8月11日(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。
さすがに幸運は続かず、今回はカンムリとの出会いはありませんでした。
天気:晴れ
調査時間:9:45から15:00まで
調査結果:カンムリウミスズメ 0
この間の調査は余りにもツキ過ぎだったので、さすがに今回は肩の力も抜けて、出る出ないを気にすることもなく船に乗り込んだ。
この日はTさんが体調不良で乗船されず、おやつの配布役が回って来た。11時と14時の二度、適当なタイミングで配るだけのミッションではあるが、鳥探しだけでなく、もう一仕事あると思うと、何かいつもと違う心持ちになる。
陸は連日猛暑だが、海上は快適とまでは言えないものの、自宅で暑さに耐えながらの生活よりは、はるかに過ごしやすい。波は少しある程度で、双眼鏡が使えないというほどではない。前回同様、雲のない天気の割には霞加減で、意識しないと、四国も九州も確認できないくらい。時折、海面に浮かんだウミネコを見かける程度で、本当に何もいないという感じ。
見かけない船が長島沖をゆっくりと航行しているので、話のネタとして撮影しておく。後で船長さんに聞くとどこかの練習船ではないかということだった。先日も練習船に乗って神戸の方からやって来た学生がカッターを漕いで上陸していたと話していた。船名から調べてみると、周防大島にある大島商船高専の練習船だった。
その後立ち寄った島でもトビとウミネコをそれぞれ1羽見ただけで、釣り船や磯釣りの人の数の方が多く鳥影は薄かった。
前回、カンムリを見つけた海域でも、見かけるのはウミネコの着水個体ばかり。
鼻繰島の近辺にクレーン台船がいる。日曜日に、しかも南海トラフ地震の注意喚起がされている中で、それ以上の急を要する作業があったのだろうか。気になるので何枚か写しておく。
沖合へ向かう途中に雰囲気の良い潮目もあったが、サッパリ鳥がいない。
宇和島近くの穏やかな海域に停泊して昼食・休憩。
午後からの調査では、沖合を攻めてみるが、見つかるのはウミネコのみ。それも遠いし、船の揺れもあって、まともな写真が一枚も撮れない。連写の利くカメラの方はまだ一回もシャッターを切っていない。日頃、あまり回ることのない八島の東側も見回ったが、こちらもダメ。
前回、アマツバメやクロサギなどが見られた島に立ち寄るが、さすがにもうアマツバメは見られなかった。クロサギも巣立ったのか、磯周りを巡ってみるが、飛び出さない。ミサゴは1羽飛び出したが、船の近くには飛んできてくれない。
磯を見回っている時、「ピューイ」という声が聞こえてくる。船長さんが今の声は? と。
間髪を入れず、研究者のTさんがキアシシギの声だと応答。船を進めていると声の主が前方の岩場に飛んでくる。落ち着かない様子で、また別の岩場に飛び移る。4羽の群だった。逆光だったので、キアシ(黄足)といっても足の黄色は確認できない。
飛んだ時、翼に模様が何もないのがこの鳥の特徴なので、そちらは確認できた。辛うじてピントの合った写真を確認すると、1羽が頭かきをしている姿が写り込んでいた。
距離も動きもあって、バッチリ写真とはいかなかったが、連写の利くカメラを使う機会があって良かった。
帰港の途中、海面に黒い塊のようなものが見え隠れするので、カンムリが潜水を繰り返しているのかと力が入ったが、双眼鏡で確認したところ、サメの背びれだと分かり、最後の最後でとの、淡い期待も打ち砕かれた。
(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。