2020年06月20日

6月のカンムリウミスズメ調査報告2

20年6月20日(土) 天気:曇りのち晴れ 

調査時間:10:20から17:00まで 

調査結果:カンムリウミスズメ 2


クロサギの繁殖確認をするため、南岸の岩場を船上から双眼鏡で探す。怪しそうな箇所はあったがクロサギ自体が見られない。ミサゴが頭上を飛び回る。4羽見られたが、親鳥と巣立った幼鳥のようだ。その後、飛んで行くクロサギを目撃したが、戻ってくる様子はない。回り込むとミサゴの動きが活発になる。しかし、木に止まったり、巣に止まったりして休む個体がいる。写真を撮って確認すると休んでいるのは幼鳥のようである。あまり長くは飛び回れないのかもしれない。ワシタカの識別図鑑によると幼鳥の特徴として「雨覆の先端が尖っており、羽縁は淡褐色」とあるので合致する。

昼食となる。曇っていた天気も昼前から晴れてきて、景色は素晴らしく、「絶景かな、絶景かな」というところ。時々、ミサゴが頭上を飛び回ったり、アマツバメが舞ったり、上陸時に岩場にいたカルガモは海上へ出て泳ぎ回っているし、海上を飛ぶクロサギも見られた。Mさんは上陸せず船で沖合にいたが、その後方を自衛艦が通り過ぎた。写真に写っていた船の番号を調べたところ、呉を母港とする護衛艦(あぶくま型)「とね」だと分かる。こんなことはどうでもよいが、かつての「ミリタリーおたく」としては調べないと気が済まないのだ。

昼食後、岸壁から周囲の景色や鳥の写真を何枚か撮り、午後の調査へ。この海域は前回の調査でもカンムリが見つかっており、注意深く海上を探す。目が多いのになかなか結果が出ない。自然を相手のことだから仕方ないとは分かっていても焦ってしまう。とくにK船長の船での調査はこれが最後かと思うとよけいに焦る。調査メンバーを下した後、今度はスナメリの音響探査で東方に船を走らせる。地寄りなので、カンムリの期待はできないが、これまで調査で行ったことのない場所だったので、岩場に鳥の糞の跡を見つけたり、崩落箇所に見入ったり、それはそれで得るものもあった。

スナメリの調査が済んだ後、Tさんが岩場に糞のあったところをよく見てみたいと船長に頼んで引き返してもらった。K船長は、カンムリの調査にさく時間が少なくなっていることを気にされて、すぐにでも船を進め、周回後に行く予定でおられたように見えた。近寄ってみると糞の近くに繁殖の痕跡はなく、大型の鳥が止まり場にしているようで、ちょうど近くからミサゴが飛び出し、今後も注視していこうということになった。

時間も時間で調査メンバー回収のため直行コースをとる。そんな「寄り道」が功を奏したのか、走り始めて程なく、Tさんが船の右舷すぐそばに2羽のカンムリウミスズメを見つける。時間はあるので、写真をしっかり撮られてくださいと連絡が入る。K船長も寄り道が良かったと笑みを浮かべておられたので、出てくれたカンムリに感謝、感謝である。この2羽は写真にあるようにほぼ換羽状況は同程度で、幼鳥も疑ったが、Tさんの話では頬(目の下あたり)に僅かではあるが黒い羽毛が残っていることから成鳥のようだと。月ごとの写真を整理すると成鳥、幼鳥の区別に役立つだろうともおっしゃっていたので、周年観察できるこの地の利点を活かして、今後、学術的貢献もできそうだ。調査が入ったので、島で営巣するアマツバメが一斉に飛び出していたのか、いつもよりたくさん(20+羽)の数が見られた。最後の航海にカンムリが花を添えてくれたことを、心に刻んで帰港したのは私だけではなかったと思う。

帰港後、K船長と船に長年の感謝を込めて、お礼の花束を皆から送り、私からは熊本から取り寄せたアマビエの団扇をプレゼントした。K船長、これまで本当にありがとうございました。


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。


bカンムリウミスズメ200620.jpgbミサゴ幼鳥200620.jpgbカルガモ020620.jpg

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2020年06月06日

6月のカンムリウミスズメ調査報告1

20年6月6日(土) 天気:曇り

調査時間:9:45から15:10まで

調査結果:カンムリウミスズメ 1


今回も運よく海域でイルカの群れに出会う。このイルカ、マイルカの仲間でハセイルカという種らしい。Rさんが前回、W先生が教えてくださったのを覚えておられ、忘れてはいけないと手帳にメモをした。前回同様、ジャンプのタイミングとシャッターのタイミングが合わず、良い写真は撮れなかった。その群れの近くで1羽のアビ類(シロエリオオハム?)が見られたが、これもうまく写せなかった。波もほとんどなく海面も白っぽく、鳥を見つけるにはベストな状態なのに、なかなか手強い。アマツバメは確認できなかったが、いつものようにミサゴが迎えてくれた(歓迎はしていないようがったが…)。クロサギの繁殖の気配は相変わらずなく、つがいと思われる2羽のイソヒヨドリが飛び回っているだけだった。船を進めている時、灯台下の海面にカルガモが浮かんでいた。カルガモも海上にいないわけではないが、結構、沖合の島なので証拠写真を撮る。カモメ類もウミネコだけになってしまい、楽しみも半減(足の黄色いセグロカモメで楽しませてもらったのが懐かしい)。

