖で繁殖したカンムリウミスズメは個体例が少なく全部?ではないが、装着したロガーを回収すると夏場は大きく二つのエリア
@北海道沖・沿海州グループとA朝鮮半島近くに移動していることが分かった。したがってこの時期、非繁殖羽の確認はまれであるが、上関では毎年確認でき、1年間を通して換羽の変化を見ることが出来る。カンムリの生態系を知るうえで貴重な場所である。
そして箕輪義隆著の「新海鳥ハンドブック」2)を開いてくれた。
カンムリウミスズメのページでは1年間見ることが出来る地点として上関町周辺が緑で著色してあった。これまで地道な調査に参加した一員?として、その成果が反映されており感慨深かった。その二つ目は繁殖地調査について話がはずんだ。
今日の調査メンバーはたまたま4月に実施されたスポットライトサーベイと同メンバーで何とか繁殖地を見つける方法はないか。そのためには人手もお金も必要だし今後の検討課題となった。
私は繁殖地が身近に見つかれば、いつでもカンムリに会えるし、すごいことだと思っていたが、Tさんは「繁殖地が見つかれば、ネズミ、カラスなど天敵からカンムリを保護できる。」と一言。この言葉に自分の中で全く保護の観点が欠落していたことを痛感。
(この調査は、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金を受けて行いました。 敬称略:五十音順)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。
1) さえずり
2)「新海鳥ハンドブック」箕輪義隆著 小田谷嘉弥監修 2020年