2024年12月21日

24年12月のカンムリウミスズメ調査報告18-2

研究者のTさんがカラスバト調査をしている島に近づくと近くの岩礁にウが2、3羽休んでおり、

241220ウミウ.jpg

別の岩場にはウミネコが2羽いた。

前々回、ヒヨドリを見張るハヤブサがいた隣の岩場に同じようにしている鳥が見えたので双眼鏡で確認する。ハヤブサのようだ。
船が近づいても飛び立つ様子もなく、山中を凝視している。

Tさんが「サブロー」と声を掛けても反応はない。サブロー? 何でと思っていたら、Tさんの話では、船長さんが件のハヤブサの鼻の穴が大きかったので「(北島)三郎」と呼ぶことにしたらしい(北島さん、ごめんなさい)。

ハヤブサの止まっている岩場を通り過ぎてすぐに、ヒヨドリの群が現れ、島の西側に飛んで行く。

ハヤブサに追いかける様子は見られない。私たち同様、不意を突かれた感じなのかもしれない。
そのうちヒヨドリの群は島から飛び出していった。

241220海上へ飛び出したヒヨドリの群1.jpg

241220海上へ飛び出したヒヨドリの群2.jpg

画像で確認すると200〜300羽の群だった。

研究者のTさんを降ろし、私たちは調査機器の交換等の作業が済む間、隣の島を巡って時間を潰す。
近くには何艘もの釣り船や磯には何人もの釣り人が見られた。

沖合を豪華客船が通過する。

241220大型クルーズ船.jpg

船名を確認するとMITSUI OCEAN FUJIとあった。どんな人たちが乗っているのだろう。私のような貧乏人ではないことだけは確かだ。
先ほどのヒヨドリの群は九州方面に向かっていたが、明らかに四国方面に向かう一群も海上では見られた。

釣り人の周りに集まったウミネコや磯から飛び出したクロサギなど見られたが、

241220クロサギ1.jpg

241220クロサギ2.jpg

定番のミサゴは一度も見かけなかった。
研究者のTさんを回収に向かっていると、尾根の辺りをハヤブサが何度も旋回する。

241220尾根の上を飛び回るハヤブサ.jpg

ハヤブサは2羽おり、ヒヨドリに動きはない。しばらくして島の西側から数十羽のヒヨドリが飛び出すが、また戻ってくる。
群の「気分」がまとまらないようだ。そのうちまた海上に飛び出す、今度は戻ってこないところをみると、「気分」がまとまったようだ。

ハヤブサも簡単に獲物は捕らえられないみたいで、自然の厳しさを感じる。

241220ヒヨドリの動きを見張るハヤブサ1.jpg

241220ヒヨドリの動きを見張るハヤブサ2.jpg

241220ヒヨドリの動きを見張るハヤブサ3.jpg

研究者のTさんを迎えに入り江に入ると、慌ててウが飛び立った。

241220船の接近に驚いて飛び立つヒメウ1.jpg

241220船の接近に驚いて飛び立つヒメウ2.jpg

華奢な姿態だったので、すぐにヒメウだと分かる。

島を離れ昼食・休憩のため祝島方面へ向かうが、波が出てきて飛沫も浴びるようになってきた。祝島に入港するまでほとんど鳥影はなく、祝島の防波堤にはカラスとウミウの若鳥が1羽いただけ。

241220防波堤の上で休むウミウの若鳥.jpg

午後からの調査は、波の影響で沖へは進めず、激しい船の上下動に耐えながら、やっとの思いで横島近海までたどり着いたという塩梅で、午前中に出会ったウミネコの群と横島の先で出会ったのみ。

241220ウミネコの群1.jpg

241220ウミネコの群2.jpg

最後に海自の救難飛行艇を撮影して調査終了。

241220海自の航空機.jpg

今回もカンムリとの出会いは果たせなかった。Tさんは、何とかこの12月にもう一度チャレンジしてと言っていたが、私は自らを鼓舞するだけの気力が湧かない。 


(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。


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2024年12月20日

24年12月のカンムリウミスズメ調査18

12月20日(金)、カンムリウミスズメの生息調査を実施したので報告します。
佳い一年の締めくくりになるようにと願ったのですが、願い叶わずでした。

天気:曇りのち晴れ(薄曇り)
調査時間:10:05から14:50まで
調査結果:カンムリウミスズメ 0
           
 このところ時化の日が続いていたが、この日はピンポイントで海況が良いとのことで、調査が平日実施となる。天気が回復したのは良いが、放射冷却で霜が降りた、とても寒い朝だった。

