2024年09月28日

24年10月14日(月) シンポジウム 「奇跡の海」を未来の子どもたちに

シンポジウムのご案内

 24年10月14日(月) 
「奇跡の海」を未来の子どもたちに


主催: 上関の自然を守る会 
共催:(公財)日本自然保護協会

場所:上関町総合文化センター 多目的ホール
参加費: 無料

13:30 開会
 (上関の自然を写した写真コーナーも同時に開設します)

13:40 講演、中野恵さん
「世界が目指す《人と自然の共生社会》とナメクジウオから見た海の生態系保護の必要性 」

14:15 講演、武石全慈さん    
「カンムリウミスズメからタヌキまで:上関の生態系を考える」

14:50 講演、安渓遊地さん
「上関中間貯蔵施設への日本生態学会要望書と《生物多様性やまぐち戦略》」

15:20 質疑応答
15:30 写真コーナーの紹介 (16:00 閉会)

お問い合せ
  E-mail:sugimoku@c-able.ne.jp(寺中)
  TEL:090-8995-8799(高島)





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2024年09月08日

24年9月のカンムリウミスズメ調査報告14

9月8日(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

今回もカンムリとの出会いはありませんでした。これから厳しいシーズンを迎えますが、気候はだんだんと良くなりそうなので、それだけが救いです。。

天気:晴れ

調査時間:10:08から15:27まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0

           

朝はだいぶ涼しくなってきたので、最寄りの駅まで自転車を踏んでも、汗が噴き出すということもなく、列車を待つ間も、これまでのように汗を拭きふきということはなかった。そこまでは良かったのだが、大事なものを入れ忘れていることに気づいた。前の晩、調査グッズの一つである防水仕様のウエストバッグに普段使いのバッグから財布や手帳などを移しておいたのだが、あるはずの眼鏡ケースが入っていなかったのだ。日常的に眼鏡をかけているわけではないが、見えづらいこともあるので、バッグには何時も遠近両用メガネを入れて持ち歩いている。とくに調査では、いち早く鳥を見つけ、識別する必要があるので、いわば必需品。それを忘れてきてしまったのである。出鼻をくじかれて、それでなくても下がり気味の気力が、さらに下がらざるを得なかった。

この日はバスで上関へ行くことになったため、いつもより少し遅めの出発となる。

海は穏やかだが、幾分靄っとした感じで、遠くの島々は霞んでいる。

港を出ると、前方を定期船いわいが進んで行く。


240908蒲井港へ向かう定期船いわい.jpg


日曜日ということもあり、釣り船もちらほらと見られる。


240908釣り船.jpg


波がない上に海面が白っぽく、鳥は探しやすそう。

横島付近でウミネコの幼鳥が着水していたので撮影を試みるが、光線の具合が悪く、良い写真にはならなかった。


240908ウミネコの幼鳥.jpg


眼鏡を忘れたので、裸眼ではとても鳥探しは難しく、双眼鏡頼みとなったが、幸い船の揺れもなく、いつも通りに鳥探しができそうだ。遠くに黒い塊が見えたので、船長さんに船を近づけてもらったが、残念ながらゴミだった。


240908ゴミの帯2.jpg


しばらく何も浮かんでいない海が続き、天田島の東方までやってくると今度は浮遊物が帯のようになった海域が現れる。


240908ゴミの帯.jpg


怪しい浮遊物はないか、丁寧に双眼鏡で探すが、鳥らしきものはなかった。宇和島の西方海域でも浮遊物の帯ができていたが、ここでも鳥との出会いはなかった。

宇和島周辺には釣り船がたくさん出ていて、磯にも釣り人が10人近くいた。調査機器の電池交換とデータ回収作業を予定されている研究者のTさんを調査地に降ろす。いつも岸辺には近づけず、だいぶ離れた岩場に着岸するのに、この日は大潮の満潮ということもあって、いつもの岩場は海の中で、岸辺の岩場に接岸できたのである。これまで何度も立ち会っているが、初めてのことだ。20分くらいで作業は済むということだったので、近くの島を見回ることに。

