2021年10月31日

10月のカンムリウミスズメ調査報告4

10月31日(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

何とか10月中に1羽でも見つけようと頑張ったのですが、カンムリを見つけることはできませんでした。

概況を記します。


天気:曇りのち晴れ

調査時間:9:33から14:36まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0



久しぶりに研究者のTさんの同行ということもあって、出港後しばらくはいろいろと鳥に関する話が弾んだ。ほとんど私からの一方的な情報伝達ではあったが、日ごろあまりそうした話をする機会がないので、ついつい調子に乗ってしまった。

沖合に進むにつれ、波も出てきて、船長から「今日は午前中が勝負」と言われていたため、勝手に穏やかな海況と思い込んでしまっていたが、前回より波高は高く、とても遠くを双眼鏡で見回すという状況ではない。不思議と沖合を大回りで祝島が正面に見える辺りまで進むと向かいからの波も幾分収まってきた。

前回、多数見られたウミネコもいくらか飛翔個体や着水個体を見かけるものの、鳥の気配が感じられない。少し早いが、お昼にしようということで風当たりの弱い島の南岸に近づくと島の上空をトビが舞っている。そのうちミサゴが2羽やって来るが、尾根の向こう側へ行ってしまい見えなくなった。

Tさんが双眼鏡で別のものを見ていたので聞いてみると、カラスバトが飛んでいたとのこと。島の西側の岩礁地に船をつけて3人が上陸。船長は船に残って近くで過ごすことに。その岩場はカメノテが密集した岩からなっていたが、ちょうど腰掛けられる高さの岩棚があって、そこに座って弁当を食べた。

Tさんが弁当のおかずの種類を数えていたので、道の駅で売られているニコニコ亭の弁当は人気があってすぐに完売となる、と前回の弁当談義の繰り返しとなった。

お茶菓子として前日、友人とのドライブで行った長門土産の「湯面(ゆめん)もなか」を配る。食事中、ハヤブサが目の前をかすめ田ノ浦(ダイノコシ)方向へ飛んで行く。ヒヨドリの渡りを狙っているのだろうか。でも見る限りでは、小鳥類の動きは全くなく静かなもの。遠くの岩場にイソヒヨドリと思しき鳥が見えるだけ。休憩もそこそこで船に乗り込む。

岩場を離れたところで、鼻繰島方向からハヤブサが飛来。一旦、岩陰に消えたが、再び、近くの岩の上に止まり、周囲を見回している。「睥睨(へいげい)」という言葉がピッタリする。


ハヤブサ飛翔211031.jpg


船長に船をそのまま動かさないでとお願いする。船長はちょうど電話中で気づかなかったようだが、みんながカメラを構えているので、「撮影会」が始まったと理解。船は止まっている分、波でゆらゆら揺れてハヤブサがなかなか画面の中に収まらない。かなり距離があるのでズームすると余計に難しい。


周囲を窺うハヤブサ211031.jpg


ハヤブサは成鳥、すごくきれいな個体で、しかも順光、シチュエーションも申し分ない。こんな機会はめったにないので、何とかものにしたい。ピントもまずまずの写真も撮れたようなので、欲が出て、船を少し前へ進めてもらう。近寄ると飛ばれるので、角度を変えてお腹側が写るようにしたかったのだ。しばらくその岩場にいてくれたので、何とか満足のいく写真が撮れた。

その後、そのハヤブサは飛び立ったが、近くの岩場(私たちが弁当を食べた岩場)のてっぺんに生えている低木の上に飛び込む。体全体は見えないが、獲物を探している様子が見て取れる。撮影にはMさんも苦戦しているようだったが、Tさんは私たちのようにハヤブサの撮影に必死になることもなく、周囲の環境写真等を撮影しておられた。さすが! 

