2023年11月26日

23年11月のカンムリウミスズメ調査報告24

11月26日(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

22日の調査で1羽見られたとのことだったので期待したのですが、残念ながらカンムリを見つけることはできませんでした。

概況を記します。


天気:晴れ(午前中、雲多め)

調査時間:9:45から15:30まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0

                

出港前、白浜港の防波堤にたくさんのウミネコが集結していたので撮影する。


231126防波堤にウミネコの大群が3.jpg


正確にカウントしたわけではないが、ざっと300羽前後はいたようだ。港を出るといきなり波しぶきを浴びた。しばらくそんな状態が続き、前方に見えるウミネコの着水している群や時折現れる飛翔個体など撮影しようにも船の上下動が激しくままならない。

八島の奥側に薄っすらと見える佐多岬半島に「浮島」が見られる。宇和島の手前まで来ると、沖に何艘か漁船が出ている。このところヤズの群が入ってきているらしく、その漁のようだ。船の向きを変え、沖合を目指すが、風や波が強く、船長さんもとうとう諦めて、方向転換された。

22日にカンムリが見られた海域を徹底して見て回ろうという作戦だったようだが、見られるのはウミネコばかり。波を背にして天田島と宇和島の間の海域まで来ると、急に海は穏やかになり、ウミネコの飛翔個体の撮影も可能な状態になった。後で確認すると同種の成鳥や若鳥、排泄行為まで写っていた。


231126ウミネコ成鳥2.jpg

成鳥


231126ウミネコ若鳥.jpg

若鳥


231126ウミネコ若鳥排泄.jpg


鳥が出ない時の定番ともいえる島の磯回りを今回も船長さんがしてくれた。時間が時間だったので、風のない停泊場所がたまたまその島近辺だったからもしれない。島を周回している時、木に止まっているミサゴを見つけたので、「ミサゴ!」と声を掛ける。ミサゴの方も船の接近に気づいたのだろう、木から飛び立って尾根上をしばらく旋回して消えた。

磯では岩の上にイソヒヨドリも見られた。島の反対側に回り込むと、先ほどのミサゴだろうか、1羽、樹林の中から飛び出した。さらにもう1羽飛び出したが、その個体、趾に長く白っぽいものを掴んだまま飛んでいる。


231126獲物を抱えたまま飛び立つ.jpg


ちょっと遠かったが撮影を試みる。どうも掴んでいる魚はダツのようだ。一回りして私たちの船の上を飛んだので連写したが、露出補正していなかったので、シルエットに近い写真しか撮れなかった。

岩場からウが飛び出し、対岸方向へ飛んで行く。


231126船の接近に驚いて飛び立つウミウ.jpg


しばらく行くと遠くに見える原発予定地前の岩場に7〜8羽のウの群が羽を広げて休んでいる。


231126原発建設予定地近くの岩場で休むウ類.jpg


確定的なことは言えないが、これらのウはウミウのようだった。

島の南側の波の穏やかなところで船を止め、昼食・休憩となる。休憩中の雑談で、Toさんが小さな岬や岩場などにも地元では名前がついているという話をしたところ、船長さんから確かに昔から呼び継がれていて、同じ名前のものもあるので、〇〇の何々というように呼んでいる、と。とくに「明神鼻」という名前の場所は多いそうだ。「ウのクソ」という呼び名もあるそうで、鵜の糞で白くなった岩壁などをそう呼んでいるとも。そんな話をしていると、祝島を出港した定期船いわいが前方からやって来たので撮影する。

調査を再開後しばらくして、ボラが跳ねる海域があり、カメラを構えたが、どこに飛び出すか分からず、結局、一枚も撮影に成功しなかった。しかし中には2m近い凄いジャンプをするものもいて、見ている分には楽しめた。沖合で1羽、大きめのカモメ類が着水しているのが見られた。ウミネコのようにすぐ飛び立つこともなくいてくれたので、何とかものにすることができた。画像で確かめるとセグロカモメだった。


231126セグロカモメ.jpg


セグロカモメは、ウミネコより一回り大きく、ウミネコのように尾羽に黒いバンドがなく白一色なので、飛んでいる時は識別が容易である。また羽衣もウミネコの方が濃い灰色なので、明るい灰色のセグロカモメとは区別がつく。瀬戸内側にはウミネコのような体色をしたセグロカモメ大のオオセグロカモメは少ないので、後は嘴の先にある模様でも足が見えていればその色でも違いが分かる。

