研究者のTさんがカラスバト調査をしている島に近づくと近くの岩礁にウが2、3羽休んでおり、
別の岩場にはウミネコが2羽いた。
前々回、ヒヨドリを見張るハヤブサがいた隣の岩場に同じようにしている鳥が見えたので双眼鏡で確認する。ハヤブサのようだ。
船が近づいても飛び立つ様子もなく、山中を凝視している。
Tさんが「サブロー」と声を掛けても反応はない。サブロー? 何でと思っていたら、Tさんの話では、船長さんが件のハヤブサの鼻の穴が大きかったので「(北島)三郎」と呼ぶことにしたらしい(北島さん、ごめんなさい)。
ハヤブサの止まっている岩場を通り過ぎてすぐに、ヒヨドリの群が現れ、島の西側に飛んで行く。
ハヤブサに追いかける様子は見られない。私たち同様、不意を突かれた感じなのかもしれない。
そのうちヒヨドリの群は島から飛び出していった。
画像で確認すると200〜300羽の群だった。
研究者のTさんを降ろし、私たちは調査機器の交換等の作業が済む間、隣の島を巡って時間を潰す。
近くには何艘もの釣り船や磯には何人もの釣り人が見られた。
近くには何艘もの釣り船や磯には何人もの釣り人が見られた。
沖合を豪華客船が通過する。
船名を確認するとMITSUI OCEAN FUJIとあった。どんな人たちが乗っているのだろう。私のような貧乏人ではないことだけは確かだ。
先ほどのヒヨドリの群は九州方面に向かっていたが、明らかに四国方面に向かう一群も海上では見られた。
釣り人の周りに集まったウミネコや磯から飛び出したクロサギなど見られたが、
定番のミサゴは一度も見かけなかった。
研究者のTさんを回収に向かっていると、尾根の辺りをハヤブサが何度も旋回する。
研究者のTさんを回収に向かっていると、尾根の辺りをハヤブサが何度も旋回する。
ハヤブサは2羽おり、ヒヨドリに動きはない。しばらくして島の西側から数十羽のヒヨドリが飛び出すが、また戻ってくる。
群の「気分」がまとまらないようだ。そのうちまた海上に飛び出す、今度は戻ってこないところをみると、「気分」がまとまったようだ。
ハヤブサも簡単に獲物は捕らえられないみたいで、自然の厳しさを感じる。
研究者のTさんを迎えに入り江に入ると、慌ててウが飛び立った。
華奢な姿態だったので、すぐにヒメウだと分かる。
島を離れ昼食・休憩のため祝島方面へ向かうが、波が出てきて飛沫も浴びるようになってきた。祝島に入港するまでほとんど鳥影はなく、祝島の防波堤にはカラスとウミウの若鳥が1羽いただけ。
午後からの調査は、波の影響で沖へは進めず、激しい船の上下動に耐えながら、やっとの思いで横島近海までたどり着いたという塩梅で、午前中に出会ったウミネコの群と横島の先で出会ったのみ。
最後に海自の救難飛行艇を撮影して調査終了。
今回もカンムリとの出会いは果たせなかった。Tさんは、何とかこの12月にもう一度チャレンジしてと言っていたが、私は自らを鼓舞するだけの気力が湧かない。
(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)
※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。