2024年4月14(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。
天気 晴れ
調査時間 9時30分から15時30分まで
調査結果 ウミスズメ7羽。オオミズナギドリ17〜20羽。ミサゴ2羽。アビ類2羽。ウミネコ50羽確認
今回は好天気で、しかも、べた凪のもと、久しぶりにⅯさんも参加しての調査となった。
白浜港から一路、カラスバトの調査地へ。
研究者のTさんのお話では、前回(4月8日)調査では、島のあちらこちらでカラスバトの鳴き声が聞かれ、くちばしに小枝をくわえた姿も見られたとのこと。
島にTさんを残して八島方面へ進む。しばらく走行し、オオミズナギドリ3羽が、水面すれすれを飛び交う。さらに前方に2羽、島に近い海域で5羽確認できた。
東へ進むと、1羽のオオミズナギドリが北から南へ船首を低空飛行。さらに、次から次へと1羽ずつ北から南へまさに低空飛行。カウントすると17回17羽が船首を横断飛行した。
八島方面で、遠目ではウミネコと勘違いしていたが、12羽+6羽のオミズナギドリが水面をプカプカ泳いでいる。オオミズナギのイメージはまさに水面すれすれを鋭く低空飛行する姿であるが、水面を漂う光景もすばらしい。
少し離れたところで、ウミネコ6羽を確認。例年この時期(4月)、八島では集落中央部で1軒だけ鯉のぼりをあげている家があった。街に住む孫のために、島で鯉のぼりをあげて健康を気遣う老夫婦が目に浮かぶ。いつも心温まるものを感じていたが、ここ2年から3年のぼりをみなくなり、時代と共に八島の風物詩も消えていった。
昼食休憩で上陸した八島の上空では、ミサゴが獲物のさかなをキャッチし飛行中。我々と同じように食べどころを探しているようだった。
昼食休憩を終えて午後からの調査で乗船していると、急に港が賑やかになった。振り返ると26〜27人の団体観光客が島内散策を終えて、定期船で帰路につくところで、お年寄りから子供まで数家族御一行様のようだった。どこからのお客さんか聞けなかったが、波止場が久しぶりに賑わっていた。
午後の海は、油を張ったような海面で、かなり遠くまで見渡せた。
小さな黒い塊(カンムリと思われる)を目を凝らして追い続ける。
前方に3個の黒い塊が現れる。船を少し近づけても飛び立つ気配がない。見た目は、カンムリウミスズメであるが、ウミスズメメの可能性もある。3羽は、同時に潜り、同時に浮上する。
潜って泳ぐ距離が少し長いようにも見える。見極めるためにしばらく観察をしたが微妙である。(調査後、研究者のTさんに確認してもらったところ、写真判定でウミスズメであると判明)。ウミスズメには悪いがカンムリウミスズメではなくて、少し残念であった。さらに4羽のウミスズメを確認。
その後、Tさんを迎えに行き、調査を継続しながら帰路につく。Tさんによると、この日、カラスバトは一声鳴いただけで姿を見せなかったとのこと。
今回の調査では、オオミズナギドリを多く見ることができた。特徴を整理すると、@宇和島に近い海域で飛んでいたグループがあった。A宇和島・八島の間で、一羽ずつが北から南へ風に乗り低空飛行を繰り返していた。B八島近くでは、12羽+8羽+3羽とウミネコのように水面を漂っていた、こと。条件次第では近海でも観察可能ということか・・・。
(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。