2021年07月20日

7月のカンムリウミスズメ調査報告3

7月20日(火)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。

久しぶりのカンムリ調査、前日に13羽出たとのことで期待したのですが、2羽確認にとどまりました。

概況を記します。


天気:晴れ

調査時間:9:34から14:45まで

調査結果:カンムリウミスズメ 2


天気は快晴、海は穏やかで、遠くまで見通しの効く好条件。船長は前日の傾向からカンムリは沖合だろうとの予測。確かに出港後から、海面に浮かんでいるウミネコやカワウが遠目に見られるが、カンムリらしき姿は確認できない。さすがに沖合に出ると航路筋を行き交う大型船の通行による波が時折あって、その時だけは船が大きく揺れる。潮止まりの海域の浮遊物も丹念に見るが、なかなかヒットしない。

かなり沖合へ進んだところで進路を東に変えてしばらくした時、「そこにいる」、「2羽」の声でカンムリに気づく。


カンムリウミスズメ210720.jpg


カンムリウミスズメ210720-2.jpg


あれだけ左右前方を双眼鏡を駆使して、見回していたのに気づかなかった。7月初めに撮影されたカンムリの画像を見て、この時期になると換羽が終わって非繁殖羽に変わった個体ばかりだろうと思っていたが、個体差なのか、この2羽、完ぺきな非繁殖羽とは言い切れない羽衣だった。

話がそれるが、いつも使っているカメラに不具合があって修理に出しているため、今回は不慣れなサブ機のみでの撮影となった。このサブ機は、これまでも何回か調査で使っていて、それなりに動きのある鳥の一瞬をうまく捉えた写真も撮れていたのだが、使い慣れればもっといい写真が撮れるのではと、事前にカメラの取説に目を通し、いろいろと設定を変えてチャレンジしてみた。

しかし今回は、それがあだとなって設定を変えて撮影したものは全滅に近い結果となった。やはり欲を出さず、いつも通りで行くべきだった。いくらかカメラの機能が分かったので、今後、別の場面では役立つかもしれないが、船も鳥も揺れており、シャッタースピードを考えて撮影しないとダメだと改めて痛感した次第である。シャッタースピードを上げると、どうしても絞りが絞り込めないので、ピントが浅くなる。2羽いるような時に、2羽ともジャスピンで撮るのは難しい。

今回、天気も良かったので絞り優先にして少し絞り込んで撮影してみたのだが、シャッタースピードが動きに負けてしまった。もう一点、オートフォーカスの設定も変えてみたことも敗因の一つになっている。徹底して動きのあるもの向きの設定に徹するべきだったということだろう。

その後も、前日のように1羽でいる個体やグループになっているものを念頭において探したが、まったく気配が感じられなかった。

昼食・休憩のため立ち寄った島では、アマツバメが5羽、島の周りを飛び回っていた。


膨らんだ喉のアマツバメ210720.jpg


近くの岩礁ではウミネコの小群が休息していたが、安全な距離と踏んでいたのか、船の航行をまったく気にする様子はなかった。

進んでも進んでも一向にカンムリは見つからない。近頃、「黙食」というのが推奨されているが、船上も「黙視」状態。雰囲気は悪いが、出ないものは仕方ない。最後にアマツバメの繁殖地を観察して早めに帰還する。翌日からの行事の準備があって船長も忙しいらしい。



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。




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2021年07月19日

7月のカンムリウミスズメ調査報告2

7月19日(月)

カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。


調査時間 10時から16時まで

調査結果 カンムリウミスズメ13羽(1+1+1+1+2+7)


