2020年07月30日

7月のカンムリウミスズメ調査報告3

7月30日(木) 天気:晴れ

調査時間:11:40から15:35まで

調査結果:カンムリウミスズメ 2


霧が晴れるまで港の周りで待機。港の中にカワウがいたので餌取りシーンを狙う。運よく魚を咥えて浮上してきたところを写すことができた。魚種は赤みがあるのでカサゴのようだがよくは分からない。梅雨明けしたようで、日差しもきつく、漁具倉庫前の陰に入る。近くではアブラゼミやミンミンゼミも鳴いている。コシアカツバメが飛んでいたので、営巣場所を探すが、同種が巣を作りそうなコンクリート造りの建物も見つからず諦める。上空を旋回しているトビの中に1羽、トビとは違う大型のタカが交じっているのだが、高空であることに加え、太陽が眩しくて同定できない。とりあえず写真を撮って拡大してみようとカメラを出すと、上空の気流に乗ったのか見失う。タカ斑が見られたので、大きさを考えるとハチクマあたりが候補に挙がるのだが、証拠写真がないので何とも。ハシブトガラスが近くの電線に止まっていたが、私たち同様、暑いのだろう、ずっと口を開けたままだった。11時過ぎに早昼を摂る。多少、霧も薄らいできたので、食事を済ませた頃には何とか出港できそうである。シーパラのウッドデッキで弁当を食べている時、対岸の岩の上にいるアオサギを見つけたので、撮影する。排泄行動が見られたが、タイミングが合わず、取り損ねた。


bアオサギ幼鳥?200730.jpg


海上はとても穏やかで、ほぼ、べた凪に近い。いいコースを走っていると思うのだが、カンムリの姿はない。時折、ウミネコが見られるのみだ。海上の黒っぽいものを探していると、今日は波がないせいか、サメがやたら目に付く。延べ10匹は見たと思う。大型魚(サワラ? シイラ?)もはねており、今回は、小魚の群れには出会わなかった。なかなか今日は手強い。

ジグザグ走行している時(1時25分頃)、ゴミか鳥か分からなかったが、船を寄せてもらった。その時、ちょうどカンムリが飛んできて、前方海上に着水した。私の見つけたのは流木のようだったが、そちらへ船を回したのが幸いし、本日、1羽目の確認となる。この飛んできた1羽は、羽衣の様子から幼鳥のようにも思えたが、とにかく警戒心が強く、短い冠羽を立てて、すぐに飛んで行ってしまった。しかし、この1羽の出現で、Yさんの記録を途絶えさせることがなくなったので、気持ちに余裕を持って、調査を再開することができた。


b飛び去るカンムリウミスズメ200730.jpg


海上を北上していると猛スピードで走行してくる船があり、双眼鏡で確認すると巡視艇だった。これまで自衛艦は何度か紹介しているので、写真に収める。船艇の表記は海上保安庁JAPAN COAST GUARDとあるが、米国のCOAST GUARD(沿岸警備隊)は政府の警察組織であるとともに米軍の一部門でもあり、れっきとした軍隊である。

その後、大回りで見て回るが、カンムリの姿は見られなかった。島周辺を双眼鏡で見回すが、アマツバメが飛んでいる様子はない。近くの岩場にウミネコらしき鳥と島の上部の岩棚にミサゴと思しき鳥を確認できたのみ。帰港体制に入ったので、期待はせず、左右の海域を一応、双眼鏡で確認する。港に着岸するまでが調査なので。

島を過ぎ、しばらく行った辺りで、左舷にカンムリらしき鳥を見つけ、船を近づけてもらう。やはり、カンムリだった。この個体は、始終、水面を覗き込むので、なかなか顔を上げた写真を撮るのに苦労する。沖で出会ったカンムリとは対照的に余り警戒心のない個体だった。容貌も少し違い、成鳥の換羽中かと思われるが、断定はできない。


b水中を窺うカンムリ200730.jpg


帰港中の思わぬ拾い物に船長さんの強運を改めて実感する。帰港後、Yさんが、「この時期、船が走っている間は良いが、撮影会が始まると暑くてたまらん。早く切り上げてもらわんと…」と冗談交じりにぼやいていた。私たちは興奮しているので、撮影中に暑さは感じないが、本当にそうかもしれない。港には風邪気味で調査の参加を見合わせたKさんが待っていて、一安心する。Oさんに柳井駅まで送ってもらい、運よく待ち時間なしで列車に乗れたので、明るいうちに帰宅することができた。これからの調査は、鳥が少ない上に、暑さが半端ないので、気合を入れてかからねばならない。無理は禁物だが。