防寒対策はしてきたものの、やはり冬の調査は身に染みる。

船長さんたちの定置網作業の関係で出港は10時。いつもより出発が遅かったからか、港を出る時に八島行きの定期船とすれ違った。波は穏やかで海面も白っぽく、鳥探しの条件はそろっている。

241220八島の定期船が前方を横切る.jpg

遠くに見えるホウジロ島が「浮島」となっていたので撮影しておく。

241220ホウジロ島が「浮島」に.jpg

船長さんがハマチのナブラが立っていると言っていたが、私は確認できなかった。しかし注意して海上を見渡したお陰で、スナメリを見つけることができた。
反対方向を見ると鳥の群も見つかる。既に船長さんも気づいていたようで、船を進めている。
ウミネコがハマチのナブラについていて50羽前後いたようだ。

241220ハマチのナブラ.jpg

241220ナブラの近くに集まったウミネコの群1.jpg

241220ナブラの近くに集まったウミネコの群2.jpg

241220ナブラの近くに集まったウミネコの群3.jpg

そのうちその騒ぎも収まり、船は再び宇和島を目指して進む。四国方面もよく見え、佐田岬半島の端っこの方は「浮島」となっている。

241220佐田岬半島にも「浮島」.jpg

波もほとんどない状態が続く。

Tさんが遠くを指さしたので、双眼鏡で確認すると、祝島の辺りに黒い「お団子」が見える。ヒヨドリの群のようだ。
海面すれすれを飛び始めたのかすぐに見失う。この時期になってもまだ渡りをしているのだろうか。研究者のTさんも「今年の渡りは遅れているんですかね〜」と。

遠くに見える姫島にも「浮島現象」が現れていたので、この時期らしい風景としてくどいようだが撮影しておく。

241220姫島も「浮島」に.jpg

自衛隊の艦艇らしきものも見えたが、陽炎のような状態だったので、少し近づいてから撮影を試みる。それでも艦艇名や船体番号が確認できるような写真は撮れなかった。薄っすらと読み取れる番号を頼りに調べたところ、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」型2番艦の「しもきた」と分かる。

241220海自の輸送艦が現れる.jpg



(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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2024年12月01日

24年12月のカンムリウミスズメ調査報告17

2024年12月1日

調査記録:
 10時33分:上関町白浜漁港を出港。調査開始。船長1名+洋上調査者2名+別目的離島調査者2名。
 10時38分:N島北東岸下の岩礁にウミネコ成鳥約30羽休息中、ウ類5羽休息中。

241201ウミネコ.jpg

 10時48分:ウミネコ成鳥1羽飛翔。
 ?時?分:A島上空トビ1羽飛翔。灯台岩場の釣り人(1名)の周辺にアオサギ1羽休息中。
 11時23分:U南西端の岩場にウ類4羽休息中。

241201ウミウ1.jpg

 12時22分:Y島漁港付近をウミネコ1羽飛翔。
 12時30分:Y島漁港に到着。昼食。ヒヨドリ多数の声、ハシブトガラス1羽の声、アオサギ1羽が岩場で休息。
 13時08分:Y島漁港を出港。
 13時20分:Y島北西部沿岸上空をミサゴ1羽飛翔。周辺岩礁からウ類8羽飛び立つ。

241201ウミウ2.jpg

 14時10分前後:U島東部岩礁にカラス類2羽止まる。
 14時13分:それらをハヤブサ1羽が飛来して追い払う。

241201ハヤブサ1.jpg

241201ハヤブサ2.jpg

241201ハヤブサ3.jpg

 14時20分頃:U島南部上空をノスリ1羽、トビ2羽が飛翔。


231201ノスリ.jpg

 14時37分:ウミネコ成鳥1羽飛翔。
 15時10分:H
島上空をミサゴ1羽、カラス類1羽が飛翔。

241201ミサゴ.jpg

241201ミサゴの巣にイソヒヨドリメス.jpg

 15時21分:海面にウミネコ成鳥約30羽休息中。
 15時36分:海面にウミネコ成鳥6羽休息中。
 15時42分:白浜漁港に到着。調査終了。
出現種(不明種を含めて10種)
 ウ類
 アオサギ
 ウミネコ
 ミサゴ
 トビ
 ノスリ
 ハヤブサ
 ハシブトガラス
 カラス類
 ヒヨドリ
その他・海況等
 出港時の雲量は9で曇り。うねりは少々あり海面はさざ波が立つが、洋上観察に不適というほどではない。四国沿岸・佐田岬半島・大分県姫島は霞みがかかりながらもその輪郭は見える。 


(この調査は、大阪コミュニティ財団、地球環境基金、パタゴニア環境助成金、LUSHチャリティバンク助成金 を受けて行いました。 敬称略:五十音順)

※生息地保全のために詳細な調査区域を非公表としています。

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