3月13日(金) 天気:曇り
調査時間:10時から15時45分まで
調査結果:カンムリウミスズメ1組、計2羽
白浜港を出港後、横島西方でアビ類の群れに遭遇。船のすぐ横にも現れたが、後ろ頭ばかりでうまく写真が撮れない。やはり船を近づけると警戒するのか、みんな潜ってしまい、そのうちどこに行ったのか分からなくなる。少し進んだところでUさんの船に出会う。Uさんも獲れたてのトラフグを手に笑みがこぼれる。
沖に向かって船を進めていると遠くに着水した海鳥の小群を見つけるが、すぐに飛んでしまい、何とかウミスズメの群れであったことだけは確認できた。それからも何度となくウミスズメの群れに出会うが、近づかせてくれない。
お昼を島でということで船を進めていると11時40分過ぎ、芥子粒ほどの2羽を見つけ、船を寄せる。飛んで逃げる様子もなく、双眼鏡でもカンムリウミスズメであることが確認できる。やったー! べた凪の時には、遠くまで見渡せるのに意外とカンムリが出ないことが多く、さらにウミスズメがたくさん出た時にはカンムリがでないことが多いという二つのジンクスが破られた瞬間であった。
入港の際、防波堤に足の黄色いセグロカモメを見つける。これで昼食後の楽しみもできた。食後、防波堤に一番近い所まで行って、証拠写真を何枚も撮る。あまり動きもなく角度の違う写真が撮れないまま、件の鳥は座り込んでしまい、午後の調査開始となる。しかし、防波堤にやってきたカワウやアオサギの写真も撮れたので、まあ、いいか。
午後からは、午前中1組ではあったがカンムリが確認できたので、余裕も出て、田ノ浦にスギモクの開花状況を確認しに行くことになる。やっと見つけたスギモクの写真は上手く撮れなかったが、東方の岩礁で休むウの群れの写真が撮れ、後で確認するとヒメウも写っていた。
途中、前方にウミスズメの群れが次々と現れ、本当に右に左にという感じで、こんなにウミスズメをたくさん見るのは久しぶりであった。午前中、Mさんの記録では130羽を超え、午後からはダブルカウントはあるとは思うが、結果的にトータル400羽超えとなったのである。撮影した写真を添付したが、この時期はウミスズメの夏羽個体が交じっていて、本当に紛らわしい。よく見ている人でないと、間違えてもおかしくないくらいなので、皆さんもよく見比べてみてほしい。
因みに黄色い足をしたセグロカモメは「タイミルセグロカモメ」と言われるものではないかと考えている。これは正式な亜種ではないが、セグロカモメ(亜種セグロカモメ)とニシセグロカモメ(亜種ヒューグリンカモメ)の交雑種という見解もあり、分類は変わっていくので、今後、研究が進むことを期待している。
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。