2021年08月28日

8月のカンムリウミスズメ調査報告2

8月28日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

長雨が続き、やっと天気が回復、厳しい暑さの中を頑張って探したのですが、カンムリを見つけることはできませんでした。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:9:30から15:00まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0


前回の調査がゼロだったので、何とか見つけてやろうと、海上を丁寧に見回す。海は穏やかなので、遠くまで見通しがきき、いれば見落とすことはない。行けども行けども時折、ウミネコらしきカモメ類の飛ぶ姿や海上に浮かんでいる姿が見られるだけで、カンムリはヒットしない。海上には釣り船が10艘程度見られたが、こちらも余り釣果が上がっているようには見えなかった。

カンムリが出なかった時のネタに風景写真を撮るが、最初から弱気になっている自分が嫌になる。前回と同じ海域でツバメが2羽、海上を飛んでいるのを見つけた。だが今回も飛んで行った方角は分からずじまいだった。

双眼鏡で四国の佐田岬半島を見ると山の上に風力発電の風車が多数立っているのが確認できたので、何基あるのか数えてみた。船の揺れと霞んでいるのとで正確な数は分からないものの50基はゆうにあるようだった(伊方町のホームページによると総数は57基)。

鳥が出ないとはいえ、鳥探し以外のことに注力している自分が情けない。その後、船を地寄りに走らせていると放水銃を備えたタグボートが水しぶきを上げて進んでくる。これまでも柳井火力発電所に向かうLNG運搬船の随行航行は見たことがあるが、今日は単独航行だった。

八島港へ入港前、ブイで休んでいるウミネコを写す。


ブイで休むウミネコ210828.jpg


昼食休憩で立ち寄った八島では、前日地元で買い求めた「パイ饅頭」を配る。洋風の饅頭には抵抗のある私でも案外さっぱりしていて、美味しく頂けた。滞在は30分もいたかどうかで、再び、乗船。

久しぶりに裏側を見回った。カンムリが割とよく出た時期もあったので、期待したがサッパリ。潮目ができたところでは、アカエリヒレアシシギを期待したが、こちらもダメ。

結局、沖合を航行する自動車運搬船の撮影と伊方原発の写真を写したのみ。

この自動車運搬船は鰹、船三井(MOL)のAZUL ACEという今年の5月に就航した「次世代型自動車船FLEXIEシリーズ」船で、小型車換算で6800台一度に輸送可能とのこと。


自動車運搬船  AZUL ACE210828.jpg


八島の一部はこの伊方原発の30キロ圏内に入っている。


八島の南方に四国電力の伊方原発が見える210828.jpg


再び沖合を航行している時、船長が海面すれすれを飛ぶ鳥を見つける。飛び方からウミスズメ類ではない。どうもシギのようだが、体型からアカエリヒレアシシギではない。私の見立てではキアシシギのように思えたが、遠かったし、写真も撮れていないので、シギSPとするしかない。

帰路、船長の瀬渡しのお客さんを蒲井と横島で拾ったが、蒲井沖ではスナメリが数頭見られ、横島ではウミネコのほかトビやミサゴが見られ、最後にちょっとお得感が得られての帰港となる。このトビ、撮影した画像を確認していると、飛びながら頭掻きをしているのが写り込んでいた。これまでいろんな鳥の頭かきシーンを撮影しているが、空中での行動ははじめてのこと。私としては、カンムリの撮影以上に貴重な写真が撮れて大満足。トビか〜と、通常なら、まず撮影しないが、海鳥が出なかったことが幸いして、好結果を生んだ。「瓢箪から駒」ということか。



(この調査は、セブンイ‐レブン記念財団 活動助成金、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。




「調査なのでゼロも大事な記録」と前回書きました。分かっていても、1羽も見つけられないのは、やはりつらいです。

帰りの列車の中で、ちょっとした発見がありました。ちょうど読み始めた本(『鳥の渡りの生態学』樋口広芳編 東京大学出版会)の第2章タカの渡りの中の「ハチクマの渡り」の項で、衛星追跡で分かった変わった渡りをした例として大分県の国東半島から中国地方へ移動した個体の経路図が載っていて、それが今年5月23日に宇和島で観察したハチクマの渡りのコースと瓜二つだったのです。ハチクマは、渡りのコースが春と秋では、大きく違っていることが衛星追跡による研究で分かってきました。秋は本州から九州へ向かい、九州西部の五島列島辺りから東シナ海を超えて中国大陸へ入り、さらに南下して、インドシナ半島、マレー半島を経由してスマトラ島に至る。その後、二つに分かれ、一方はボルネオ島やフィリピン南部の島々に、もう一方はジャワ島、小スンダ列島、ティモール島で渡りを終えるようです。春は、マレー半島北部までは秋の経路をたどるように移動しますが、その後は中国国内を秋より北側を移動して、朝鮮半島北部まで進み、そこで進路を南向きに変え、朝鮮半島を南下、朝鮮海峡・対馬海峡を越えて九州北部に入り、ここから東に移動し本州に入るらしいのです。私は萩市の見島で春の渡りを観察した経験がありますから、コースの幅や経路はその時の気象条件にも左右されるでしょうから、大まかな経路と考えた方がいいでしょう。このハチクマの渡りの春と秋での違いは、春は東シナ海の風が秋ほど安定していなことが関係しているとされています。秋には上関でもハチクマの渡りは観察できますが、春に宇和島の海上でハチクマを見た時には正直驚きました。その時の風向きなどは調べれば分かるのでしょうが、レアケースとはいえ、そうそう経験できることではないでしょう。調査に感謝、感謝です。

鳥に興味のない方には、どうでもよいことかもしれませんが、衛星追跡の結果が目視観察でも裏付けられたのですから、「大発見」といっても過言ではありません。少し、大げさですが・・・。



posted by Sunameri at 00:00| Comment(0) | 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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