10月3日(土)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。
ついに3連敗、なかなか手強いです。
概況を記します。
天気:曇り(時々晴れ間あり)
調査時間:8:06から14:10まで
調査結果:カンムリウミスズメ 0
今回は前回の失敗を教訓に出港前から雨合羽を着用して臨む。出港後、Yさんに島に上がれるか聞くと朝一番ならということなので、懸案だった島へのソングメーターの設置をすることに。設置予定の岩場にはMさんとTさんが上陸する。私たちは船上で待機。待ち時間が退屈なので、周囲で鳥を探す。遠くの岩棚にアオサギがおり、近くをイソヒヨドリが飛び回る。ヒヨドリも林の中でピーヨ、ピーヨの声を上げている。島の上部の林の上をカラスバトが飛び回っている。
Mさんたちがソングメーターの設置作業を終え、近くの洞窟へ入った後、洞窟の入り口付近から茶色っぽい鳥が近くのノシランの繁みへ飛び込むが、動きが早く、目立つところに止まってくれない、その上、近くをイソヒヨドリも飛び回るので紛らわしく、種が同定できないでいた。しばらく見ていると、どうも動きが鳥ではないような気もしてきて、コウモリなのではと皆に言ったところ、あんな大きなコウモリがいるのと言われた。そのうち洞窟内に飛び込む姿も確認でき、洞窟内に二人が入ったため、飛び出してきたものと確信でき、不明鳥の謎がとけた。
Tさんの話では、洞窟は人工的に掘られたもののようで、幅約1メートル、高さも約1.8メートルで約40メートルの奥行きがあったと。4匹のコウモリがぶら下がっていたということなので、その個体が驚いて飛び出したようである。私たちが日暮れに見かけるアブラコウモリよりはるかに大きく見えたが、今のところ何コウモリかは分からないとのこと。洞窟内には1メートルを超えるヘビ(アオダイショウ?)もいたらしい。
少し、時間をくったが気合を入れ直して、カンムリ探しに挑む。海域、沖合と見て回ったが、遠くに鳥を見つけてもウミネコであったりと、なかなか手強い。
久しぶりに自衛隊の艦艇を見つけたので、遠かったが話のネタ用に撮影する。艦船の番号から訓練支援艦くろべという船と分かる。
北上している時、左舷、遠方に数羽の海鳥が列をなして飛んでいるのが見えた。飛び方からオオミズナギドリのようなので、船をそちらの方へ進めてもらうことにした。その海域までは距離があり、なかなか着かない。そのうち飛んでる姿が見なくなってしまった。近くに降りているのではと、海上を双眼鏡で丁寧に探し続けたところ、左前方に着水している小群を見つけ、船を近づけてもらう。カメラを用意する間もなく、飛び立たれ、着水時の写真は撮れなかった。
6羽の群れで、時期的に考えると繁殖個体群と思われ、ヒナもかなり大きくなって餌の要求量も増しているだろうに、近場で餌がとれるのだろうか。この種は餌を求めて何百キロも飛び回るらしいが、大学の調査では、近場を行動圏としているとは聞いているものの心配になる。
その後も回ったが、カンムリの気配はない。最後に西岸から西方に船を進めていると潮の止まった広い海域に入り、期待をして、四方を見回したが、怪しい影は見つからなかった。Yさんのお客さんを3人、それぞれの釣り場で拾い寄港したが、私たちの「鳥果」に比べ、結構な釣果であった。
今回は、8時出港ということで、自宅は5時40分に出ましたが、待ち合わせ時間に遅れてはいけないという潜在意識のためか、2時半ごろに一旦目覚めてから、再度休んだものの、眠ることができず、睡眠不足のままの調査入り。その上、お弁当屋さんが時間を間違えていて、当日は弁当がなく、昼食・休憩なしの6時間、ぶっ続けの調査となりました。さすがに昼前頃には睡魔が訪れ、時々、意識がない時間もあったように思います。家を出て12時間後の帰路、自宅まであと1キロくらいのところを自転車で走っていると、右手の小河川の土手に生えた木の上にノスリを見つけ、少し後戻りをして写真を撮りました。ノスリは当地区では冬鳥で秋にやって来て春にいなくなります。
(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。