午前中あれだけ波のあった沖合は午後になったらウソのように穏やかになっている。


231126午後からは沖合も穏やかに.jpg


上空の雲が取れて日差しもあって、寒さはまったく感じなくなった。その後も、時折、飛んでいるウミネコの姿が見られるだけで、カンムリはヒットしない。沖合から横島近くまで戻ってくると、遠くに見えるハンドウ島が浮いているので撮影する。

最後に横島の磯に佇むアオサギを撮って、「本日の打ち止め」。白浜港に帰港すると、朝、あれだけたくさんいたウミネコは1羽もいない。調査中、小群には何回か出会ったが、全て合わせても何十羽の範囲で、一体何処へ行ったのだろう。


231126磯に佇むアオサギ.jpg



(この調査は、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2023年11月16日

23年11月 秋の上関スケッチ&植物観察会

11月5日(日) 秋の上関スケッチ&植物観察会

晴 風少しあり


今日の講師はスケッチが浴野達広さん。植物観察会の講師が安渓貴子さん

安渓遊地さん。アシスタントが有賀瞳さんです。


10時30分、上関まるごと博物館に全員集合。

受付を済ませ、スケッチに出発。最初の予定では上盛山の山頂でスケッチ会をする予定でしたが、山頂付近は工事中で車の進入禁止と言う事で予定変更。上関大橋の長島側の橋のたもとにある砲台跡地の展望台でスケッチ会を開催しました。この砲台跡地は江戸末期に毛利藩が、外敵からの防衛の為、長島と室津に作られたものだそうです。

今日はパステル画。講師の浴野達宏さんが用意してくれた画用紙に、チョークのようなパステルで描きます。とても景色の良い所で、白浜の港や岩場、上関大橋、船、海、島、松の木など、みんなさっそく画伯の気分で静かにパステルを動かし、思い思いに描き始めます。私は絵を描くなど大の苦手ですが、(鑑賞するのは好きで、美術館も時々行くのですが)行きがかり上、初めてのパステル画に挑戦しました。


パステル画は、下書きもなく、チョークで直接絵を描いていくような感じです。強く線を引いたり、全体を軽く塗ったり、手でぼかしたり、消しゴムで消したりして絵を仕上げて行きます。最後にクリヤースプレイを吹き付けて仕上がりです。

時間が来たので、皆さんの絵を並べて品評会です。

パステル画は、様々な雰囲気の絵が描けるのですね。色鉛筆で描いたような絵、水彩の感じの絵、クレヨンのようなタッチ。

繊細な松や、紅葉の山、人物や海、様々な絵が並べられました。

お子さんは大きな絵を5枚も仕上げてくれました。本来、絵は上手下手でなく心のままに感じたままを、感じたように描いていくのが本来なのでしょう。

品評会はお互いの絵の褒め合いこ。絵の下手な私でさえも、自由で楽しいスケッチの会でした。

みんなの絵をクリヤースプレーで固定して、それぞれ持ち帰ります。

スケッチの後は、景色の良い展望台でお弁当。


さて午後は上盛山での植物観察会です。工事中の為、車は8合目くらいしか行けないので、広い所に車を停めて車道を歩いて下りながらの観察会です。

この紅葉の時期は植物観察会が楽しいです。葉は紅葉で分かりやすいし、食べられる実も実っているし。♬♬

クサギ、マツブサ、サルトリイバラ,ヤマノイモ、ノグルミ、オトコエシ,ヒヨドリバナ,イヌビワ、ヤマブドウ、テンナンショウ、ツワブキ、ヤマゴボウ、

イタドリ、ヤクシソウ、イヌホオズキ、シイノキ。

オナモミやセンダングサなどのひっつきむし名前なんだったけ。

ヤマノイモのむかごや、野イチゴ、ヤマブドウを食べたり、椎の実を見つけたり。

オナモミを割ると身が二つ入っていて一つは予備とか。

とがやがやと楽しい観察会でした。

少しの距離でしたがたくさんの草花が見つかりました。。。。。。。


原戸祥次郎




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2023年11月15日

23年11月のカンムリウミスズメ調査報告23

11月15日(水)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

頑張って探したのですが、今回もカンムリとの出会いはありませんでした。

概況を記します。


天気:晴れ時々曇り

調査時間:10:37から14:47まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0

                

この日は、久しぶりに海況が良さそうということで平日の実施となる。寒気の影響で日中でも余り気温が上がらないとのことなので、被って来た帽子をフリースのキャップに変え、ネックウォーマーを被って臨んだ。朝、冷えたためズボン下をはいて来たので、雨合羽までは着込まなかった。


