2024年05月19日

24年5月のカンムリウミスズメ調査報告8−2


その後、近くで停泊し、昼食・休憩。調査再開後も海上に鳥の姿は見られない。やっと祝島近辺でウミネコの着水個体を2ヵ所で3羽見かけただけ。久しぶりに見回った長島・祝島・牛島間海域でも当たりはなかった。

研究者のTさんの提案で昨年幼鳥が見られた長島の岸辺にあるミサゴの巣の状況を確認に行くことになった。双眼鏡で巣のある岩場を遠望すると1羽が岩場の上にいるのが見える。


240518巣の上に止まっていたミサゴ.jpg


船が近づく間もなく飛び立ってしまったので、巣の写真と周囲を写し込んだ環境写真を撮影しておく。

岸辺に沿って進んでいると岩場にウ類が休んでいる。



240518岩の上で休むウ類1.jpg


240518岩の上で休むウ類2.jpg


原発建設予定地には人影もなく、静かなものだった。


240518静かな原発建設予定地.jpg


近くの島の岩場にもウ類やウミネコが休んでいる。


240518岩の上で休むウ類3.jpg


240518岩の上で休むウ類4.jpg


島の尾根上にあるミサゴの巣では1羽が周囲を警戒していた。


240518巣の上で周囲を警戒するミサゴ1.jpg


240518巣の上で周囲を警戒するミサゴ2.jpg


飛び立つ様子もなかったので、卵か雛のいる可能性もあるが、海上からは高さがあって確認するのは難しい。

早々に離れ、岸沿いを中間貯蔵施設建設の検討のためのボーリング調査が始まった地点を見回ることにした。山中は樹々に覆われており、いつもの景色と変わった様子は見られない。山中に白っぽいものが見えたので、望遠レンズで撮影したところ、鋼管らしきものが写っており、現場の一つだったのかもしれない。


240518ボーリング調査施設?(中間貯蔵施設調査地付近の山林).jpg


四代集落の近くの岩場でもウ類が休んでいた。


240518岩の上で休むヒメウやウミウ.jpg


四代沖を航行中、船の近くにウミネコが飛んで来たので撮影する。


240518船の近くに飛んで来たウミネコ.jpg


せめてスナメリくらいでも出てくれないかとカメラを準備していたが、スナメリにも振られ、 めぼしい「戦果」をあげることなく  帰港となる。結局、この日は、詳しい繁殖状況は分からないものの、ミサゴの巣を3ヵ所で確認できたのが、唯一の救いだった。



(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

posted by Sunameri at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 調査報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月18日

24年5月のカンムリウミスズメ調査報告8

5月18日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

今回も狙いは子連れのカンムリ。しかし前回同様、空振りでした。

天気:はれ

調査時間:9:44から15:17まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0

           

先週同様、何とかカンムリの親子連れを見つけるべく、気合を入れて臨む。

今回は研究者のTさんの予定していた横島に上陸してコウモリ調査機器を回収するというミッションが潮の関係でできなくなったため、前回の倍の眼で探せることになった。

先日来の風も収まり、波も穏やかで見通しもよい。暑からず、寒からずといった感じで鳥さえ出れば、文句なしの調査日和である。相変わらず、四国や九州は霞んではいるが、鳥探しに影響はない。このところ研究者のTさんの調査の関係で調査地に直行することが多かったが、この日は横島の東側を通って沖合へ進むというコース選択だった。