梅雨明けしたといいながら雨が続き久しぶりの調査。


210719-1.jpg


出航して1時間船長がいきなり「ここ、ここ」と指を指す方向を見ると船のすぐ横を泳いでいる。

船長曰く「衝突しそうになった!」

船長が逆光にならないようにいろいろな角度で撮影ができるようにカンムリを中心にぐるりと弧を描くように操縦。

プロの漁師の技であるが、カンムリは常に横顔か後ろ姿。

今日は大波ではないが小波でさざ波を少し大きくした程度であるがカンムリの顔は見え辛い。

1時間走らせ八島で昼休憩。午後は一段と日射しが強くなった。

すると船の左下後方に8時の位置にカンムリらしきものを確認。

船長に引き返してもらったがカンムリがすぐ飛び立った。

眺めているとすぐ近くに着水したので撮影。

さらに3分後1羽のカンムリ確認。今日はカンムリ1羽が多い。


210719-3.jpg


距離、方位でダブルカウントはないはずである。

5分後さらに1羽確認。人懐こいカンムリである。

落ち着いていて時々こちらの様子を窺ってくる。

正面に顔を向けてくれるのも珍しい。

まだ幼く世間の荒波の怖さを知らないのか?別れ際にこちらを向いてあいさつもしているのだ。

小波が落ち着きべた凪に変わった。

今まで1羽が4回となぜか1羽だったがやっと2羽にペアを確認。


210719-2.jpg


1羽だと不安であるが2羽だとなぜかホットする。2羽はいつも動きが一体。

1羽がもぐればもう1羽、向きを変えるのも一緒である。

さらに船を走らせていると前方に7つの黒い杭らしきものが並んでいる。

よく見ると7羽のカンムリがきちんと間隔をあけて横一列、まさにソーシャルデイスタンスである。

7羽の群れも久しぶりであった。

昨年のこの時期の11羽の群れ、さらにそれ以前の5羽の群れ。

よくわからないが、カンムリは5羽以上になると横一線になる習慣があるのか?

そんな事を考えながら、16時白浜港に帰った。



(この調査は、パタゴニア日本支社 環境助成金 を受けて行いました)


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



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2021年07月16日

田ノ浦座り込み報告 12日目

7月16日(金曜日)


今日はいつもより早く9:00より作業開始である。

ショートムービー撮影中の大学生2人も同行だ。

中電の船3隻の前で祝島の漁船10隻ほどが釣りをし、説得船がいつも通り1隻ずつ廻っている。

これまでと違うのは司令船が何度か祝島船団に近付いていることだ。

まさか強行突破を狙っている?と双眼鏡を凝らすが、どうもそんな雰囲気ではないようで安堵する。

大学生たちが私のインタビューを撮りたいというので「どこで?」と聞くと「美登里さんの一番好きな場所で」と言われ、即座に「ここよ!」という言葉が口を突いて出た。

思えばどんなにこの田ノ浦の命のささやきに勇気付けられてきたことか!

彼らと話しながら東側の浜伝いを歩く。

「この付近一帯は埋立工事施行区域です。危険ですから立ち入らないでください。」という中国電力の看板が訪れる者を威嚇するように立っている。


中電看板210716.JPG


2011年のフクシマ以降、埋立工事は進んでおらず、中電は仮桟橋を除いて海岸の占用許可を取っていない。だから海岸は公共物であり誰が入っても良いはずなのだ。


湾の東端に通称「ダイノコシ」という小島がある。

この小島は当初の計画では削られて平地になる予定であった。


ダイノコシ210716.JPG


ところが、1999年に環境アセスメントの準備書が公開された際に植物の研究者たちが「ここのビャクシン群落は自生地として貴重なものである!」と指摘し、計画に異議を挟んだ

すると、中国電力はダイノコシを削らず、周りに水路を巡らす計画に変更した。果たして小島を残すだけでビャクシンは生き残れるのか?

カンムリ調査で島々を巡るが、ビャクシン群落があるところは限られている。

それだけ独特な環境にしか適応できないことを表している。

いかにも場当たり的なお粗末な保全措置というしかないと思う。


13:00に中電から祝島へ「今日の作業は打ち切り。当面の間、調査は見合わせる。」と通告があったと連絡が入った。

何が理由なのか?一体、どのくらいの期間なのか?きつねに包まれたような気持で坂道を上る。

ともかく、祝島の方たちを中心とする現場での行動やいろんな形での世論の後押しが功を奏したのだと思う。

みんなで勝ち取ったボーリング調査の一時延期である。

「ひとまずはお疲れ様!」とでも言うようにノシランの花が涼しげに咲いていた。


ヤブラン210716.jpg




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