時期的なことや釣り人の影響もあるのか、トビが島の上空を舞っていたのと、ウミネコを1羽見かけただけだった。このウミネコ、撮影して分かったのだが、換羽中の個体だった。おそらく繁殖を終えた成鳥と思われる。


240908換羽中のウミネコ1.jpg


240908換羽中のウミネコ2.jpg


船長さんは鳥探しもだが、息子さんのウマヅラハギ漁に使う餌となるクラゲ探しも同時に遂行していた。目の良い船長さんが見つけた大きなユウレイクラゲを私がたも網で掬い上げた。すると鯛か何かの稚魚が3、4匹、網の中に入っている。稚魚を網の外へ出そうとするが、なかなか出てくれない。そのことを船長さんに伝えると稚魚はクラゲの中に入って過ごしているので、離れると生きていけないという。クラゲを突いて食べているのかと思ったが、そうではないらしい。沖合の藻場がわりなのだろうか。

近くの島の沖で、船長さんの知り合いがタチウオ漁をされており、漁を見せてもらった。船長さんの話では、漁師は漁の現場を他人に見られるのを嫌うとのことだったが、釣果など漁師同士の情報交換をしている合間に、しばらく見物させてもらえたのである。結構いい形だと思うようなものもリリースされていて、もったいないような気もした。

身体が半分しかないものも上がってきた。タチウオは共食いをするらしい。


240908共食いにあった?タチウオ.jpg


餌のイワシも結構な大きさがあるのに食いついている。歯の並びを見てもどう猛さがうかがえる。大きなカサゴの仲間もリリース。船長さんがたも網で掬い上げ船に上げる。水圧の関係か、眼が飛び出していた。


240908リリースされたカサゴの仲間.jpg


わずかな時間だったが、貴重な体験をさせてもらい、お礼を言って船から離れる。

調査地の島の北岸を回っている時、ミサゴが1羽飛び出す。後追い撮影したところ、何か抱えていたようで、食事中だったらしい。


240908食べかけの魚を抱えて飛ぶミサゴ.jpg


しばらくしてまた戻ってきたので、食べ直しするものと思われる。

研究者のTさんを回収し、少し沖合へ進んだところで停船、昼食・休憩となる。調査の開始が何時もより遅かったからか、余りゆっくりせずに調査を再開。船を止めている間はどうしても風を受けないので、船長さんは時間より暑さから早々に船を出されたのかもしれない。

祝島方面へ北上したが、途中、ウミネコの着水個体を2羽見かけただけ。


240908着水して休むウミネコ.jpg


途中、小ぶりなクラゲが浮かんでいたのでゲット。双眼鏡でやっと分かるくらいのところをツバメらしき小鳥が3羽、飛んでいた。祝島を出港した定期船いわいが遠くに見えたので撮影する。


240908祝島を出港した定期船いわい.jpg


鼻繰島に近づいた辺りで、船を反転させ、再び、沖合を目指す。

沖合はベタ凪で鳥がいればすぐ分かるような状態だったが、まったく鳥の気配がない。


240908ベタ凪の沖合.jpg

Naさんは時折、飛び出すトビウオの撮影にチャレンジしている。私は、いつ飛び出すか分からないトビウオに注意を払うのは本道ではないので、鳥探しに集中。

やっと四国が薄っすら見え始めた。貨物船の航跡波でたまに船が揺れることはあるものの、鏡のような海面が続く。その頃からテントの屋根の関係で日差しが後ろ側からもろに当たり出したため、帽子のつばを後ろ向きにして対応したが、とうとう我慢できず長椅子を前に移動させて直射を凌いだ。船長さんの計らいで八島の北端(洲崎)と砂州で繋がっている古浦地区の岸辺に船を寄せ、上関の隠れた穴場についての説明を受ける。

帰路、何度か大きな浮遊物の帯に遭遇したが、鳥影はなく、長島の風車と夏の雲とのコントラストが良かったので撮影して調査を終える。


240908まだ夏の雲が.jpg



(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。




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