2020年05月17日

5月のカンムリウミスズメ調査報告3

5月17日(日) 天気:晴れ(濃霧)

調査時間:13:35から17:17まで

調査結果:カンムリウミスズメ 1



b出港前の白浜.jpg

出港後、再び濃霧が押し寄せ、まったく視界がきかない中を地寄りに進む。途中、近くの岩場が見える時もあったが、蒲井や四代の集落もほとんど霧の中で、これまでの経験からやっとその辺りを走っているのが分かるといった状態。鳥も岩の上にウミネコやアオサギがいるのが辛うじて確認できる程度で、ウも時々船のエンジン音に反応して飛び立つが、何ウやら判別もつかない。ウミネコや営巣中と思われるミサゴ、トビなどが見られたが、件のクロサギの姿はなかった。時々、霧が晴れることもあったので、海上から、巣についているミサゴの写真を何とか撮ることができた。

急に視界が開けたので、このまま沖合まで行けるかと思ったが、すぐに濃霧につつまれ、結局、島を一周することに。一回りしたところで、再び視界が開けてきたので進む。

時計を見ると15時半。いつもなら帰港時間だが、短期決戦に勝負をかけるしかない。沖合に鳥の群れを見つけるが、遠くて確認できない。そのうち群れが西方へ飛んで行く。ざっと30〜40羽はいそうだ。5分としないうちに、また、さっきの群れの倍はいそうな一群が西方へ。やっと写真判定でアカエリヒレアシシギの群れと分かる。しばらく走っていると、群れがばらけたのか、散開したアカエリヒレアシシギが海上に浮かんでいる。今度は順光だし、距離もまあまあ、何とか夏羽のアカエリヒレアシシギの写真が撮れた。この種は、メスがオスより羽色が鮮やかな数少ないタイプの鳥である。こういう逆転タイプの鳥に特有なオスが抱卵・育雛をし、メスは産卵したら南方に渡って行くらしい。この鳥はこの鳥で、この時期ならではの鳥なので、写真に収めておきたい。


bアカエリヒレアシシギの雌雄(右がオス、左がメス この種はメスの方が色が派手).jpg


しかし、カンムリ探しが目的なので、「カンムリに集中」である。アビ類も延べ5羽、出現したが、遠い上に、潜水した後、どこへ行ったのか分からず、今回は写真に収めることはできなかった。そんな中、16時20分、1羽のカンムリウミスズメを見つける。逆光でいい写真が撮れない上に、この個体は、やたらと潜る。潜る個体は結構いるが、浅い潜水を繰り返し、体全体を表すことがほとんどないのである。当然、警戒しての行動であろうが、長い調査の中で、これまで一度出会ったことがあるだけで、そうそう見られる行動ではない。ひょっとすると換羽が始まっていて、飛びたいところを潜水に替えているのかもしれない。羽搏き行動のいい写真をRさんが撮っているので、行動の意味については換羽の進行状況をTさんに確認してもらう必要はあるが…。


bカンムリウミスズメ.jpg


その後も、カンムリ探しを続けたが、アカエリヒレアシシギの散開した大群に出会ったのみであった。アカエリヒレアシシギは、ダブルカウントはあると思うが、200〜300羽はいたのではないだろうか。悪条件の中で、一定の成果が得られ、一同、満足して帰港。Yさんは、これから夜の漁の準備だという。本当に頭が下がる。いくら「日和をかこうな」といっても、体を大切にしてもらいたい。

珍しく遅くまで調査をしたので、自宅に帰り着いたのは8時前だった。自転車を踏んで県道から自宅への最後の坂を登っていると、明滅する小さな光が目に入る。4、5匹はいるようだ。玄関に入ろうとすると庭でも光っている。家の前の市道を拡幅した折、水路がすべてU字溝となり、ホタルの飛来が減っていたが、結構、戻ってきていることに驚かされた。もうホタルの時期だったのだと気づくことができたのは、ある意味、濃霧のお陰かもしれない。


14日に同海域で見た個体と17日の個体は明らかに違うことに気づきました。

17日の個体は報告書でも書きましたが、換羽が進行中と見られる羽衣で、14日の個体は、ほぼ繁殖羽のままです。



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。




posted by Sunameri at 00:00| Comment(0) | 調査報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

最近のコメント
タグクラウド