2020年12月06日

12月のカンムリウミスズメ調査報告1

12月6日(日)

前回の調査結果がよかったので期待したのですが、海上では海鳥類がほとんど見られず、諦めかけていた最後の最後で1羽を見つけ、安堵しました。


天気:晴れ

調査時間:9:30から15:00頃まで

調査結果:カンムリウミスズメ 1


YさんやHTさんたちに憂い事が生じたとのことで、急遽、KTくんの船での調査となる。KTくんは、長年、調査の船を出してくれていたK船長の息子さんで、これまで何度も調査に協力してくれており、船長さんであるだけでなく、目もよく、強力な助っ人でもある。

出港後、船を走らせていると、随伴船を従えた大きな船が前方に現れる。船が大きいだけでなく前後左右に隊列を組んでいるので、通り過ぎるのを待つしかない。この大きな船はLNG(液化天然ガス)を運んでいるらしく、どおりで随伴船は放水銃を装備した消防艇が取り囲んでいたのだ。Rさんが船体にAMUR RIVERと書いてあるのでロシアからの船のようだが、どこに入港するのだろうかと聞いてきたので、私は柳井の火力発電所の燃料じゃない?と答えるが、Rさんから火力発電は石炭じゃないのと言われ、その時は確信が持てなかった。(帰りの車から発電所近くに停泊しているのを確認。調べてみると「柳井火力発電所は環境にやさしいLNG(液化天然ガス)を燃料とした,出力140万kWの中国電力で最大の出力を持つ火力発電所です」と中国電力のホームページにあった)どうもサハリン辺りから運んできたようだ。報告書のネタに一応写真は撮ったが、カンムリが出なくて本当にこれが重要な「埋め草」になってほしくないなどと思いながら、海上を見回す。


LNGガス運搬船AMUR RIVER201206.jpg


進路を変え、前回、カンムリが観察された海域を回るも、ウミネコと思われるカモメ類が1羽飛ぶのを見ただけで、ウミネコの群れすら見られない。昼食休憩のため、八島へ上陸したが、防波堤にセグロカモメが1羽とカワウの若い個体が1羽いただけで、ここでもカモメ類が少ない。湾内に赤潮がいくらか見られ、こうしたことが影響しているのだろうかという話になる。確かに海水温は魚類に影響を与えることは確かだが、何故、そうしたことが起きるのか、エルニーニョやラニーニャ現象の影響もあり、単純に気候変動=温暖化に結びつけられない問題でもある。昼食時に私の地元のお菓子である「銭の菓子(最中)」を配る。和同開珎をかたどった地元鋳銭司の代表銘菓であるが、県内でもあまり知名度は高くなく、最中特有の口に引っ付く、粉がこぼれるなど、ありがたい菓子とは言い難い。

午後から再度、船を進め、沖で折り返し、一向に鳥の気配がない。途中、水産庁の船舶(調べたところ漁業取締船の白鷺という船だった)が高速で通り過ぎたので撮影する。帰港コースに入った矢先、Mさんの叫び声が聞こえたので、振り向くと、船の右舷に1羽でいるカンムリが確認できた。

カンムリウミスズメ211206.jpg

この個体、潜ってばかりで、どんどん船から離れていく、随分距離があるのに、息継ぎに頭を上げるだけで、ほとんど姿をあらわさない。こんなに警戒する個体も珍しい。

カンムリウミスズメ211206_2.jpg

そのうち見失ったが、やはりKTくんは目がいい。私の10倍の双眼鏡でやっと分かるくらい距離があるのに、難なく見つけ、あそこにいると。少し遠回りになるが大回りで帰るコースに変更。しばらく進んだところで、さっきのカンムリに出会う。遠くにいる時は、潜ることもなく、羽搏いたり、リラックスしている様子を見せていたのに、船が近づくと、また警戒モードに入り、少しでも船から離れようとする。こちらも深追いはせず、最後の最後に出てよかったと喜び合いながら、帰路につく。

はやぶさ2のカプセル回収もすごいと思いますが、広い海の上で、どこにいるかも分からないカンムリを探すのも負けないくらい骨の折れることだと思いませんか。これからは寒さも増す上に海も荒れます。でも今回見られた個体のように夏羽(繁殖羽)の綺麗なカンムリが多く見られるシーズンでもあります。



(この調査は、日本自然保護協会 の助成を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



posted by Sunameri at 00:00| Comment(0) | 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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