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2020年07月18日

7月のカンムリウミスズメ調査報告2

7月18日(土) 天気:晴れのち曇り

調査時間:12:30から16:35まで

調査結果:カンムリウミスズメ 10


前回が余りにラッキーだったので、柳の下の泥鰌は望めないと覚悟はして調査に臨んだ。白浜港を出港後、横島の北岸に地滑り箇所があるのに気づく。先週たくさんカンムリが見られたので、気合を入れ直す。しかし、双眼鏡を駆使して懸命に探すも、なかなか見つからない。先週あれだけいたのがウソのようだ。

左舷に1羽のカンムリを見つける。この個体は警戒心が強くかなり距離があるのにどんどん遠くへ行ってしまう。しばらく追ったが、近づくのは難しそうなので諦める。

その後、船を進めていると前方に魚の群れが見られる。先週見たハマチの群れよりは小さめの群れだった。ヤズ(ハマチより小さいブリの名称)の群れとのこと。しばらくして右舷遠方にカンムリらしき姿を見つけ、船を寄せる。手前の釣り船の横にウミネコがおり、その右手後方に2羽のカンムリを確認する。このペア?は、先ほどの個体のように警戒する様子もなく、じっくり写真撮影することができた。調査前は「坊主」も覚悟していたが、順調な滑り出しである。

この日の大事なミッションであるコウモリ用のソングメーター設置のために、島には3人が上陸し、機器を設置。私たちは船上からミサゴやカラス、アオサギの姿を眺めて待機。3人を拾って、再び、カンムリ調査を開始。コウモリの生息調査は、オヒキコウモリねらいであることを船上で聴く。

船を進めていると左舷に1羽でいるカンムリを見つける。先ほど1羽でいた個体とは違って、警戒心の薄い個体だったので、別個体と思われる。尾羽をピンと上げた姿がバン(クイナの仲間)と似ており、バンは警戒すると尾羽をピクピクさせながら泳ぐので、案外、警戒はしていたのかもしれない。

しばらく進んで、沖合に4羽の群れを見つける。どうも家族群のようだ。成鳥2、幼鳥2の組み合わせが、羽衣(換羽の進行状況)から伺える。


bカンムリの換羽の進行具合が分かる一枚200718.jpg


4羽の観察を続けていると、右手に魚の群れが現れる。ヤズか何かは分からないが、目ざとくウミネコが見つけ、何羽かが集まってくる。群れの中に着水するが、見ている限りでは、魚を捕まえた様子はない。どうも対象が大きすぎて、咥えられなかったのかもしれない。そのうち諦めたのか、近くには幼鳥が1羽残っただけで、他のウミネコはいなくなる。


bカンムリの群れとウミネコ幼鳥200718.jpg


カンムリの群れに目をやると、突然、潜ったので、どうしたのかと思っていると、ウミネコの幼鳥がカンムリの頭上をかすめたのである。このサイズのカンムリを襲うとは思えなかったが、この群れが家族群だとすると、ヒナ連れの時は要注意というスイッチが入るのかもしれない。ヒナが小さいうちは、襲われてもおかしくないからだ。


b上空をかすめたウミネコを警戒して潜るカンムリ200718.jpg


4羽の観察を切り上げ、船を進めていると、今度は2羽でいるカンムリを見つける。同一海域を回っているので、先に見られた2羽と同一個体かもしれないと思っていたが、撮影した画像を見る限りでは、羽衣の感じが違うので、新規のものと思われる。

