2021年06月20日

6月のカンムリウミスズメ調査報告3

6月20日(日)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

梅雨の中休み、海況もよく、少人数ではありましたが、頑張ったかいがあって、最後の最後に4羽のカンムリの群れを見つけることができました。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:9:33から15:46まで

調査結果:カンムリウミスズメ 4



梅雨の中休みで、海も穏やか、横島周りだけでも釣り船が10隻は出ている。前回よりはやや長島寄りに大船団が見える。ざっと数えても40隻はいる。鳥が出ないので、話のネタに雲や釣り船を撮っていると、近くをサメが泳いでいる。雲は、連ドラの『おかえりモネ』の主人公が気象予報士をめざすという設定で、気象の話題が気になったため、今日の雲は何雲かなと、つまらないことを考えながら撮影したに過ぎない。前回の調査でカンムリが見られた海域を見回るが、一向にヒットしない。

沖合へ進むと西からの波が出てきた。といっても飛沫を浴びるほどではない。途中立ち寄った小島ではアマツバメが3羽旋回していた。ミサゴも私たちの船に気づき、不快そうに上空を旋回飛翔する。船を移動させている時、磯からカルガモが1羽飛び出し、遠くに見える島の方へ飛び去る。ミサゴは今度は近くに飛んで来たトビを追い回していた。しばらくバトルを繰り返していたが、トビが飛び去ったので、ミサゴは島へ戻って行った。一方トビはというと近くにいた釣り船のそばで同種の争いを始める。獲物が浮かんでいたのか、2羽が海面でもつれ合っていた。


トビとミサゴのバトル210620.jpg


昼前だったので、この小島で昼食かと思ったが、まだ頑張って探すようだ。そのうち波もまったくなくなり潮が止まったような状態になって、見通しが格段とよくなる。海上の浮遊物を丹念に確認するも、八島港に入港するまで、まったく鳥の気配なしであった。昼食後、前日に行った山口市仁保の道の駅で買い求めた「きんつば」を配る。防府市のお菓子屋さんのものだったが、結構、美味しかった。前回、上陸した時に見つけた係留船のツバメの巣は、既にヒナが巣立ったようで、巣の周囲でツバメを見かけることはなかった。やはり陸へ上がると暑さが堪える。この時期は船の上の方が快適である。とはいえ、まだカンムリに出会えていなので、気分的には下がらざるを得ないが。

午後一番にアマツバメの繁殖確認をするということだったので、ワクワク感も多少出てきた。気にはなっていたが、前回は上陸しなかった。どうしても証拠写真を撮ろうという思いが抑えがたく、鳥への圧力がかかってしまうからだ。前回は抱卵していたということだったので、2週間は経っているし、ヒナが孵っているかもしれないなとか、いろんな思いが交錯する。島に近づくと、凄い数のアマツバメが舞っている。前回とは大違い。営巣数が減っているということだったので、もうアマツバメの群舞は見られないかもしれないと思っていただけに感動的だった。上陸後、Tさんがヒナがいるの確認。私はその間、アマツバメの乱舞を連写。Tさんが証拠写真を撮った後、ヒナを実見させてもらう。私も1枚証拠写真を撮らせてもらったが、結局、どれがヒナなのか分からないような写真しか撮れていなかった。でもこの目でヒナを確認できたので、私は大満足であった。


アマツバメ210620.jpg


島を離れ、遠くから動画撮影をしようということになって、Tさんが撮影した。船に残ったMさんによるとアマツバメは40羽前後いたとのこと。再び、カンムリ探しを開始。行けども行けどもカンムリの姿はなく、黒っぽいものを見つけると、それはサメで3度も出会った。いつもならへいぐんブイ辺りで引き返すことが多いが、船長も1羽も見つけることができなかったのが悔しかったのか、再度、沖合へ船を進めた。コース的には午前中に見回った海域であるが、沖合へ進み始めてすぐ、左舷に4羽の群れを見つけた。双眼鏡で遠くを探していてのことではない。目視で左右の海上を見回している時、たまたま目に入ったのである。目視で見つかるくらいだから、船を寄せる必要もなく、そのまま走ったら目の前というところだ。

4羽の群れ、家族群? 家族群ならどの個体が成鳥で、どの個体が幼鳥? 大きさは4羽とも同じ大きさなので、決め手にはならない。成鳥も換羽が始まっているので、羽衣の違いも決め手に欠く。報告書に添付する画像を選んでいて、羽衣の違いが分かる画像、とくに今回は後ろ頭に注目してみた。後頭が白いものと白い所がないものがいる。海鳥ハンドブックでは、識別点として幼鳥に冠羽はないと書かれているが、幼鳥ぽい羽衣の個体にも短い冠羽があったりするので、本当に冠羽のあるなしが決め手になるのだろうか。成鳥でも冠羽を寝せている時は、冠羽は確認できないし・・・。


カンムリ家族群?210620.jpg


4羽という組み合わせは、成鳥2、幼鳥2という組み合わせと、2組の成鳥ペアが考えられるが、昨年7月の群れは例外的で、ほとんどはペアでいるか単独、稀に家族群というのが、ここ上関海域で見られるカンムリのありようなのだが・・・。いずれにしても、これまでに撮影されたカンムリの羽衣変化を撮影時期と個体差等を比較勘案し、成・幼の識別の決め手を見つけ出すしかないだろう。諦めかけていた最後の最後でカンムリが見つかり、9回裏の逆転ホームラン、それも4羽なので満塁ホームランだねとMさんも嬉しそう。船長も肩の荷が下りたのか、一気に瀬渡しのお客さんの回収に向かう。お客さんには迎えが少し遅くなると電話を入れていたようで、早いうちに結果が出て、ホッとしているようだった。カンムリ調査の後は、エイの調査の網入れ、その後は自分の漁と休む間もないほど予定が立て込んでいるそうだ。本当に、ご苦労様でした。



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。






posted by Sunameri at 00:00| Comment(0) | 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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