隣の島の岩場ではウミネコの群が休んでいる。
海面にも幼鳥が2羽浮かんでいた。島の灯台の上にはトビが2羽、鉄柵に止まっている。
ミサゴも尾根の岩場にいたので撮影する。結構距離があったので気づかなかったが、Naさんが魚を掴んでいるというので、撮影した画像を確認すると確かに魚をわしづかみにしている。船長さんは、Naさんが撮影したものを見て、マナガツオではないかと言っていた。
島を一回りしたが、いつもいるアマツバメは見られなかった。釣り人が多かったことと関係しているのかどうか。ウミネコの休んでいる岩場の一つに釣り人が上がっており、船が横を通る時、ちょうどマダイを釣り上げたところだった。とてもフレンドリーな釣り人で顔出しOKとのことだったので、撮影させてもらった。
近くの岩の上にいたウミネコは口を開け、暑さを凌いでいるようだったので、撮影を試みる。鳥は汗をかかないため、口を開けて体内の熱を外に出すということなので、おそらく放熱していたものと思われる。
研究者のTさんを回収して、近くの海上で昼食・休憩。この時期、磯近くは蚊やアブが飛んでくるので、島から少し離れたところに停泊したのだ。午前中からカンムリが見つかっているので、みんなの顔は明るく話も弾む。船の近くの海中にクラゲが見られ、クラゲ談義で盛り上がる。
午後からの調査では、研究者のTさんも日よけの下に入り、カンムリ探しに加わる。沖合では、午前中は霞んで見えなかった四国も見えてきて、
霞がちではあるが、伊方原発も何とか確認できるようになった。
何も出なかった沖合から北上をはじめたが、GPSで航跡確認すると、午前中、カンムリの見られた海域を船長さんは目指しているのが分かった。私も再度の出会いを期待して、周囲を丁寧に確認する。広い海では、なかなか再度の出会いは簡単ではない。
そんな中、研究者のTさんがアクションを起こしたので、船長さんが船をその方向へ回す。カンムリが1羽でポツンと浮かんでいる。
この1羽、船を寄せ始めてすぐ、飛び去った。双眼鏡で跡を追ったが、近くに着水する様子もなく、視界から消えた。僅か1分、2分の観察ではあったが、遠目から撮影を始めていたので、何枚かは写すことができた。
見つけたのは研究者のTさんではなく、ゲストのNさんらしく、またも隣に座っていたNさんに「第一発見者」を奪われてしまった。カンムリを二桁見つけるという快挙に恵まれたのに、先を越されたことに拘る自分の小ささに恥じる入るばかりである。
横島で船長さんのお客さんを拾ったが、大きなコブダイを釣り上げた人や立派なマダイやクロをものにしていて、Tさんが、「今日はカンムリチームも釣りさんチームも大漁だね」と言っていたが、お互い何時もこう在りたいものである。
(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。