八島方面へ向かってしばらく進んだ後、宇和島方向へ進路を変えて進んでいると、四代の港を出た定期船いわいの姿が遠くに見えたので話のネタとして撮影しておく。

240518定期船いわい.jpg

沖の島回りをしていると、週末ということもあってか瀬渡しの釣り人が目立つ。釣り人のいない岩場にはウミネコやウ類が休んでいる。

240518岩の上で休むウミネコとヒメウ.jpg

ウ類の中に華奢なウも見られたので、ウミウとヒメウのようだ。

ミサゴの巣のある岩場の状況を確認に行くと、1羽が巣のある岩の上で鳴き始める。

240518警戒声を発するミサゴ.jpg

そのうち別の1羽が上空を舞い始めたので撮影。食べかけと思われる魚を抱えていたところをみると食事中だったのかも。

240518食べかけの魚を抱えて飛び回るミサゴ1.jpg

240518食べかけの魚を抱えて飛び回るミサゴ2.jpg

岩上の1羽の方は飛び立つことなく、終始周囲を警戒するそぶりを見せていた。

240518巣の上で周囲を警戒するミサゴ.jpg

ミサゴを観察していると、アマツバメが2羽、ミサゴの巣のある崖から飛び出してきた。イソヒヨドリも崖を移動して行く。

沖合へ進むと波が出てきて、双眼鏡を覗くのがだんだん厳しくなってくる。沖合航行中に確認できたのはウミネコ1羽のみ。

八島近海までくると波は収まり、また双眼鏡が使えるようになった。その間、大きな潮目も幾筋も見られたし、流れ藻や浮遊物も散見されたが、まったくと言っていいほど鳥影はなかった。

撮るものもなく遊び心で沖合を航行している見慣れない船を撮影したところ、愛知県の水産高校の練習船だと分かる。

240518水産高校の練習船.jpg

八島西方沖で着水していたウミネコを見つけたので撮影。飛び立ち写真にはポリ袋のようなものを咥えた姿が写っていた。

240518ポリ袋を咥えて飛び立つウミネコ1.jpg

240518ポリ袋を咥えて飛び立つウミネコ2.jpg

誤って飲み込んだりしなければ良いがと心配になる。

(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

posted by Sunameri at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 調査報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月12日

24年5月のカンムリウミスズメ調査報告7−3


午前中より更に沖合を航行してみるが、相変わらず鳥の気配なし。

遠くに見える自動車運搬船やLNG運搬船を撮影する。


240510LNG運搬船.jpg


自動車運搬船は見覚えのある船で、船尾に「ダイハツ丸」と記されている。不正が発覚し長らく生産をストップしていたが、一部生産を再開したと報じられているので、九州工場からの出荷分を乗せた船なのだろう。


240510ダイハツの自動車運搬船.jpg


双眼鏡で右、左と繰り返し見当たっていると、右舷に伊方原発が見えてくる。


240510伊方原発(目視での大きさ).jpg

(目視での大きさ)

240510伊方原発(望遠で拡大).jpg

(望遠鏡で拡大)

霞んではいるが、間違いない。八島の一部が30キロ圏内に入っているそうだから、船との距離も概ねその程度なのだろう。

進路を北向きに変え、八島と宇和島の中間点辺りまで来た時、八島方面から1羽、ウ類が前方を横切る。辛うじて後追いで撮影した画像を見てみるとヒメウのようだった。


240510飛び去るヒメウ.jpg


時期的に婚姻色が出ていてもおかしくないが、冬羽なので、やはりこの個体も若鳥なのだろう。

西に向かってしばらく進んだ辺りで、ウミネコの若鳥が船の近くを飛んだので撮影する。


240510ウミネコ若鳥.jpg


この頃には海はベタ凪になっていて、遠くまで見渡せる状況となったが、カンムリは依然見つからない。

研究者のTさんを回収し、帰路に就く。島の外れで、船長さんの話では、年に何回しか顔を出さないという岩礁を撮影。とにかくこの日は干満の差が大きかったようだ。


240510潮位の低下で姿を現した岩礁.jpg


遠くに自動車運搬船らしき船が見えたので撮影。MAZDAの文字が確認できる。船の向きからマツダの防府工場へ向かっているのだろう。


240510マツダの自動車運搬船.jpg


蒲井沖ではスナメリを2度目撃した。一度は波がないので背中がしっかり見えて、灰色というより、夕日のせいか黄土色ぽく見えた。

帰港すると堤防の街灯の上にウミネコ、磯ではアオサギがお出迎え? 


240510出迎えのウミネコ.jpg


240510アオサギ.jpg


何と、潮が引き過ぎていて、いつも船を着けるところからは上がることができず、港の奥の桟橋のある筏に船を着けて下船となった。しかし筏自体が下がっているので、筏に渡してある桟橋は急角度になっている。私と研究者のTさんは何とか立ったまま登り切ったが、Tさんは手をついて這い上がっていた。いずれにしても、こんなことは初めての経験だった。

予定していた12日の調査は天候悪化のため中止に。果たしてリベンジの機会は訪れるだろうか。



(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。


posted by Sunameri at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 調査報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
最近のコメント
タグクラウド
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。