船長の「もう、いい?」の声で、「撮影会」もお開きとなり、午後の調査を開始。


調査海域211031.jpg


島間のトライアングルをジグザグに見回るもカンムリは見つからない。船を進めている時、ハヤブサらしき鳥が飛んで行くのを見ただけで、白浜港入港前、着水しているウミネコを海上で何羽か見るまで鳥にも怪しい浮遊物にも全く出会うことはなかった。「ハヤブサさん、ありがとう」、この日の調査はこの一言に尽きる。



(この調査は、セブン‐イレブン記念財団 活動助成金、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2021年10月28日

10月のカンムリウミスズメ調査報告3

10月28日(木)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

今回もカンムリを見つけることはできませんでした。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:9:38から15:02まで

調査結果:カンムリウミスズメ 0



海は陸上から見る限りでは穏やかそうに見えたが、天気予報の波予測が1mと出ていただけのことはあり、雨合羽を事前に着用していたのは正解だった。しばらくは後ろからの波だったので船は揺れるが、飛沫を浴びることはなかった。

島手前でUターンしてからは真正面からの波で、近くにウミネコの群れが見られたが撮影どころではなかった。方向転換してからは横波となったものの、いつもウミネコやウが休んでいる岩礁にウミネコがたくさんいたが、船の揺れで一枚もピントの合った写真が撮れなかった。

島間海域を進み始めると着水したカモメ類がたくさん見られるようになった。いつも使っているカメラは船の揺れで撮影が難しいことが分かったので、サブ機に切り替え、ウミネコを撮影した。

撮影した画像を後で確認するとピントは甘いが、小魚を咥えとったシーンが何枚か撮れていた。カモメ類は白が目立つので遠くにいても分かるが、カンムリは黒い塊を見つける必要がある上に、大きさはウミネコの半分くらいなので、波のある時はとてもやっかいである。


獲物を捕らえたウミネコ211028.jpg


小魚が湧いている状況はカンムリと出会える可能性が高いはずなのに、まったくヒットしない。

島の近くでクラゲを見かけたが、船長の反応はない。あとで聞いた話では息子さんも餌のクラゲが手に入らないので、ウマヅラハギ漁は終了したとのこと。いつもの岩場からミサゴが飛び出し、しばらく島の周辺を旋回していたが飛んで行く。前回と同じパターンだ。

波が少し収まってからということで、風の当たらない宇和島の南岸で少し早いお昼にすることに。アンカーを打ったので、船上での食事に弱い私も船の揺れをほとんど気にしないで弁当を食べることができた。ニコニコ亭のお弁当談義や私の持参した饅頭(六日市土産の「麦ころがし」)から各地の名物にと、沖縄のうまいもの話から漂着した軽石の話など話題は尽きない。

いつもより船上でゆっくりしたので、お腹の方もだいぶ収まった感じで、午後からの調査となる。

沖合を進んでいると、見慣れない船が八島方向から進んでくる。軍用の艦船と思われるが自衛隊のものなら船体に表記があるはずだが、双眼鏡では確認できない。とりあえず撮影、逆光だったこともあり、船名と思しきものが薄っすらとしか読み取れない。

何とかGUAMという文字が読み取れたので、WEB検索したところ、米海軍の高速輸送艦グアムだと分かる。先日も岩国基地に大型の米軍艦船が入港し問題となったが、この船も何か関連があるのだろうか。対中国けん制の作戦行動なのか。しかし瀬戸内海を堂々と米艦船が航行するのは、やはりおかしい。

カンムリが出ないからといって船の話題に走るのは避けようと思ってはいたが、さすがに触れないわけにはいかない。その後も船の揺れに耐え、カンムリを探したが、見つけた浮遊物は何とイノシシの屍だった。島渡りの途中に事故に遭ったか何かだろう。船長に止められたので死因の検証はできず、撮影だけにした。

その後は海域を巡り、ほぼ観光モードに。まずは平郡島の赤石神社、船長は近くを通る時は船の上から手を合わせることにしていると。

その奥側にコンクリートの巨大な構造物がある。田ノ浦沖に沈めて漁礁にするために造られたが、今では朽ちてクレーンで釣り上げることもできない「負の遺産」となっているそうだ。


