2024年08月11日

24年8月のカンムリウミスズメ調査報告13

8月11日(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

さすがに幸運は続かず、今回はカンムリとの出会いはありませんでした。

天気:晴れ

調査時間:9:45から15:00まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0

           

この間の調査は余りにもツキ過ぎだったので、さすがに今回は肩の力も抜けて、出る出ないを気にすることもなく船に乗り込んだ。


240811調査開始!.jpg


この日はTさんが体調不良で乗船されず、おやつの配布役が回って来た。11時と14時の二度、適当なタイミングで配るだけのミッションではあるが、鳥探しだけでなく、もう一仕事あると思うと、何かいつもと違う心持ちになる。

陸は連日猛暑だが、海上は快適とまでは言えないものの、自宅で暑さに耐えながらの生活よりは、はるかに過ごしやすい。波は少しある程度で、双眼鏡が使えないというほどではない。前回同様、雲のない天気の割には霞加減で、意識しないと、四国も九州も確認できないくらい。時折、海面に浮かんだウミネコを見かける程度で、本当に何もいないという感じ。

見かけない船が長島沖をゆっくりと航行しているので、話のネタとして撮影しておく。後で船長さんに聞くとどこかの練習船ではないかということだった。先日も練習船に乗って神戸の方からやって来た学生がカッターを漕いで上陸していたと話していた。船名から調べてみると、周防大島にある大島商船高専の練習船だった。


240811練習船大島丸.jpg


その後立ち寄った島でもトビとウミネコをそれぞれ1羽見ただけで、釣り船や磯釣りの人の数の方が多く鳥影は薄かった。


240811ウミネコ.jpg


前回、カンムリを見つけた海域でも、見かけるのはウミネコの着水個体ばかり。


240811海に浮かんだ発泡スチロールの上で休むウミネコ.jpg


鼻繰島の近辺にクレーン台船がいる。日曜日に、しかも南海トラフ地震の注意喚起がされている中で、それ以上の急を要する作業があったのだろうか。気になるので何枚か写しておく。


240811何の工事?.jpg


沖合へ向かう途中に雰囲気の良い潮目もあったが、サッパリ鳥がいない。

宇和島近くの穏やかな海域に停泊して昼食・休憩。

午後からの調査では、沖合を攻めてみるが、見つかるのはウミネコのみ。それも遠いし、船の揺れもあって、まともな写真が一枚も撮れない。連写の利くカメラの方はまだ一回もシャッターを切っていない。日頃、あまり回ることのない八島の東側も見回ったが、こちらもダメ。

前回、アマツバメやクロサギなどが見られた島に立ち寄るが、さすがにもうアマツバメは見られなかった。クロサギも巣立ったのか、磯周りを巡ってみるが、飛び出さない。ミサゴは1羽飛び出したが、船の近くには飛んできてくれない。


240811島の周りを飛び回るミサゴ.jpg


磯を見回っている時、「ピューイ」という声が聞こえてくる。船長さんが今の声は? と。

間髪を入れず、研究者のTさんがキアシシギの声だと応答。船を進めていると声の主が前方の岩場に飛んでくる。落ち着かない様子で、また別の岩場に飛び移る。4羽の群だった。逆光だったので、キアシ(黄足)といっても足の黄色は確認できない。


240811キアシシギ.jpg


飛んだ時、翼に模様が何もないのがこの鳥の特徴なので、そちらは確認できた。辛うじてピントの合った写真を確認すると、1羽が頭かきをしている姿が写り込んでいた。


240811頭を掻くキアシシギ.jpg


距離も動きもあって、バッチリ写真とはいかなかったが、連写の利くカメラを使う機会があって良かった。

帰港の途中、海面に黒い塊のようなものが見え隠れするので、カンムリが潜水を繰り返しているのかと力が入ったが、双眼鏡で確認したところ、サメの背びれだと分かり、最後の最後でとの、淡い期待も打ち砕かれた。



(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。




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2024年08月04日

24年8月のカンムリウミスズメ調査報告12−2

さすがにこの日差しでは・・・。シャッターを一枚も切ることなく島を後にして、しばらく進んだところで、船長さんが「ゴミ?」と言って、船の前方を確認している。私も前方を双眼鏡で見てみるが分からない。

船長さんが「カンムリ!」と声を上げた時、私もやっと姿を確認できた。


240803船長さんが見つけたカンムリのペア.jpg


さざ波が立っていて見えづらかったし、これまであまり出たことのない海域だったこともあって、集中力を欠いた一瞬をつかれた。


240803カンムリのペア1.jpg


240803カンムリのペア2.jpg


240803カンムリのペア3.jpg


240803水中を覗き込むカンムリ1.jpg

(水中を覗き込むカンムリ)

