2021年06月30日

田ノ浦座り込み報告 2日目

6月30日(水曜日)


昨日に続き、10:00~作業開始。

中電側の船は3隻。祝島の船8〜9隻が昨日とほぼ同じ陣形で対峙している。


前景20210630田ノ浦.JPG


浜の監視隊もテントとビーチパラソルを拡げ、沖を見守る。

昨日はかんかん照りで蒸し暑かったが、今日は曇り空で風がある分、涼しく感じる。

午後は干潮で潮が引いたので、西側の潮間帯にカサシャミセン調査に出かける。


20210630イシダタミ.jpg


潮だまりにはイシダタミやアマガイ。岩の表面や隙間にはアラレタマキビ。それぞれが集合住宅のように集まっている。微妙に生息環境が違うのだろう。中にやたら動き回る貝殻はヤドカリだ。

2005年に中電がボーリング調査をした時の悪夢がよみがえる。

岩場の上にそれまで見たことのない白い細かいシルト状の粉がびっしりこびりつき、ヤドカリばかりになった。

ボーリング工事以前は岩場を歩くと、生きた貝が驚いてコロコロ転がり落ち水にはねるピチピチという音に満ち満ちていた。それがシーンと静まり返り、死んだ世界になってしまったのである。

カサシャミセンの死んだ殻も見つかった。彼らは2億年前から地球上に生存していると言われている。二枚貝に似ているが、殻は片方しかなく触手のようなもので岩に体を密着させている。貝よりろ過効率が低い上、成長が遅く水質の汚濁にも非常に弱いと言われている。そんな彼らをボーリングによる水質汚濁が直撃したのだ。

あれから16年、少しずつ回復はしてきているが今でも元通りにはなっていない。それほど彼らの生息環境はナーバスなのだと思う。

カサシャミセンもしかりである。昨年は何とか西側のタイドプールで7個体確認できたのだが、今年はどうだろう?カサシャミセンが付いていそうな岩をひっくり返しては目を凝らす。探し初めて20分あまり、ようやく見つけることが出来た。それも約1cm。結構大きめのサイズだ。


20210630カサシャミセン.jpg


「元気でいてくれたね!」思わず声を掛けてしまう。

潮が引き切っていないこともあり、その他の個体は確認することが出来なかった。また大潮の日にトライしてみることにする。

磯歩きの間、チーチーと甲高い声で鳴きながら先回りしては岩の上をちょんちょんと飛ぶ鳥がいる。

名前がわからないので鳥に詳しい仲間の判定を仰ぐべく写真に収める。(後日「コチドリ」であると判明)

磯歩きにかまけていたら、いつの間にか15:00前で作業終了だ。

祝島のTちゃんと昨日と同じ挨拶をかわしあい、帰途に着く。前をゆっくりゆっくり休み休み上がって行かれるのは80?才のTさんと膝を痛めたYさんである。共に原発計画浮上以来40年、圧倒的多数の推進派のいやがらせにもめげず反原発の旗を掲げてこられた。その不屈の精神が急峻な山道を乗り越えさせるのだ。

「私たちも負けてはいられないね!」 踏ん張った足に力を籠める。




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2021年06月29日

田ノ浦座り込み報告 1日目

6月29日(火曜日)


中電がボーリング調査に先立つ測量を開始すると事前にマスコミ発表した。過去2回のボーリング調査の際は測量を知事の海面占用許可期間に入って行っていたが、今回は占用許可がなくてもできると公言した。できるだけ早く本格作業に入りたいという意思表示なのか?危機感を持ちつつ、現場に赴く。

浜に下りると中電の船3隻と監視する祝島の魚船10隻あまりが対峙している。

中電の船は司令船?と思しき大型船、監視船とみられる中型船、説得活動を行う小型船の構成だ。

大型船は湾の西寄りに少し離れて構えている。周りに半透明のシートを張りめぐらしている。説得の交代要員なのだろうか、4〜5名の人影が動いている。

中型船は湾の中央沖合鼻繰島側に構え、乗組員も1名のようで説得活動に何かあったらすぐ出動できる位置である。

小型船は乗組員4名で祝島の船に舳先を寄せ、頭を下げつつ何か話しかけている。


20210629中電説得活動1.JPG


浜には広島や県内各地から駆け付けた市民グループ、労働団体など総勢30名ほどがのぼりや横断幕を掲げテントやビーチパラソルなどで日陰を作り海上の監視活動を見守る。

私たち上関の自然を守る会も4名で参加した。


20210629座り込み.JPG



昼休憩を1時間挟んで中電の説得船が祝島の漁船10隻の間を廻るという繰り返しが15:00まで続いた。

たった2〜3日前には「田ノ浦生き物見つけ隊」のイベントで磯遊びに戯れる親子連れでにぎわった入江は物々しさに包まれている。あんなに平和で穏やかな時間を過ごしたのにと思うと何とも物悲しい。

昼下がり、足の運動を兼ねて通称ダイノコシまで散策する。

何と、浜にはスナビキソウが暑さに負けず力強く生えているではないか!


20210629スナビキソウ.jpg


5月の初旬に訪れた時は直前の暴風雨で砂に埋まり、枯れかけた株が多かった。

それにアサギマダラが舞い降りてすがりつくように蜜を吸うさまは美しいというより切ない思いをしたものだ。

今日見ると、葉は青々と岩の割れ目に食い込むように根を張った株もあり、改めて彼らの生命力に完敗だ!来年も会える!!ホッと胸をなでおろす。

15:00作業終了。「お疲れさ〜ん!ありがとーよ!!」

祝島の女漁師通称Tちゃんが浜に船を寄せ、ひときわ明るい声が響き渡る。

「おつかれさ〜ん!またね〜!!」応えて手を振り返す。

これまで何年間、何度このシーンを繰り返して来たことか。

よーし、明日も頑張るぞ!!



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超党派議員連盟による〈原発ゼロ・再エネ100の会〉が山口県および中国電力に要請書を提出

このブログをご訪問のみなさま

日頃は、上関の自然を守る会に、ご支援・ご協力いただき心より感謝を申し上げます。

共同代表 高島美登里です。

6月10日に開催された〈原発ゼロ・再エネ100の会〉上関原発:政府の新増設の考え方を資すを受けて、超党派議員連盟による〈原発ゼロ・再エネ100の会〉が本日、山口県および中国電力に対して、以下の要請書を提出されました。






次の理由によりボーリング調査の中止を求めます。

1.国は現時点で原発の新増設は認めていない
2.ボーリング調査を行う法的根拠はない
3.重要電源開発地点の指定要件を満たしていない
4.海域を無用にいじることは許されない
5.原子力防災の観点からの見直しが必須である





つきましては、関係各方面への情勢拡散をよろしくお願いいたします。
今後とも、上関の自然を守る会への活動にご理解をいただけると幸いです。




要請書の提出についての詳細は以下の通りです。

★知事(山口県東京事務所)がお受け取りになる
6月29日(火)14:30以降は、対外的にもご自由に情報共有のほどお願いしま
す。
なお、コロナ禍に鑑み、
中国電力社長宛て要請は、電話・FAXにて連絡の上、
 ■郵送にて中国電力地域共創本部経由でお渡ししていただき、
山口県知事宛ては東京事務所に持参、提出をすることとなりました
 ■日時:2021年6月29日14:30
 ■場所:山口県東京事務所(千代田区霞が関3-3-1 尚友会館 4階)

ご不明な点その他は下記にお問い合わせ願います。

超党派議連「原発ゼロ・再エネ100の会」事務局長 阿部知子





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