「負の遺産」となった大型ケーソン(平郡島)211028.jpg


上関町大津沖にある総タイル張りの灯台(舵掛岩灯標)


珍しい灯台(大津沖)211028.jpg


奇妙な穴の開いた岩(大砲の弾が当たってできたのではということから「鉄砲玉」と言われているそうだ)など見て帰港した。

カンムリは出なかったが、今回はこれまで行ったことのない「観光スポット」を案内してもらえ、それなりに有意義な調査となった。



(この調査は、セブン‐イレブン記念財団 活動助成金、地球環境基金、

 パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金

 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



今回は、ウミネコの写真をいつもよりたくさん添付しました。私たち日本人にとってウミネコは普通種なので、どうしても、ウミネコか〜、となりがちですが、ウミネコ自体は世界的には日本近海にしか生息しない地域限定種なので、海外の方にとっては見てみたいカモメ類なのです。

逆に日本国内では珍しくても海外では普通種という鳥もいます。狭い日本でも地域性がありますし、特に固有種となると一度は見てみたいという気持ちになるのも頷けます。いつも見ている景色は、あまり有難いと感じられませんが、外からの目を通すと、とても貴重なものだったりすることがあります。鳥に限らず、地域の宝を後世に残すことの大切さを改めて考えさせられました。

前回、画像で「何をする船?」というのを添付しましたが、萩市の見島に渡る時、萩港で同じような台船を見つけました。その船には船上でコンクリートを練り上げ、ポンプで打ち込むための装置が設置されていました。また一つ、謎が解けて安心しました。



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2021年10月24日

ナメクジウオ観察会 10月24日(日) 参加者感想

10/24に日本自然保護協会と共催で上関町田ノ浦湾でナメクジウオ調査を行いましたので概況と感想文を報告します。



調査地 田ノ浦

目 的 
上関の自然を守る会は2019年から日本自然保護協会と共同で上関海域でヒガシナメクジウオ(環境省レッドリスト2017絶滅危惧U類)の生息調査を行っています。
その過程で田ノ浦湾内の東側海域では他の海域に比べ局地的に密集して生息することが解明されています
今回はナメクジウオ類が生息する地点の底質の特徴を調査し、ナメクジウオ類が生息するために必要な海底環境を明らかにすることが目的です。
そのために砂質の異なる4地点でサンプリングを行いました。


参加者12名 

ナメクジウオ6尾確認

調査は潜水採集班4名と採集物より分け班が2隻の船に分乗して作業を進めました。
潜水班が海底から掬ってくる袋はほとんど貝殻か砂、泥です。

採集ふるい分け班は調査地点4ヶ所から採取したものを3グループに分けて振るいにかけました。

調査で確認されたものは小さな蟹、エビ、、ゴカイ、ウミウシ等多数。


ナメクジウオ観察会211024.jpg

蟹など形や模様が全部違って同じのが無いのが不思議です。
ナメクジウオは、5センチ位。背中にちょっと凸凹があるように見えます。みんな元気でクルクルグニャグニャ動き回ってます。全部雄らしいそうです。

ナメクジウオ観察会211024.2.jpg


まぁ〜3歳のHちゃんの手付きが最高。
左右に揺すってあっと言う間に 貝殻だけにしてしまい、砂金取りに行けるとみんな絶賛。


ナメクジウオ観察会211024.3.jpg

2〜3日前に突然冬になりましたが今日は風も無く暖かい日差しに包まれて気持ち良い調査日よりでした。
でも潜った人は海中は暖かいが、船に上がった途端寒い!!と季節をしっかり感じていました。

ヒヨの群がトンビに追われ空を舞い、カモメがえさを求めてすぐ近くで浮かんでいたり、漁の餌さになる大きな海月を見たりと久々の原発予定地を楽しみました。

最近海に石灰を撒いているそうです。悪臭等の対策らしいですが、結局海に栄養物を入れて悪循環をつくっているのでは?石灰は畑にまくものと思ってました。畑でも少しだけと気にしているのに海にとは!!

参加者 Y


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