240803水中を覗き込むカンムリ2.jpg


240803水中を覗き込むカンムリ3.jpg


この2羽、余り警戒をする様子はないが、船長さんが当初、注意深く、遠目に操船していたこともあって、何度も羽搏いたのにバッチリ写真をものにすることができなかった。


240803羽搏くカンムリ.jpg


その後も船が小刻みに揺れるので、切ったシャッターの割にはまともな写真はほとんど撮れずじまい。


240803カンムリ1.jpg


240803カンムリ2.jpg


240803短い冠羽が確認できるカンムリ.jpg

(短い冠羽が確認できるカンムリ)

240803正面顔のカンムリ.jpg

(正面顔のカンムリ)


しかし「玉砕」覚悟だったところに降って湧いたような僥倖、喜んだのは私だけではあるまい。

気分、爆上がりで祝島に上陸。島近くの岩場でも防波堤でも数は多くないが、ウミネコやカワウが休んでいて、食後のお楽しみとなった。


240803岩場で休むウミネコたち.jpg


240803防波堤で休むウミネコ.jpg


カワウは、暑さのせいか長時間喉を震わせていた。


240803暑さに喘ぐカワウ.jpg


前回、口を開けて放熱しているウミネコの話を書いたが、おそらくカワウの行動もそれと同じものと思われる。写真では上手く表現できないので、動画モードで撮影しておいた。ちょうど船長さんの知り合いが港に上がってきて、二人は漁の話やパチンコの話で大盛り上がり。同じ山口県人なのに、意味の分からない言い回しに、苦労しながら聞き入った。

午後からはベタ凪の海域も増え、遠目は効くのだが、なかなか鳥が見つからない。研究者のTさんが、遠くを飛んでいる2羽のオオミズナギドリを見つけたが、カメラを用意した時には既に視界から消えていた。

時間が経つにつれ、テントの中に陽が射しこんできて、補水回数も増えてくる。睡魔とも戦いつつ、何とか集中を切らさず、帰港まで頑張り抜いた。白浜港の波止場のウミネコも暑いのか口を開けてのお出迎え。陸に上がると、やはり暑い!


240803出迎えのウミネコも暑そう.jpg



(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2024年08月03日

24年8月のカンムリウミスズメ調査報告12

8月3日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

前2回の調査が幸運過ぎたので、運もこれまでと諦めて臨んだのですが、今回も幸運に恵まれました。

天気:晴れ

調査時間:9:40から15:25まで

調査結果:カンムリウミスズメ 2



毎日の暑さに身体が参っている中での調査への参加。やっと連戦連敗から抜け出したものの、このところの連勝は出来過ぎと、今回は「玉砕」を覚悟して臨んだ。港に着くまでに体力のほとんどを使い果たしたような気分での乗船ではあったが、船が動き出すと、体が自ずと調査モードになっていく。

この日は、クロサギの繁殖情報のある島を見回ってから、カンムリ探しという段取りになっていた。カンカン照りの上、風もなく、陸ではとても長時間外で活動することはできないような天気だが、船上は船が走ってさえいれば、風を感じられ何とか耐えられる。


240803出航後、当方へ向かう.jpg


波はほとんどないが、海面が青みを帯びていて、距離感が掴みづらい上に、浮遊物との明暗差が余りなくて、鳥探しには難儀する。


240803夏雲が.jpg


目的の島に近づいたが、霞んだ感じで、何かしっくりこない。船が近づくとミサゴが1羽、島から飛び出した。後追い写真を撮るが、手ごたえなし。


240803飛び去るミサゴ.jpg


既に繁殖を終えているアマツバメが島の周りを飛び回っている。3羽、確認できた。


240803島の周りを飛び回るアマツバメ.jpg


クロサギの巣があると思しき場所も船上からでは確認が難しく、あの岩の割れ目の奥だろうということで納得せざるを得なかった。そのうち少し離れた磯からクロサギが1羽飛び出し、島の裏側へ飛んで行った。


240803警戒気味のクロサギ.jpg


クロサギを追って船をゆっくりと大回りに進めると、島のてっぺん付近にミサゴの巣と思われるものも見つかる。

この島は島といっても、全国によくある烏帽子岩といわれるような岩礁に過ぎない。こんな小さな島でアマツバメやクロサギ、それにミサゴまで繁殖しているのだから、鳥にとっては良い場所なのだろう。

島を1周し船を止めているとミサゴが1羽戻って来た、撮影した画像を見た感じでは幼鳥のようだ。


240803戻って来たミサゴ1.jpg


240803戻って来たミサゴ2.jpg


そのうちクロサギも海上を飛んできて、島の裏に消える。


240803海上を飛び回るクロサギ1.jpg


240803海上を飛び回るクロサギ2.jpg


クロサギは2羽いたようだが、同時には見られていない。予定通り3種の生息が確認できたので、本命のカンムリ調査を開始する。

その後、約1時間海上を見回るが、ウミネコの飛翔個体を1羽見かけただけ。研究者のTさんが調査している島でもトビをみたくらいで、隣の島でもいつもの岩場にウミネコが1羽もいないし、ミサゴも飛び出さない。それに磯釣りの釣り人を一人も見ないと思ったら、みんな島の西側で釣り糸を垂れていた。




(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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