先週、11羽の群れを見た周辺では辺りを目を皿のようにして探したが、「柳の下の泥鰌」であった。と言っても二けたの発見は、やはり「大漁」であることに変わりなく、毎回の好結果に気持ちよく帰港できたのは想像に難くない。


調査の終了時間の関係で、帰宅が19時半頃になり、日没前となったため、今季初、「カナカナ」(ヒグラシの鳴き声)を聴くことができました。



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2020年07月12日

7月のカンムリウミスズメ調査報告1

7月12日(日) 天気:曇りのち雨

調査時間:9:30から15:05まで

調査結果:カンムリウミスズメ 43


白浜港を出港してすぐ、海上に黒っぽいものが見え隠れする。初めは船の波かと思ったが、双眼鏡で確認するとスナメリだった。最初の目的地が近づいてきた時、右手に鳥の群れを見つける。船を近づけてもらうと何とカンムリウミスズメの群れだった。私はこれまでカンムリが群れでいるところを見たことがなかったので、当初は、早めに繁殖地から戻ってきたアカエリヒレアシシギの群れかなと思っていた。数えると11羽いて、それも一列に並んで、一見、ソーシャルディスタンスをとっているのかようだった。こんな機会はまたとないと思い、とにかくシャッターを切りまくった。これで調査を終えて帰ってもいいくらいの気持ちになったが、まだ調査開始から20分くらいしか経っていない。


bカンムリウミスズメ.jpg


再び船を進めていると左手に1羽でいる個体が見つかる。すぐ後、Yさんが沖にハマチの群れを見つける。その光景は漁師の間では「海が鳴る」と言うらしい。やっと着いた島の周りではアマツバメが群舞している。船を回していると磯にいた1羽のウがヒメウであることに気づく。ヒメウは本来、冬鳥とされており、この時期に考えられないが、これも記録なので、証拠写真を撮る。岩場に登り、アマツバメの繁殖状況を確認。鳥に負荷をかけたくないので、短時間の観察で調査を終え、カンムリの調査を再開する。

その後、沖で2羽のカンムリが見つかったが、この2羽は警戒心が強く、撮影には困難を極めた。そのまま港へ船を着け、早昼を摂ることに。入港時、定期船の船着き場の後ろの山が地滑りしているのに驚いた。先日の雨で、平郡島では道路が寸断されていると聞き、この辺りも相当雨が降ったようだ。待合所に作っていたツバメの巣はもう巣立ったようで空っぽだった。天気は相変わらずよくないが、みんなの顔は明るい。

12時半過ぎには午後からの調査を開始。すぐにカンムリが見つかる。とにかく海にゴミが多く、紛らわしいが、左右に、前方にとざっと14羽数えることができた。離合集散し、最大9羽になることもあった。また、小魚を追って潜水を繰り返す場面や潜った後に海水を切るのか羽搏く場面が繰り返し見られた。家族群と思われるきれいな顔をした幼鳥を伴った群れもいた。とにかく換羽の進み具合がバラバラで実のところハッキリと断定はできないが…。


bカンムリウミスズメ家族群?.jpg


その後も少し進むと、また見つかるといった状態であった。カンムリが出ない時なら見てもらえるウミネコもこの日ばかりは見向きもされないという感じで、ゴミの上に止まった姿を話のタネに写しておいた。

また今回も自衛艦が沖を航行していたので撮影する。ネットで調べたところでは、呉を母港とする輸送艦(おおすみ型)の「くにさき」だった。航空機には鳥の名前を使ったもの(オスプレイ=ミサゴやハリアー=チュウヒなど)があるが、艦船は地名が多いようだ。ついでにゴルフの用語には鳥に関するものが多い。例えば、イーグル=タカ、アルバトロス=アホウドリ、ブービー=カツオドリなど、ボールが飛ぶ競技だからかもしれない。少し脱線したが、大きな「戦果」をあげて帰港できたことを心から喜びたい。

船長のYさんは、これまで調査に出て100%カンムリに出会ってるそうで、連続記録を更新中とのこと。出港の度に、プレッシャーがあるとも。あらためて強運の持ち主=Yさんに感謝、感謝である。


bカンムリウミスズメ羽搏き.jpg



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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