午後の調査の手始めに、クロサギの繁殖状況を確認に行く。釣り人が岩場に見られたが、昨年使った巣に糞の跡などの形跡がないことから、今年は場所を変えたのかもしれない。ミサゴの巣の確認も船上から行う。1羽が警戒して飛び回る。巣を双眼鏡で確認すると、2羽が並んで外を見ている。ヒナだろうか、目つきは鋭く、体もほぼ親鳥くらいはあるようだ。しかし親鳥なら私たちが近くにいるのを見過ごすはずはなく、おそらく巣立ち前のヒナ(幼鳥)なのだろう。以前、クロサギが3羽いるのを確認した側を見て回ることに。反対側からミサゴの巣を見ていると、近くからクロサギが1羽飛び出す。その付近を丁寧に見たが巣らしいものは発見できなかった。すぐ戻ってきたので、ひょっとすると近くで繁殖しているのかもしれない。今後も気をつけて見ていく必要がありそうだ。カルガモを見つけたが、このカルガモ、光線の加減かもしれないが、首から胸にかけて赤みを帯びていた。別種でアカノドカルガモというのがいるらしいが、こちらは頭部や顔にも赤みがあり、沖縄での観察記録がある。全く関係はないと思うが。

その後、本業のカンムリ探しに戻り、再び、「目を皿のように」「鵜の目鷹の目で」海上を見渡す。潮が止まったような状態のところは浮遊するゴミが多く紛らわしい。こうしたゴミの多い海域で見つかる鳥もいるので、要注意である。船の前方にゴミではなく1羽の鳥、それもカンムリウミスズメを見つけた。もう今日はダメかと諦めかけていた中での発見で、一同胸をなでおろす。アマツバメが乱舞とはいかなかったが、8羽が飛び回っていた。今回も、そのスピードについていけず、ベストショットを逃してしまう。結果的には何やかやと鳥が見られ、いい調査だったということなのかもしれない。

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。


bカンムリウミスズメ200606.jpgbアマツバメ200606.jpgbハセイルカ200606.jpg

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2020年05月23日

5月のカンムリウミスズメ調査報告4

5月23日(土) 天気:晴れ

調査時間:10:50から16:50まで

調査結果:カンムリウミスズメ 3


最初の出港はアクシデントはあったが、幸運にもイルカの群れに出会うことができた。群れは四代沖から八島方面に向かって移動して行ったが、一度、小群が船のすぐ近くまで来てくれて、辛うじて証拠写真を撮ることができた(なかなかイルカの飛び上がりとシャッターのタイミングが合わず、八島側の画像は動画から静止画にしたもの)。一体、何頭くらいいたのだろうか。大きな群れを間近で見るのはDVD制作のための撮影時以来だった。

本日2度目となる航海。1度目より幾分、波も収まってきた。はるか遠方に潜水艦と思しき船影が水しぶきを上げて進んでいる。鳥が出なかった時の話題に何枚か望遠で撮影する。アマツバメとミサゴの繁殖状況を確認に行く。ミサゴは何時ものように船が近づくと警戒し、鳴き声を発しながら上空を旋回する。最初は巣についていた1羽だったが、しばらく見ていると、どこからやってきたのか、もう1羽現れる。アマツバメの姿は見られない。クロサギの巣があった場所も動きがない。クロサギの古巣の近くでイソヒヨドリが3羽、どういう組み合わせかは分からないが、どうも繁殖行動らしかった。

早昼を岸壁に上がって摂る。Yさんの船の時は何時も船上での昼食となるのだが、陸に上がっての食事はありがたい。蚊が多かったのは嬉しくなかったが、景色もよく、近くにイソヒヨドリの♀が来てくれたり、上空をアマツバメが飛んでくれたりした。船を島の周りで流していたYさんによると3羽のアマツバメが見られたとのこと。

午後の調査開始の最初に巣穴のあった近くをもう一度見るが、まったく気配がなかった。船を進めているとRさんが左舷に鳥らしきものを見つける。船を寄せてもらい、12時40分、2羽のカンムリウミスズメであることを確認。この2羽、換羽の進行具合が違い、ほとんど繁殖羽に近い個体と換羽進行中と思われる個体の組み合わせだった。4分後に、一羽が飛び去ったが、残った個体(換羽が進行中と思われる個体)は追いかける様子もなく、しばらく浅く潜水を繰り返していた。その後、大きく一周するように船を進め、カンムリを探したが、他の海鳥もウとウミネコがわずかに見られただけで、成果は得られなかった。

15時過ぎ、アマツバメの繁殖状況を確認に行く。途中、15時26分、右舷にカンムリらしき鳥を見つける。単独個体で、飛び去る様子はない、昼過ぎに見つけた、飛ばない方の個体とは換羽の進行具合が違うようなので、発見海域は近いが、一応、3羽目として記録する。W先生のみ上陸、驚くような岩登りで繁殖状況を調べられ、定点カメラも一部回収された。島に着いた時点ではアマツバメは見られなかったが、離岸の際、どこからともなく2羽現れ、上空を舞ってくれたが、あわてて撮影した写真はピンボケで使い物にならない。W先生の話では、卵はいくつかあったが、例年に比べ少ないとのことであった。白浜港に帰港すると、ホトトギスがすぐ近くで鳴いていた。Uさんの話では、夜も朝もうるさいくらい鳴いていると。先日の濃霧の日、船を出せず、シーパラで待機していると、皇座山方向から聴いたのが上関での初認だが、付近に居ついたようだ。

調査終了後、K船長のお誘いで、みんなで夕食をよばれることに。奥さんの手料理が、これまた大御馳走であった。食事前に撮影する習慣がないので、お見せできないが、メインはカニ(いそがに)、タコの刺身、カサゴのフライ、サザエ、ヤドカリ(私は食していない)、ピースご飯、柏餅。タコの刺身を自家製の山椒味噌で食べたが、この山椒味噌が絶品。


※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。



b換羽の状況の違う2羽200523.jpgb1羽が飛び去る200523.jpgb残った1羽が羽搏く200523.jpg

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