7月20日(火)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。
久しぶりのカンムリ調査、前日に13羽出たとのことで期待したのですが、2羽確認にとどまりました。
概況を記します。
天気:晴れ
調査時間:9:34から14:45まで
調査結果:カンムリウミスズメ 2
天気は快晴、海は穏やかで、遠くまで見通しの効く好条件。船長は前日の傾向からカンムリは沖合だろうとの予測。確かに出港後から、海面に浮かんでいるウミネコやカワウが遠目に見られるが、カンムリらしき姿は確認できない。さすがに沖合に出ると航路筋を行き交う大型船の通行による波が時折あって、その時だけは船が大きく揺れる。潮止まりの海域の浮遊物も丹念に見るが、なかなかヒットしない。
かなり沖合へ進んだところで進路を東に変えてしばらくした時、「そこにいる」、「2羽」の声でカンムリに気づく。
あれだけ左右前方を双眼鏡を駆使して、見回していたのに気づかなかった。7月初めに撮影されたカンムリの画像を見て、この時期になると換羽が終わって非繁殖羽に変わった個体ばかりだろうと思っていたが、個体差なのか、この2羽、完ぺきな非繁殖羽とは言い切れない羽衣だった。
話がそれるが、いつも使っているカメラに不具合があって修理に出しているため、今回は不慣れなサブ機のみでの撮影となった。このサブ機は、これまでも何回か調査で使っていて、それなりに動きのある鳥の一瞬をうまく捉えた写真も撮れていたのだが、使い慣れればもっといい写真が撮れるのではと、事前にカメラの取説に目を通し、いろいろと設定を変えてチャレンジしてみた。
しかし今回は、それがあだとなって設定を変えて撮影したものは全滅に近い結果となった。やはり欲を出さず、いつも通りで行くべきだった。いくらかカメラの機能が分かったので、今後、別の場面では役立つかもしれないが、船も鳥も揺れており、シャッタースピードを考えて撮影しないとダメだと改めて痛感した次第である。シャッタースピードを上げると、どうしても絞りが絞り込めないので、ピントが浅くなる。2羽いるような時に、2羽ともジャスピンで撮るのは難しい。
今回、天気も良かったので絞り優先にして少し絞り込んで撮影してみたのだが、シャッタースピードが動きに負けてしまった。もう一点、オートフォーカスの設定も変えてみたことも敗因の一つになっている。徹底して動きのあるもの向きの設定に徹するべきだったということだろう。
その後も、前日のように1羽でいる個体やグループになっているものを念頭において探したが、まったく気配が感じられなかった。
昼食・休憩のため立ち寄った島では、アマツバメが5羽、島の周りを飛び回っていた。
近くの岩礁ではウミネコの小群が休息していたが、安全な距離と踏んでいたのか、船の航行をまったく気にする様子はなかった。
進んでも進んでも一向にカンムリは見つからない。近頃、「黙食」というのが推奨されているが、船上も「黙視」状態。雰囲気は悪いが、出ないものは仕方ない。最後にアマツバメの繁殖地を観察して早めに帰還する。翌日からの行事の準備があって船長も忙しいらしい。
(この調査は、セブン‐イレブン記念財団 活動助成金、地球環境基金、
パタゴニア日本支社 環境助成金、LUSHチャリティバンク 助成金
を受けて行いました。 敬称略:五十音順)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。