231115出港時は比較的穏やかな波だったが・・・.jpg


港を出てしばらくはさざ波程度だったが、進むにつれ斜め前方からの波が強まる。遠くに見えるホウジロ島が「浮島」状態だったので撮影を試みたが、船の上下動でなかなか上手く写真が撮れない。


231115ホウジロ島に「浮島現象」.jpg


こんな状態では、たとえカンムリが浮かんでいても、波間に見え隠れし、見逃してしまいそうだ。それより何より、海上を飛んでいる鳥すらいない。やっと天田島に近づいた時、島の上空をトビが舞っているのが見えただけ。

突然、Mさんが「ヒヨ?」と声を上げる。かなり高空をまとまった数のヒヨドリの群れが行きつ戻りつしている。


231115ヒヨドリの群れ.jpg


慌ててシャッターを切ったが、遠くて上手く写っているかどうか。100羽くらいの群と見積もったが、後で画像を確認すると350羽以上写っていた。自分の見積もりのいい加減さに呆れる。結局、この群は何処に行こうとしていたのか分からないまま見失ってしまった。

ヒヨドリの渡りは秋の風物詩であるが、当然、春にも逆コースを移動するし、この海域では冬場でも見られることがあり、季節外れの小群の移動は「島渡り」と呼ばれていて、この種の生態については分かっていないことも多い。いずれにしても秋の渡りにしては、1ヵ月くらい遅い気がするが、今季は他の渡り鳥でも移動時期が遅いという声も聞くので、秋の渡りの範囲だったのかもしれない。

磯から1羽、ウが飛び出したが、何ウかは分からなかった。ウミネコも1羽飛んでいたが、天田島を過ぎると急に波が高くなって、飛沫を浴びるようになってきたので、撮影は諦めカメラを防水のバッグに入れ、ジッパーを閉める。カメラも記録用のメモ紙を挟んだバインダーも水滴で濡れていた。宇和島上空でもヒヨドリの小さな群が見られたが、一瞬で消えてしまった。島の南側まで来ると波は穏やかになったので、カメラを取り出したが、トビやカラスが見られただけで、特に撮るものもなかった。

沖合へ出ると波は相変わらずだが、後ろからなので、船は波に押され、滑るように進む。飛沫を浴びる心配はないので、船体に大きな文字の書かれた貨物船や海上の状態が分かる写真を撮ったりした。CMA CGMと書かれた船は、フランスを本拠とする世界有数の海運会社、コンテナ運送会社の船らしい。


231115コンテナ運搬船.jpg


八島の南端を過ぎた辺りからやっと波が穏やかになり、島の東岸の風の当たらない海上で昼食・休憩にする。周りを見渡すと、平郡島の属島にも「浮島現象」が見られる。


231115平郡島にも「浮島現象」が.jpg


このところ全くカンムリが出ていないので、船長さんが「カンムリって、どんな鳥だったか忘れてしまいそうだ」と言っていたが、私も同感というか、毎年経験するこの「長いトンネル」状態が早く終わってほしい。

午後からの調査開始直後は、しばらく島沿いを走ったので、八島のビャクシン群落を堪能できた。


231115八島与崎のビャクシン群落.jpg


風景写真を撮っていると、研究者のTさんが、「クロサギ!」と声を上げたので、慌ててもう1台の「飛びもの」に強いカメラで連写する。


231115磯から飛び出したクロサギ2.jpg


近くの磯ではウが何羽か休んでいたが、画像を見る限りではウミウのようだ。


231115岩の上で休むウ類.jpg


与崎の北端を過ぎると風と波が急激に強まり、足に力を入れていないと、船の上下動に対応できない状態となる。雰囲気だけは分かってもらえるかもと、遠くを進んでいる自動車運搬船の写真を撮る。


231115波に向かって進む自動車運搬船.jpg


それから天田島の先までずっと向かい風と波しぶきの中を進んだ。どんな状況であれ、調査なので、諦めず目視で鳥を探し続けた。長島の南端(四代集落の少し先)まで進んだところで、さすがの船長さんも無理だと判断されたのだろう、船を反転された。

近くではボラだろうか、跳ねている魚が何度か見られ、四代の磯ではウミネコが何羽か休んでいる。


231115磯で休むウミネコ.jpg


撮影したピンボケ画像に1羽だけセグロカモメが混ざっていたのが確認できた。蒲井の近くでもウミネコが1羽飛んでいたが、とうとう今回もカンムリには出会えなかった。




(この調査は、地球環境基金、パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。


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